2013年12月、軽ハイトワゴンとSUVのクロスオーバーモデルとして登場した初代ハスラーは、発売直後から大人気で、一時期は納車が1年待ちということもあった。
2019年12月に初のフルモデルチェンジを行い、2代目となる新型ハスラーが、2020年1月20日より発売された。
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すでに、受注台数は2万台に達し、納車まで3ヵ月待ちとなっているが、初代ほどの勢いは感じられない。
そこで、今回は新型ハスラーではなく、旧型ハスラーにターゲットを絞り、中古車相場は下がってきたのか、モータージャーナリストの萩原文博氏が徹底調査!
文/萩原文博
写真/ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】魅力溢れる初代ハスラーの詳細写真
初代ハスラーは2013年12月から6年間にわたって販売された
2013年12月に発売された初代ハスラー。SUVテイストを盛り込んだハイトワゴンという新しいカテゴリーを作り出して大ヒット
2019年12月に発表され、2020年1月から発売された2代目ハスラー。ボディサイズは3395×1475×1680mm(全長×全幅×全高)と、全高のみわずかに15mmアップ。ホイールベースは2460mmと35mm延長したことなどにより、前席と後席の乗員間距離が35mm、前席の左右乗員間距離が30mm広がっている
初代ハスラーは2013年12月、当時軽自動車の王道となっていたハイトワゴンのワゴンRとSUVのクロスオーバーモデルとして登場。ポップな外観そして、ハイトワゴン+SUVという新しいカテゴリーのパイオニアとして、大ヒット。
一時期は納期が半年から1年待ちということもあった。OEM供給しているマツダフレアクロスオーバーのほうが、納車が短いということが知られるとユーザーが殺到するというエピソードも残っている。
2014年1月に発売されたハスラーのOEM車、マツダフレアクロスオーバー
搭載するエンジンは最高出力52psを発生する直列3気筒自然吸気と最高出力64psを発生する直列3気筒ターボの2種類。組み合わされるトランスミッションはCVTを中心に自然吸気車の一部グレードに5速MTを採用。
駆動方式は2WD(FF)と4WDで、4WD のCVT車には急な坂を下る際に車速を約7km/hに維持する「ヒルディセントコントロール」や雪道などの滑りやすい路面での発進をサポートする「グリップコントロール」を搭載。
さらに、安全装備では、衝突被害軽減ブレーキの「レーダーブレーキサポート」や誤発進抑制機能などを搭載している。
一部改良やマイナーチェンジした年式をしっかりチェックする
2015年12月の一部改良で設定されたデュアルカメラブレーキサポート。フロントに設置されたデュアルカメラが人の目のような役割を果たし、先行車や前方の歩行者などを認識。システムが衝突の危険性を察知した場合はまずドライバーに警告を発し、より危険性が増すとブレーキ操作をアシストして衝突回避を図る。それでもさらに衝突の危険性が高まった場合には自動で強いブレーキを作動させて衝突回避、衝突被害軽減をサポートする機能。自車の速度が約5~100km/hの速度域で作動し、夜間や自転車の検知には対応していない
初代ハスラーは2019年12月までの約6年間のモデルライフのなかで、一部改良やマイナーチェンジを行い商品力がアップしている。
まず、2015年5月の一部改良で、自然吸気エンジンに搭載されているモーター機能付発電機のISG+リチウムイオンバッテリーを組み合わせたエネチャージの性能を向上させた「Sエネチャージ」を搭載。モーターアシトする時間を最長30秒まで拡大し、燃費性能もJC08モード燃費で32.0km/Lまで延びている。
また、2015年12月の一部改良ではターボ車の「Sエネチャージ」化とともに、上級グレードのX、Xターボにはステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備するとともに、全方位メモリーナビゲーションをメーカーオプションとして設定するなど安全性能を向上させている。
2015年12月にはターボエンジン搭載車にも自然吸気エンジン車と同じくSエネチャージを採用したほか、一部グレードにステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備。価格は107万8920円~167万4000円。また、これに合わせて専用内外装の採用と装備追加などで上質感を高めた特別仕様車「J STYLE II」を発売
2015年12月の一部改良では内装のカラーパネルはイエローを加え、オレンジ、ホワイトと合わせ3種類に増えた
シート表皮は黒基調のデジタルカモフラージュ柄に変更。シートパイピングは新色に合わせたグリーンとイエローが追加
そして、2018年11月の一部改良では、デュアルカメラブレーキサポートをGとGターボにも拡大して標準装備とした。
また、内装のカラーパネルやシートパイピングの設定色の見直しに加えて、メッキフロントグリルやメッキドアハンドルを採用し、上質な印象を持たせたJ、Jターボを新グレードとして設定している。
初代ハスラーの中古車ではグレードによって運転支援システムに違いがあることは注意したいところだ。
また、モデルライフのなかで特別仕様車が度々発売され、なかでも注目はX、XターボをベースとしたJスタイルシリーズ。
1~3まで設定され、2と3は多機能なデュアルカメラブレーキサポートや空気清浄機能付、オートエアコンを採用するなど安全&快適装備が充実しているのでオススメだ。
特別仕様車「J STYLEIII」は「スズキセーフティサポート」として、デュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能を搭載したほか、全方位モニター用カメラパッケージをメーカーオプション設定
2019年式、走行距離500km以下の未使用中古車が約757台も!
上の写真をクリックすると初代ハスラーの中古車情報が見られます!
それでは、最新の初代ハスラーの中古車相場を見てみよう。
現在、初代ハスラーの中古車は約2910台流通している。フルモデルチェンジ前の2019年12月の時点で、約3350台。新型発表後の年明けには約4000台まで増えたが、現在は約2910台まで減っている。
流通している中古車の平均走行距離は3カ月前が約1.6万kmで、2020年2月は約1.5万kmと若干短縮している。
そして中古車の平均価格は3カ月前が約114万円で、現在は約115万円と走行距離の短縮にリンクしてわずかに値上がりということとなった。
平均価格の価格を1年スパンに広げてみると、あることが見えてきた。2019年2月の時点で、初代ハスラーの平均価格は約120万円だった。
その後順調な値落ちを続けて、2019年10月に当面の底値となる114万円を記録。その後値上がりに転じて、約115万円となった。
この値上がりに理由は走行距離が少ない、未使用中古車や登録済み未使用車と呼ばれる中古車が大量に出回ったことを意味しているのだ。
2019年式、走行距離500km以下という条件で検索すると、約757台がヒットした。
上の写真をクリックするとハスラーの登録済み未使用車の情報が見られます!
この未使用中古車の価格帯は約90万~約190万円で、グレードでは660Gが半数以上の約406台、2018年に追加された660Jが約92台、そして660G 4WDが75台となっている。
これらはデュアルカメラサポートと呼ばれる運転支援システムを採用しているので、購入後の満足度も高いと思われる。
続いては初代ハスラーの中古車全体のグレード構成を見てみよう。高年式車と同様に最も多いのは660Gで流通台数は約1040台。
2番目に多いのは自然吸気エンジン搭載車の上級グレードの660Xの約252台、そして660Jが約125台と自然吸気車が上位を独占。
ターボ車ではGターボ、Xターボといったカタログモデルが主流で、特別仕様車も少なめとなっている。
これからのパートナーとして、初代ハスラーの中古車を選ぶのであれば、価格とともに重要視してもらいたいのはデュアルカメラブレーキサポートが付いているかどうか。
最上級グレードのXやXターボは2015年からこの運転支援システムが装着されているし、特別仕様車のJスタイルもIIからこの装備を装着している。
最も流通台数の多い660Xで、デュアルカメラブレーキサポート装着車の価格帯は約69万~約145万円。
特別仕様車のJスタイルIIは約76万~約173万円となっている。100万円以下で購入できる中古車も豊富となので狙い目だ。街乗りだけであれば、自然吸気エンジンでも全く不満は感じない。
少々マニアックだが、旧型ハスラーにはMT車の設定があったが、新型は全グレードがマイルドハイブリッドになったためその姿を消したのでMTが欲しい人は初代ハスラーの中古を探してみよう。
上の写真をクリックするとハスラーのMT車の中古車情報が見られます!
最後に念のために、と2020年1月20日から発売したばかりの新型ハスラーの登録済み未使用車はないのか探してみると、約130万~200万円前後で流通していた。発売から1ヵ月しか経っていないのに驚くばかりだ。
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