現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】日産 マーチはスーパーチャージャーを装着して世界一の好燃費を目指した【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

【試乗】日産 マーチはスーパーチャージャーを装着して世界一の好燃費を目指した【10年ひと昔の新車】

掲載 更新 5
【試乗】日産 マーチはスーパーチャージャーを装着して世界一の好燃費を目指した【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 マーチ スーパーチャージャー(プロトタイプ)だ。

日産 マーチ スーパーチャージャー(2010年:プロトタイプ)
世界的な潮流となりつつあるダウンサイジングの波。フォルクスワーゲンのTSIが先鞭をつけた感のあるこのトレンドは、小排気量のエンジンを過給することで、燃費は身の丈を確保しつつ、より大きな排気量のエンジンに匹敵するパフォーマンスを発揮するというコンセプトだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

最近(編集部註:2010年)の国産メーカーではマツダのDIGI(直噴)ターボしか、そうしたコンセプトの新型エンジン開発の噂はとんと聞こえてこなかった。この分野に関しては、欧州勢にやや遅れをとった感もある。

だが、日産がダウンサイジングの戦いに、ついに本格参戦するようだ。その秘策となるのが、マイクラ(日本名:マーチ)に搭載される予定の1.2L 3気筒 直噴スーパーチャージド エンジンだ。このエンジンは、フルモデルチェンジと同時に登場したマーチ用のHR12DE型をベースに、ミラーサイクル化と直噴システム(DIG)、そしてスーパーチャージャーを搭載。加えてアイドリングストップも採用する。ガソリンエンジン車としては世界最高レベルの環境性能と1.5Lエンジンに匹敵する動力性能の両立を目指して開発が進められている。

このシステムのキモとなるスーパーチャージャーは、ルーツタイプとブロアタイプを組み合わせた形状をしている。つまり、ねじれたスクリューで空気を横方向に押し込んで行くような感じだ。ちなみにこのスーパーチャージャーユニットは電磁クラッチによってオンオフが繰り返され、低速走行時は過給をカットすることで燃費をより向上させる。

1.2Lエンジン+過給器といえば、直近に発表となったフォルクスワーゲン ポロも同じ成り立ちだ。ただし向こうはターボだが、方向性としては似ている。パワースペックは、マイクラは最高出力72kW、最大トルク150Nm、CO2排出量は95g/km(MT:欧州計測モード)。ポロは77kW、175Nm、124g/km(MT:欧州計測モード)。目指すところは実に近い。

ややおとなしめの加速感だがバランス的には一級品
では実際にマイクラのプロトモデルの走りを体感してみよう。予想どおり、その走り出しはややおとなしいものの、過給が始まれば力強さがみるみる増していく。高速域のトルク感もなかなかだ。これは確かにポロのフィールに似ている。ただ、スペックが示すとおりパワーもトルクもマーチのほうが大人しめだから、ポロのような意外に力強い加速感ではない。

もっとも、発進加速や高速巡航がやや苦手に思える通常の1.2Lマーチに比べれば、やはり差は大きい。環境性能と走りのバランスという意味では、ポロは元気過ぎるかも。環境性能を第一に考えれば、その目標値はきわめて高いし、けっして目をむく速さはないものの、過給がかかった状態ではかなりスポーティなフィーリングが楽しめる。つまり、マーチのほうがトータル性能に優れているかもしれない。

現在のところ開発中のためか、電磁クラッチの切り替わり時に段付きを感じたり、中速域のもたつき、そして高回転域での息苦しさなどが目につくこともある。だが、これも正式発表となる2011年前半(欧州)までには解決されるに違いない。

とはいえ、今回の試乗車は5速MT。日産自慢の副変速機付きCVTではない。つまり、まだ期待できるというものだ。当然のように計画されているというCVT仕様の出来が楽しみだ。日本への投入は、2011年夏頃の欧州発表の後。秋頃という噂もある。その時はポロと真っ向勝負させてみたいものだ。(編集部註:マーチ スーパーチャージャーは諸般の事情で販売されませんでしたが、このエンジンは後にノート<従来モデル>に搭載されました)

[ アルバム : マーチ スーパーチャージャー はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

【角田裕毅F1第22戦分析】初日からペース改善に成功「9位が精一杯。持っている力を出し切れた」一方ライバルとの差も痛感
【角田裕毅F1第22戦分析】初日からペース改善に成功「9位が精一杯。持っている力を出し切れた」一方ライバルとの差も痛感
AUTOSPORT web
【ミシュランマンも太田勤務?】日本ミシュランが移転一周年・新社屋お披露目
【ミシュランマンも太田勤務?】日本ミシュランが移転一周年・新社屋お披露目
AUTOCAR JAPAN
キザシ覆面パトカー1台105万円って安すぎんか………?? 入札価格のフシギを追う[復刻・2013年の話題]
キザシ覆面パトカー1台105万円って安すぎんか………?? 入札価格のフシギを追う[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
偶然「M3スポエボ」をゲット! 直6の325iから乗り換えて変わったこととは? イベントなどでBMWオーナーが優しく接してくれる理由は希少性ゆえ!?
偶然「M3スポエボ」をゲット! 直6の325iから乗り換えて変わったこととは? イベントなどでBMWオーナーが優しく接してくれる理由は希少性ゆえ!?
Auto Messe Web
すでに逮捕者も出ている! 他人事じゃない自転車の「酒気帯び」「ながら」運転の罰則強化
すでに逮捕者も出ている! 他人事じゃない自転車の「酒気帯び」「ながら」運転の罰則強化
WEB CARTOP
2024年10月の欧州新車販売、3カ月ぶりプラス HV依然好調 EVもプラス確保
2024年10月の欧州新車販売、3カ月ぶりプラス HV依然好調 EVもプラス確保
日刊自動車新聞
[15秒でわかる]光岡『M55 Zero Edition』…創業55周年の限定モデル登場
[15秒でわかる]光岡『M55 Zero Edition』…創業55周年の限定モデル登場
レスポンス
エアロ重視で航続距離750km DSが新型ファストバック「DS 8」のプロトタイプ初公開
エアロ重視で航続距離750km DSが新型ファストバック「DS 8」のプロトタイプ初公開
AUTOCAR JAPAN
ゼネラルモーターズ、11番目のF1チームに。キャデラックブランドで2026年からの参戦で基本合意
ゼネラルモーターズ、11番目のF1チームに。キャデラックブランドで2026年からの参戦で基本合意
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「ランクルオープン」初公開に大反響! FJ風な“旧車デザイン”&斬新「スケスケドア」採用! “TOYOTA”ロゴの「ROX」米国で披露!
トヨタ新型「ランクルオープン」初公開に大反響! FJ風な“旧車デザイン”&斬新「スケスケドア」採用! “TOYOTA”ロゴの「ROX」米国で披露!
くるまのニュース
どんな役割を持っているか知ってる? 最近のバイクに必須の「三元触媒」を徹底解説
どんな役割を持っているか知ってる? 最近のバイクに必須の「三元触媒」を徹底解説
バイクのニュース
ロータスがEV化計画を修正、ハイブリッド車導入へ 消費者需要や関税に対応
ロータスがEV化計画を修正、ハイブリッド車導入へ 消費者需要や関税に対応
AUTOCAR JAPAN
義父から受け継いだ日産「バイオレット」はオリジナルをキープ!「当時の状態で後世に残すこと」に共感して20年…現状維持が課題です
義父から受け継いだ日産「バイオレット」はオリジナルをキープ!「当時の状態で後世に残すこと」に共感して20年…現状維持が課題です
Auto Messe Web
ブリヂストン、国内3工場に投資し能力増強 高インチタイヤ生産強化 2028年までに日産3000本増
ブリヂストン、国内3工場に投資し能力増強 高インチタイヤ生産強化 2028年までに日産3000本増
日刊自動車新聞
ホンダ 新型「アドベンチャーモデル」発表に反響多数! 「デイキャン余裕です」「ロボット顔が好き」の声!鮮烈レッドボディに高性能「eSP+エンジン」搭載の「ADV160」どんなモデル?
ホンダ 新型「アドベンチャーモデル」発表に反響多数! 「デイキャン余裕です」「ロボット顔が好き」の声!鮮烈レッドボディに高性能「eSP+エンジン」搭載の「ADV160」どんなモデル?
くるまのニュース
独ボッシュでも最大5500人削減、欧州車メーカーの業績悪化が影響[新聞ウォッチ]
独ボッシュでも最大5500人削減、欧州車メーカーの業績悪化が影響[新聞ウォッチ]
レスポンス
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定【CES2025予習&復習セミナー】前回CESのトレンドを踏まえて次回の見どころをチェックする
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定【CES2025予習&復習セミナー】前回CESのトレンドを踏まえて次回の見どころをチェックする
レスポンス
クルマのメーター内に「光るカメ」出現! 「青いイカ」や「コーヒーカップ」も!? 点灯したらマズい? 新種の「警告灯」どんな意味?
クルマのメーター内に「光るカメ」出現! 「青いイカ」や「コーヒーカップ」も!? 点灯したらマズい? 新種の「警告灯」どんな意味?
くるまのニュース

みんなのコメント

5件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

128.9187.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.9254.0万円

中古車を検索
マーチの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

128.9187.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.9254.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村