タイヤのチェックを怠らないようにしたい
ハイブリッドを含むエンジン車に乗っていたドライバーにとって、EV(電気自動車)に乗り換えるというのは、カーライフにおけるルーティンが大きく変わることを意味しています。なぜなら長年利用してきたガソリンスタンド(サービスステーション)を訪れ、愛車に給油するという行為が不要になるからです。
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そのかわりに、自宅などに設置したコンセントから普通充電を行ったり、自動車ディーラーやサービスエリアなどにある公共充電器を利用して急速充電を行ったりする必要は出てくるのですが、ともかく日常的にガソリンスタンドに行かなくなるというのは、カーライフの大きな変化といえるでしょう。
ここで注意したいのはタイヤ空気圧のチェックについてです。
エンジン車に乗っているときは給油時に立ち寄ったガソリンスタンドのサービスを利用してタイヤのエアチェックを行い、足りなければ空気を入れることができますが、給油をしないEVでそうしたサービスだけをフリーライドするというのは社会人として失礼といえます。
また、セルフではない有人サービスタイプのガソリンスタンドであれば、タイヤが摩耗していることを教えてくれたりもします。なかには、新品タイヤを売るためのセールストークであることもありますが……。
いずれにしても、EVオーナーはしっかりと意識していなければ、タイヤのコンディションについて無頓着になりがちかもしれません。そこでオススメしたいのは、ハンディタイプの空気入れ(電動ポンプ)と空気圧を測定するエアゲージを用意しておくことです。
冒頭でも記したように、EVに乗り換えると、ガソリンスタンドに寄らなくなるかわりに急速充電器を利用するケースが増えます。充電をしている間、車内でスマホをさわって時間をつぶすだけでなく、タイヤのコンディションを確認して、必要であれば空気を入れるようにすれば時間の有効活用になります。
エンジン車のときは無料で入れられたタイヤエアのためにお金を払って電動ポンプを買うのはバカバカしいと思うかもしれませんが、タイヤ管理はパワートレインにかかわらず重要な行為ですから、愛車で気もちよく走るために意識を高め、手間をかけてほしいと思います。
空気を入れるための電動ポンプを買ったとて、EVのメンテナンスにかかるコストはエンジン車とは比べものにならないほど低く抑えることができるからです。
エンジン車の定期的なメンテナンスといえば、代表的なのはエンジンオイルの交換ですが、EVはエンジンを積んでいません。当然ながら、エンジンオイル交換というメンテナンスは不要です。
さらにいえば、いわゆる多段式トランスミッションをもっているEVもほとんどありませんから、ミッションオイルの交換も不要です。モーターとデファレンシャルをつなぐギヤは存在しているので潤滑油をまったく使っていないわけではありませんが、オイル交換にかかっていたコストの大部分は、EVに乗り換えることで不要になるわけです。
ブレーキパッドは減りづらいがフルード交換は必要
ブレーキまわりも傷みづらい傾向にあります。EVに限った話ではなく、ハイブリッド車でも同様ですが、電動車には「回生ブレーキ」というファクターがあります。ご存じのように、これは減速時にモーターで発電してバッテリーを充電するという機能。エネルギーの有効活用です。
そして、視点を変えると、減速に回生ブレーキを活用することは、メカブレーキ(ディスクやドラムと呼ばれるシステム)の負担を軽減することになります。そのため、ブレーキパッドやシューといったパーツの摩耗は少ない傾向にあります。これもメンテナンスコストを抑えることにつながります。ただし、ブレーキペダルの踏力をメカブレーキに伝えるブレーキフルードは湿気などを吸って傷みますから、定期的な交換が必要なのは変わりません。
EVに乗ると駆動用の高電圧バッテリーがどれだけ充電されているかを気にしがちですが、意外に忘れがちなのが12V補機バッテリーのコンディションでしょう。駆動用バッテリーを充電しておけばEVは走ると思っていたら、補機バッテリーがアガっていてシステムが起動しないなんてこともあり得ます。日常的に電圧を計測するほどシビアにならずともいいでしょうが、半年~1年に1度は点検を受け、補機バッテリーの状態を確認しておくと安心です。
エンジン車ではオルタネーターやジェネレーターといったパーツで走行中に補機バッテリーを充電しますが、EVでも同様に駆動用バッテリーから補機バッテリーへ電力を送って充電する仕組みとなっていますから、機械的な故障やルームランプの点けっぱなしといったミスがない限り、そう簡単に補機バッテリーがアガってしまうことはありません。それでも補機バッテリーが古くなってくると、必要な電圧を確保できなくなりますので点検が必要なのです。
EVにおいても補機バッテリーはボンネットを開けて確認することが多いのですが、同様にボンネット下にあるのがウォッシャー液タンクです。雨天時にワイパーを作動させた際、ウインドウの汚れを落としてくれる機能を持つ液体で、安全運転には非常に重要です。
ワイパーのおまけ的な機能と思っているかもしれませんが、保安基準に含まれる機能です。つまり、ウォッシャー液がしっかり噴射されなければ車検に通らないのです。いうまでもありませんが、エンジン車でもEVでも、ウォッシャー液を使い切ったあとは補充する必要があるのはなんら変わらないのです。
ウォッシャー液の残り具合は、タンクを覗いたり、キャップを外したりして目視で確認できますし、補充用ウォッシャー液は自動車用品店などで入手できます。プロに頼まなくともオーナーができるメンテナンスとして積極的に実施してほしいと思います。
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