画期的なパワートレーンを搭載するスーパーカーとして世界的に注目を集めるホンダNSX。3.5L V6ツインターボエンジンと3基の電気モーターを組み合わせた3モーターハイブリッドシステムによる驚異的な高性能は、2019年モデルでさらに熟成を遂げていた。(Motor Magazine 2019年2月号より)
従来のNSXにわずかにあった違和感が消えた
2016年に発売されたNSXの改良版である2019年モデルに、いち早く試乗のチャンスを得た。ワイド&ローなスタイリングが印象的だが、さらにそれを際立たせるため、フロントグリルがシルバーからボディ同色に変更された。また、メッシュパーツやカーボンパーツをマット仕上げからグロス仕上げに変更。質感が向上し、スポーツカーらしい、よりキリッと凛々しい顔になった。
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ボディカラーには、初代NSXの「イモラオレンジパール」にインスピレーションを受けつつ、技術的にも進化した「サーマルオレンジパール」を追加。太陽の光を受けるとより鮮やかに深みある色が輝いてキレイだ。個性的なスポーツカーだからこそ、こうした無難じゃない選択もして欲しい。
NSXの最大の特徴は「3モーターハイブリッドシステム」による4WD機構を備えること。前輪の左右とエンジン部に装備する3個の電気モーターの制御で、前後輪のトルク配分といった出力特性に限らず、左右のトルク配分によるトルクベクタリングなど、ステア特性から限界域のハンドリングに至るまで、このクルマの性格を支配する「要」の技術である。
先進的で、非常に複雑な制御をしている「時代に即したスーパーカー」なのだが、2016年のデビュー当時は、ドライバーの意志や操作に同調しきれず、違和感を覚える挙動も見られた。
そこがどう変わっているかが最大の興味だったが、結論を言えば、飛躍的な進化を遂げていた。
ドライバーに寄り添うクルマになったNSX
走行シーンに応じて車両特性を選択できるドライブモード「インテグレーテッドダイナミクスシステム」をクワイエットモードにすると、ほぼ無音で力強く走る。このルックスとサウンド、走りのギャップが今時なスポーツカーだ。乗り心地も快適で、ハンドルの操舵力も軽く、早朝から深夜まで、日常使いも難なくこなせる。
ワインディングで「スポーツ」や「スポーツプラスモード」を試してみる。静粛から一転、エンジンサウンドを響かせながらの爽快ドライブに。ハンドルを切ると、相変わらずクイックに反応するが、以前のような違和感はない。とはいえ明らかに電子制御によるコントロールでコンサバなスポーツカーとは一線を画した動きではあるが、ハンドル操作にボディが追従してくれ、操る楽しさがある。
そして「トラック」モードがNSXの進化を最も顕著に実感できる。サーキットでのハイスピード、限界域での走行でも、安心感ある挙動は変わらない。各所の剛性をアップさせたとのことだが、スピードが上がるほどに、限界に近づくほどに剛性の高さを感じる。
そして何よりも、リアの安定感が抜群に高くなったのが安心できる要因。ターンインはトルクベクタリングのおかげもあり、実にシャープに反応し、コーナリング姿勢も安定している。
定常的なコーナーでアクセルペダルを踏んでいくと、徐々にアンダーステアとなる。アクセルペダルコントロールに対してトリッキーだった初期型のトラウマがあり右足を戻すのを躊躇したが、恐る恐るリリースしてみるとリアは落ち着いたまま穏やかにフロントが入っていった。
ドライバーの操作に対して、期待どおりの挙動を見せてくれる2019年モデルは、初代から受け継がれた「人間中心のスーパースポーツ」のコンセプトを継承した、ドライバーに寄り添うクルマへと進化している。
走りの進化には大いに満足したが、一方、インテリアの変更は、「インディゴ」というブルーカラーが追加されただけで、以前に指摘したバニティミラーがまだ装備されていなかったり、質感の向上が感じられなかったのは残念だ。スーパーカーにとって、パフォーマンスはもちろん大事だが、日常的に、クルマへ乗るたびに感じられる世界観もとても重要だ。操る喜び同様、所有する喜びもさらに進化させていって欲しい。(文:佐藤久実)
ホンダ NSX 主要諸元
●全長×全幅×全高=4490×1940×1215mm
●ホイールベース=2630mm
●車両重量=1800kg
●パワーユニット=V6DOHCツインターボ+モーター
●エンジン排気量=3492cc
●エンジン最高出力=507ps/6500-7500rpm
●エンジン最大トルク=550Nm/2000-6000rpm
●モーター最高出力=前37ps×2/後48ps×1
●トランスミッション=9速DCT
●駆動方式=4WD
●車両価格=2370万円
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