TOYOTA GAZOO Racingが本気で勝ちに行ったマシン
2022年の「ダカールラリー」では、TOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメルが総合優勝を獲得。トヨタ勢にとって2019年の大会以来、じつに3年ぶり2度目の総合優勝となったが、その原動力となったのは主力モデルの「GRダカールハイラックスT1+」だと言えるだろう。
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最新「ランクル300」のV6ターボを搭載し足まわりを熟成
同モデルは、スーパープロダクショングループの「T1+クラス」に対応した専用のプロトタイプ車両。コア・コクピット・レイアウトを持つチューブラーフレームのシャシーに、3500ccのV6ガソリンツインターボエンジンをフロントミッドに搭載したレーシングマシンだ。
エンジンは新型「ランドクルーザー300 GR SPORT」に搭載されている「V35A」型がベース。FIAのレギュレーションによりブースト圧が制限されていることから、最大出力は298kw(約400ps)、最大トルクは660N・mに制限されているものの、それでも「モーテック」のエンジンマネジメントを採用することにより、低回転域でのトルクを強化している。そのほか、エンジン自体の軽量化を図ることで車両バランスの改善を行っていることが、同マシンの特徴と言えるだろう。
ターボユニットとインタークーラーは市販の標準部品だが、エンジンと組み合わせるトランスミッションはモータースポーツで豊富な実績を持つ「サデフ」製の6速シーケンシャルを採用。また車体面においては、2021年モデルに対してサスペンションストロークを280mmから350mmに変更するなど足まわりも熟成されており、走破性の向上が窺える。
これに合わせてタイヤも32インチから37インチへとアップしたほか、タイヤ幅も245mmから320mmへ拡大するなど細部のブラッシュアップに余念がない。
ドライバーたちからも高評価の嵐
この「GRダカールハイラックスT1+」についてドライバーのひとり、アル-アティヤはテスト段階から「この新しいハイラックスには感銘を受けっぱなし。とくに新採用された大径タイヤで厳しい路面に対応できたことが素晴らしい。エンジンのトルクとパワーにも文句はない」と絶賛。
さらにチームメイトのジニエル・ド・ヴィリエールが「ランドクルーザーのエンジンこそが私にとってのハイライト。とてもパワフルで、テストでの信頼性も高い」と語れば、同じくTOYOTA GAZOO Racingのヘンク・テラガンも「新しい大径タイヤとサスペンションが素晴らしい」、同チームのシャミア・ヴァリアワは「新たなV6エンジンは最初から印象的でした」とインプレッションするように、ドライバーからの評価は高い。
アル-アティヤ/ボーメルが堂々の優勝を果たす
事実、同モデルは2021年の南アフリカ・クロスカントリーラリーシリーズでのテスト参戦を経て、2022年のダカールラリーで猛威を発揮。アル-アティヤ/ボーメルがステージ1を制すると、ステージ4でもベストタイムをマークするなど序盤から抜群のスピードを披露した。さらにニューマシンにはトラブルがつきものだが、後半戦ではマシンを労わるようにアル-アティヤ/ボーメルはクレバーな走りを披露し、終始ラリーをリード。その結果、前述のとおり、アル-アティヤが自身4度目の勝利を挙げ、TOYOTA GAZOO Racingは2度目の勝利を獲得。GRダカールハイラックスT1+のスピードおよび安定性&耐久性の高さを証明した。なお、チームメイトのヴィリエール/デニス・マーフィも、この世界一過酷なラリーを5位で走破している。
大会終了後、ウイナーのアル-アティヤは「この素晴らしいGRダカールハイラックスT1+を生み出してくれたチーム代表兼テクニカルマネージャーでもあるグリン・ホールに感謝しています」とのこと。さらにチーム代表のホール氏も「新しいGRダカールハイラックスT1+で勝利できて感激しています」とのことだが、まさに2022年のTOYOTA GAZOO Racingの勝利は、経験豊富なアル-アティヤのドライビング、そして、GRダカールハイラックスT1+のパフォーマンスで掴み取った勝利と言えるだろう。
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みんなのコメント
WRCだって2000CCのランサーやインプレッサが早かったが、急に1500ccに変更したので一時日本車が苦戦したのだ。
当時のダカールラリーのパジェロが懐かしいな。
EURO
連合はずるいことしないでね! 堂々と戦ってね!