内外装はアリア譲り!?
日産ノートは先代がe-POWERを初めて搭載してから早4年。今やe-POWER専用車の感さえあるが、1.2L・NA&スーパーチャージャーでデビューしたのは2012年9月だから、8年2カ月前になる。新型の土台は、ルノーと共同開発の新世代プラットフォーム。欧州ジューク、ルノーのクリオやキャプチャーで熟成が進んでおり、まさしく満を持したフルモデルチェンジだ。
デザインは「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」をキーワードに、イメージを一新。新しいVモーショングリルや薄型ヘッドライトで構成されるフロントフェイス、シンプルかつダイナミックな面使いのスタイリングなど、日産電動車の新たなイメージリーダーとなるアリアとの強い一貫性が与えられた。
コックピットも、7インチTFTメーターと9インチナビがS字断面で連続した一体型バイザーレスディスプレイは、まさにアリア譲り。スタイリッシュなストレージと快適なアームレストを両立したブリッジ型センターコンソールは、アリアとも異なる新しい造形だ。電制シフトは一新され、電動パーキングブレーキを全車標準装備。質感も旧態依然だった先代から大幅に向上している。
内外装の見栄え、ドアの閉じ音やスイッチ/ハンドル類の操作感など、高品質を追求した造り込みには、人の感覚や特性を科学的に分析する新しい取り組みも。半ドア警告や運転支援開始などを知らせる情報提示音は、バンダイナムコのサウンドクリエーターと共同開発した意欲作だ。
全長&ホイールベースを短縮
ボディサイズも大きく見直された。先代に対して全長は55mm、ホイールベースは20mmそれぞれ短縮。先代は1クラス上のCセグメントカー、ティーダとの統合モデルとして開発されたが、新型はBセグメントらしいキュッと締まったコンパクト感を身につけた。全高も可倒式ポールアンテナ車の比較で15mm低くなっている。
全幅は先代をキープ。5ナンバーサイズに収まる1695mmだ。欧米ではBセグメントも、今や1700mm超の3ナンバーワイドが主流。そう、新型ノートは基本的に日本専用車として生まれ変わったのだ。海外向けは国内法規対応のまま輸出できる香港・シンガポールだけ。
シートには、これも国内初の新設計フレームを採用している。前席は身長190cmの乗員もカバーする大きさだ。もちろん、日産得意のゼログラビティシートを採用。ステアリングにはテレスコピックも付き、ミニバンのようだったドライビングポジションは大幅に改善されている。
ホイールベースが短くなった分、後席はニールームが狭くなっている。とはいえ、身長175cmの乗員を基準にしても、握り拳が縦に2つ分の空間を確保。なおもクラストップレベルの広さだ。2段階リクライニングの採用はクラス唯一。荷室容量は340L(VDA値)で先代から10L増えている。新型もパッケージは優秀だ。
ちょっと目につくのは、意外と高く張り出した後席中央のフロアトンネル。これはe-POWER用バッテリーの排熱ダクトをトンネルの上に移設したため。先代ではフロア下を通っていたが、全高に伴って後席の座面とフロアも低くしたため、行き場がなくなってしまったのだ。中央席に人を乗せる機会はあまりないかもしれないが…。
CMF(Common Module Family)の中の新世代上級小型車向けプラットフォームを核に、ボディも古さが際立った先代から飛躍的な性能アップを遂げている。ボディ剛性は30%、サスペンションの横剛性は10%それぞれ向上。ステアリング剛性は何と90%増だ。シャシー性能のジャンプアップは間違いなし。16インチタイヤでクラストップレベルの最小回転半径4.9mを確保した取り回し性も見逃せない。
日産の虎の子「e-POWER」が第2世代へ!
そしてシリーズ式ハイブリッド(HV)のe-POWERは、いよいよ第2世代に進化。パワートレーンはこの一本勝負だ。
ハードウェアはモーターとインバーターが刷新された。モーターは最大トルクが25.9kgmから28.6kgmに10%アップ。最高出力も109馬力から116馬力に向上している。インバーターは一気に40%の小型化を達成。軽量化も33%、約15kgにおよぶというから凄い。エンジンはHR12DE型1.2Lを踏襲するが、これもヘッドの新設計などで79馬力から82馬力にパワーアップしている。トルクは10.5kgmで変わらず。
これらによって、先代よりいっそう素早く、力強く、滑らかな加速性能を実現。燃費については、先代のJC08モードで比較すると、先代の34.0km/Lに対して新型はグレードやオプションによって33.2~38.2km/Lと異なり、向上幅はビミョーなところか。こちらは実用燃費の向上を期待しておきたい。
ソフトウェアの進化にも注目だ。路面状態に応じた発電制御は世界初。滑らかな路面では積極的にエンジンを止めてEV走行する一方、荒れた路面ではエンジンを再始動することでロードノイズを目立たなくするものだ。路面状態の判断は、車輪の回転変動の解析によって実現している。停車時や低速域ではエンジンを極力再始動しない充電量に応じた発電制御も、キックスに続いて採用。ボディの遮音性能向上などと相まって、1クラス上の圧倒的な静粛性を標榜する。
ワンペダル制御のe-POWERドライブも、走行中のアクセルオフに対して減速Gの立ち上がりを滑らかにした、キックスの新制御を採用。さらに新型ノートでは、約5km/h以下でクリープ制御を新たに加えた。これによって、駐車時には一般的な2ペダル車と同様の扱いやすさを再現。ブレーキを踏んで停車すれば、オートブレーキホールドが停止を維持してくれる。
先進運転支援システムについても、クラストップレベルの先進性を獲得している。旧世代だった先代に対して装備・機能を大幅に追加し、車両全周の360°セーフティを実現。プロパイロットはナビリンク機能付きを、北米で先行デビューした新型ローグ(日本名エクストレイル)に続いて日本初搭載した。
今回発表のFFは2020年12月発売予定。4WDは同じく12月正式発表、2021年2月に発売予定だが、この4WDがこれまたサプライズなのだ。
三菱とのアライアンスにより、電子制御4WDが大幅進化!
後輪をモーターで駆動する電動式は従来のe・4WDと同じだが、新型ノートは何と50kWのモーターを搭載する。先代の3.5kWに対し約14倍もの高出力。長い上り勾配、深い雪道、そして高速の追い越しと、あらゆる場面で絶大な4WD性能を実現する。このリヤモーターはアウトランダーPHEVがベース。三菱とのアライアンスによって具現化されたノートの新しい武器だ。ちなみに4WDは荷室の床下が高くなり、後席前倒し時にフラットになるようだ。
新型ノートは国内Bセグメントハッチバックの王座を奪還できるか!? スペックを見る限り、燃費はトヨタ ヤリスHVに敵わず、後席や荷室の広さ感やアレンジではホンダ フィットに譲る。一方、先代でも2台を凌駕したノートeパワーのEV的加速性能は、新型でさらに差を広げるはずだ。
あとの勝負は走ってみてのお楽しみ。日産新時代の幕を開ける新型ノートの出来映え、そしてライバル勢との熱い戦いは、とにかく興味深い。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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