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誰もが心躍ったバブル・スポーツカー5選

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誰もが心躍ったバブル・スポーツカー5選

■バブル期に生まれた日本生まれのスポーツカーが世界の自動車史を変えた!

 日本のバブル期に登場したスポーツカーは、じつは世界のクルマメーカーに衝撃を与えたクルマが多いことが特徴です。
 
 ホンダ「NSX」は、ミドシップのスーパースポーツに快適で扱いやすいという価値を与え、フェラーリをはじめとする欧米スーパースポーツに衝撃を与えました。ユーノス「ロードスター」は、ライトウェイトの原点に立ち返り、2シーターオープンのムーブメントを起こしました。そこで、バブル景気の時代に生まれた後世に影響を与えたスポーツカーを5車種紹介します。

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●ユーノス「ロードスター」(NA系)、1989年9月日本デビュー

 1989年9月、ユーノス「ロードスター」は、マツダ第5の販売チャネル「ユーノス店」から発売されたライトウェイトスポーツです。
 
 1970年代の2度のオイルショックで絶滅状態にあった軽量な2座オープンスポーツをマツダが発売すると、たちまち大きな反響を呼び世界にオープン2シーターブームを起こしました。バブル期に誕生した日本車として誇るべき1台といえます。

 フロントミッドに搭載したエンジンは、同社のFF車ファミリアから流用したB6型です。後輪を駆動するその1.6リッター直列4気筒DOHCは、最高出力120馬力/6500rpm、最大トルク14.0kgm/5500rpmでしかありませんが、全長3970mm×全幅1675mm×全高1235mm、車重900kg半ばの軽量コンパクトなボディを軽快に、そして爽快に走らせました。

 サスペンションは前後ダブルウイッシュボーン。ステアリングはパワーアシスト付きラック&ピニオンで、柔軟なサスペンションとの相乗で“ヒラリ”と旋回するハンドリングは、まさしく「人馬一体」を具現化した走りで、多くのファンを魅了しました。

 1993年のマイナーチェンジでエンジンを1.8リッターのBP型に換装します。以降、いくつもの特別仕様などを発表しながら長いモデルスパンを過ごし、1998年1月に2代目にバトンを渡しました。

●日産「フェアレディZ」(Z32型)、1989年7月デビュー

 歴代フェアレディZの主戦場はデビュー時から米国でした。

 このZ32型もまた米国で先行発売され、1989年7月に日本上陸を果たします。新型Zのスタイリングイメージは一新され、洗練されたスポーツカーとしても迫力あるエクステリアとなりました。前後オーバーハングを切り詰めたボディは短く広くなり、2シーターモデルは4310mm×全幅1790mm×全高1250mm、ホイールベース2450mmでした。

 最上級モデルの搭300ZXツインターボの載エンジンは、3リッターV型6気筒DOHCツインターボで、280馬力/6400rpmの最高出力と、39.6kgm/3600rpmという図太いトルクを発生し、支える足は「SUPER HICAS」を備えた4輪マルチリンク式でした。

 Z32型は、グローバルでも見劣らないスポーツカーとして海外でも高い評価を得ますが、最大市場の米国で保険掛金が高騰して大きく販売が落ち込みます。2000年に生産を終え、フェアレディZは一時絶版車となりますが、2002年に復活を果たしました。

●アンフィニ「RX-7」(FD3S型)、1991年10月デビュー

 マツダのロータリースポーツ「RX-7」がモデルチェンジして1991年10月に3代目となるFD3S型に生まれ変わりました。発売は同年12月からです。
 
 発売当初は販売店系列「アンフィニ」の名で、アンフィニ「RX-7」として販売され、1996年にアンフィニ店とユーノス店が統合した後に、マツダ「RX-7」という名称になりました。

 1991年はロータリースポーツにとって記念すべき年でした。マツダは、バブル景気に乗って潤沢な資金を投じてモータースポーツに傾倒し、FD3S型発売の半年ほど前の夏、ロータリーエンジンのレースマシンで「ル・マン24時間レース」で総合優勝を飾ったのです。

 ピュアスポーツらしく変貌したボディは全長4295mm×全幅1760mm×全高1230mm、ホイールベース2425mmと、低く広い3ナンバーボディとなりました。フロントミッドに搭載したエンジンは搭載位置を先代比で50mm、前席着座位置を50mm、ボンネット高も70mm下げ、低い重心高を得たのです。

 搭載されるエンジンは当初から13B-REW型・654cc×2のツインローター・シーケンシャルツインターボとされます。レブリミットが8000rpm、出力&トルクは255馬力/30.0kgmでした。
 
 サスペンションはアルミ鍛造アームのダブルウイッシュボーン式に進化します。

 FD3S型RX-7は、最終的に最高出力280馬力/6500rpm、最大トルク32.0kgm/5000rpmを発揮する高出力&大トルクエンジン搭載となりましたが、国内および北米でのスポーツカー受難の時代を迎え、ターボ過給ロータリーエンジンの環境対応の難しさなどで、2002年8月に生産を終えます。

■いまだに世界中の自動車愛好家から注目度大のGT-RとNSX

 発売当初、初代NSXはトム・クルーズが購入するなど、世界のセレブにも認められるスーパースポーツとなりました。一方のR32型スカイラインGT-Rは、ツーリングカーレースなどで大活躍したこともあって、海外では「ゴジラ」と呼ばれるほどの人気があります。
 
 初代NSXとR32型GT-Rが世界に与えた衝撃は、現在では考えられないほどの大きさだったのです。

●日産「スカイラインGT-R」(BNR32型)、1989年8月デビュー

 1973年に初代GT-Rの流れをくむS20型エンジンを搭載して誕生した2代目GT-Rは、わずか3ヶ月ほどで生産が終了しました。その後、GT-Rの名前は1989年に登場する3代目スカイラインGT-Rの誕生までまたなければなりませんでした。

 搭載されるエンジンRB26DETT型・直列6気筒DOHC24バルブ+ツインターボの排気量は2.6リッター。スカGの伝統を守ったストレート6は、GT-Rとして初めてターボ化され、その最高出力は280馬力/6800rpm、最大トルク36.0kgm/4400rpmとなり、国内最強のエンジンのひとつでした。トランスミッションは5速MTのみを組み合わせます。

 ボディは1989年5月に8代目としてフルモデルチェンジしたスカイラインGTクーペに前後ブリスターフェンダーを与え、全幅とトレッドを拡大した全長4545mm×全幅1755mm×全高1340mm、ホイールベース2615mmの3ナンバーボディとなります。

 駆動方式および足まわりもきわめて凝ったシステムで、積極的に前後トルク配分を変える4WDの「ATTESA E-TS」に、4輪操舵の「SUPER HICAS」を採用しました。デビューの翌年、グループAのホモロゲーション車両として、軽量化などを受けた500台限定の「GT-R NISMO」が発売されます。

 1993年にマイナーチェンジを受けて、前後ブレーキローターを拡大したブレンボ製ベンチレーテッドディスクを装備、BBS製鍛造アルミにGT-R初の50%扁平225/50R17タイヤを履いた「V Spec」が加わりました。翌年にはタイヤサイズを245/45R17に換装した「V Spec II」となります。BNR32型GT-Rは1994年12月に販売を終了。GT-Rとして歴代最高の4万3661台の販売を記録しました。

●ホンダ「NSX」、1989年2月デビュー

 ホンダ「NSX」は、日本を代表するスーパースポーツと呼ぶにふさわしい1台です。1989年2月、米シカゴショーでアキュラ・ブランドとしてデビュー。まさに日本のバブル絶頂期にプロトタイプとして発表され、その翌年の1990年9月に市場に登場した新世代ミッドシップスポーツでした。

 NSXのボディ寸法は全長4430×全幅1810×全高1170mm、ホイールベース2530mm。オールアルミニウム製モノコック&ボディは車重1350kg(MT車)と軽量です。これは、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションアームや支持部材、搭載エンジン、内装のシートレールやシートフレームなどもアルミ製とすることで達成しました。

 車幅こそ1.8m超でしたが、それ以外の寸法は当時大ヒットしていたデートカーと呼ばれたホンダ・プレリュードと大差ないサイズでした。

 NSXの心臓であるC30型エンジンは、3リッターV型6気筒DOHC24バルブエンジン。可変バルブタイミング&リフト機構「VTEC」を搭載しました。このホンダ独自の機構は、自然吸気エンジンで究極の性能を持たせるためのホンダの回答でもあったのです。

 その最高出力は、国内メーカー自主規制値であった280馬力/7300rpm(MT車)と265馬力/6800rpm(AT車)。最大トルクは30.0kgm/5400rpmを得ています。高回転まできれいに回るエンジンでしたが、低中速のドライバビリティも優れた、柔軟性の高いエンジンでもありました。

※ ※ ※

 バブル景気は国産車に多様性をもたらしました。それは、今回紹介したスポーツモデルにとどまりません。日産は「Be-1」などの一連のパイクカーを輩出しながら市場では“シーマ現象”を起こしました。
 
 トヨタは高級セダンの「セルシオ」を生み、ミニバンとしては「エスティマ」を発売します。
 
 スバルは6気筒ボクサーを搭載し、ジウジアーロがデザインした「アルシオーネSVX」を発売。NSXをリリースしたホンダは、一方で軽自動車でオープン2シーターの「ビート」も販売しました。
 
 今後このように多様なクルマが登場する時代がやってくるでしょうか。

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