■懐かしの大ヒット車を振り返る!
これまでヒット作となったクルマは数多く存在しますが、発売から月日が経つとだんだんと見かけなくなり、やがて忘れ去られてしまいます。
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かつて街にあふれていたクルマでも古くなると廃車され、資源として再生される運命にあるのは避けられません。
希少価値や趣味性が高いクルマは生き残りますが、大ヒットしたクルマの多くは淘汰されるスピードも速いといえるでしょう。
そこで、いまではあまり見られなくなった、過去に大ヒットしたクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「ブルーバード」
1959年に発売されたダットサン「ブルーバード」は、最大のライバルであるトヨタ「コロナ」と激しい販売競争を繰り広げ、日本のモータリゼーションの発展に大きく貢献したクルマです。
そして、1979年に登場した6代目ブルーバードは、大ヒットした3代目を連想させるような直線基調のボディデザインが好評を博し、同時期の6代目コロナを販売台数で抜き去ることに成功。
発売後から1982年2月まで、小型車クラスの販売台数27か月連続トップという驚異的なセールスを記録しました。
パワーユニットは急速燃焼の実現のためツインプラグとした「Z型」エンジンを基本とし、1980年には1.8リッター直列4気筒エンジンにターボチャージャーを装着した「Z18ET型」エンジンを搭載した「ターボSSS」をラインナップ。
このターボSSSは、エンジンのパワフルさやピックアップの良さとともに、走行安定性を高めたサスペンションも高い評価を得ました。
なお、ブルーバードシリーズでこの6代目が最後のFR車となったため、生粋のブルーバードファンにとって、いまも特別な1台となっています。
●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」
生活に根ざした4WDセダン/ステーションワゴンという、独自のマーケットを切り開いたスバル「レオーネ」の後継車として1989年にデビューした「レガシィ」は、新世代のセダン/ステーションワゴンとして大いに話題となりました。
新開発の2リッター水平対向4気筒エンジンを搭載し、ターボモデルでは当時の2リッタークラス最強の220馬力を発揮。
この高性能エンジンとフルタイム4WDシステムを搭載した「レガシィ ツーリングワゴン」は、スキーブームやアウトドアレジャーブームという背景もあって、大ヒットしました。
レガシィ登場以前もステーションワゴンは数多く存在しましたが、商用バンのイメージが強く、そのイメージを払拭したのがレガシィです。
レガシィ ツーリングワゴンの成功を目の当たりにした国産メーカー各社が、後にステーションワゴンを次々と発売するという現象が起きました。
●三菱「ディアマンテ」
バブル景気でアッパーミドルクラスセダンの人気が高まっていた1990年、三菱から3ナンバー専用車の「ディアマンテ」が発売されました。
当時のセダンは5ナンバーサイズが販売の主力でしたが、ディアマンテは全長4740mm×全幅1775mm×全高1410mmの堂々としたサイズが特徴で、押し出し感の強いデザインも相まって、好景気によって上流志向のユーザーを獲得し、ヒット作になります。
エンジンは2リッター、2.5リッター、3リッターのいずれもV型6気筒エンジンを横置きに搭載し、駆動方式はFFと4WDを設定。
もっとも売れたグレードはFFの2.5リッターエンジン搭載車で、ドライブフィールは重厚感がある高級車然としていて、手頃な価格ということもあり、若年層からも人気を博します。
そして、ディアマンテのヒットによって、他社も3ナンバーサイズのミドルクラスセダンを次々に発売して、追従しました。
■シーマよりも売れていた高級車があった!?
●ホンダ「ステップワゴン」
バブルが弾け一気に景気が悪化した1990年代中頃に、「三菱がホンダを買収するのでは」という噂がありました。当時、ホンダのメインバンクが三菱銀行だったことから出た憶測でしたが、そんな噂が立つほどホンダの国内販売は低迷。
そんな状況を打開した大ヒット作が、1996年に発売された初代「ステップワゴン」です。
すでにヒットしていた3ナンバーサイズのミニバン「オデッセイ」がありましたが、ステップワゴンは5ナンバーサイズに収めながら広い室内空間を実現し、後部ドアも片面のみのスライドドアを採用して、子育て世代のファミリー層から絶大な支持を得ます。
さらに3列シート車が179万8000円(東京価格:消費税含まず)からと、かなり戦略的な価格設定となっていたことも大ヒットの要因です。
以前、ホンダは「ミニバンメーカー」と揶揄されたこともありましたが、ステップワゴンによってホンダの「ものづくり」が救われたと言っても過言ではありません。
なお、現行モデルのステップワゴンは5代目になりますが、スタイルを含め原則5ナンバーサイズを維持するなど、初代のコンセプトを継承しています。
●トヨタ「クラウン」
1955年に純国産乗用車として登場した「クラウン」は、歴代にわたって格調や気品、先進技術、高品質を取り入れてきた日本を代表する高級車です。
そして、1987年に発売された8代目では、4ドアハードトップに3ナンバー専用ボディがラインナップされるなど、時代のニーズに合わせて大きく変化したモデルとなっています。
トップグレードの「ロイヤルサルーンG」には3リッター直列6気筒DOHCエンジンが搭載され、さらに1989年には「セルシオ」に先行して、4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」を追加するなど高級志向を高めつつ、さまざまなユーザーに向けて豊富なバリエーションを展開。
その結果、バブル景気の追い風もあり、一時期は月間販売台数で「カローラ」を抜き、高額なクルマでありながらも1988年から1990年の国内販売台数ランキングで、カローラ、マークIIに次いで3位になるほどの人気車となります。
バブル期に日産の高級車「シーマ」がヒットしたことを受け、当時の高級車市場の活性化ぶりを「シーマ現象」と呼んでいますが、実際の販売台数はクラウンがシーマを遥かに上まわっていました。
※ ※ ※
近年、1980年代から1990年代に発売された、いわゆる旧車の人気が世界的に高まっています。しかし、日本で旧車を持つのは、ひと筋縄ではいかないようです。
まず、登録から13年を経過したクルマは、環境負荷が高いという理由で懲罰的に自動車税が増税され、重量税も13年超と18年超で2段階に上がります。
また、電子部品や樹脂部品の劣化は避けられず、故障の頻度が高くなりますが製造廃止の部品が多く、最悪は修理できない可能性があります。
日産「スカイラインGT-R」やマツダ「ロードスター」など、趣味性が強く現存数も多いモデルは部品の再生産が始まっていますが、それら以外の車種は絶望的です。
日本は自動車大国ですが、自動車文化を育てるという点では、厳しい国ではないでしょうか。
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「ブルーバード、お前の時代だ」と沢田研二がCMで言っていたが、今の日産、そう言ってもらえるようなモデルを作らないとなあ・・