今回は2023年に注目を集めた軽自動車、三菱デリカミニの注目ポイントをご紹介します。2023年4月に発表されたデリカミニは、登場直後から予想を上回る販売実績を達成。そして、その唯一無二のデザインは「日本カー・オブ・・イヤー2023」の「デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことで再び注目を集めました。というわけで、改めてデリカミニをチェックしていきたいと思います。また、これに連動したYouTube動画もアップしておりますので、そちらも併せてご覧ください。
注目ポイント(1) 老若男女に愛されるカッコかわいいデザイン
デリカミニはその名の通り、三菱が長年にわたって愛され続けるミニバン型SUV「デリカ」のイメージを軽自動車に反映させた「ミニ」版と言えます。
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ですがフロントデザインを見ると、三菱のダイナミックシールドを採用しながらも兄貴分の「デリカD:5」のような精悍で煌びやかさはあまり感じません。すなわち「ギラギラ」していないということです。デリカミニの登場までは「ekクロススペース」というモデルがその役割を担っていましたが、それはまさしくデリカD:5のフロントマスクを継承したギラギラとした印象でした。
実はこのekクロス スペース、三菱「らしさ」があまり感じられないということで三菱社内でも反省の声があったそう。改めて三菱らしさとは何か、デリカとは何かについて議論がなされた結果として、かつての三菱の財産であるパジェロや歴代デリカなどからデザイン要素を集め、再解釈し直したデリカミニが想像されました。
デリカミニのデザインは、SUVらしいタフさは感じさせながら、どこか「ミニ」を名乗るがゆえの可愛らしさも感じさせます。三菱はこのデザインを「やんちゃ坊主」と定義していますが、確かにそう呼ぶに相応しいカッコかわいく仕上げられていると思いました。
ちなみに、このデザインにおける技術的なこだわりを一つ紹介させてください。SUVらしさを表現するためにはホイールアーチを囲うように樹脂パーツを装着するのがデザイン上の通例ですが、軽自動車の定められた最大寸法にすでに到達しているボディ骨格では当該パーツを大きく配することができません。
そこで三菱のエンジニアは、ボディカラーの工夫によって視覚的なSUVらしさの表現を実現しました。が、そこには大きな障壁があったといいます。というのもホイールアーチ部分のみを「上」からブラック塗装すると、経年劣化によって次第に剥がれてしまう恐れがあるため品質の担保ができなかったというのです。
そこで三菱は、塗装の順番を入れ替えることでこの問題を解決しました。つまり、あらかじめホイールアーチ部分を黒塗りしたのちボディカラーをそれ以外の部分に塗装することで、ホイールアーチ部分の塗装の膜が「下」になるように処理を施しました。これによって品質を確保しながらSUVらしいデザイン表現を叶えることができました。
かくして老若男女に親しまれる「カッコかわいい」が完成しました。これだけエクステリアデザインにこだわったと知ると、さらにデリカミニに愛着が湧くこと間違いなしです。
注目ポイント(2) さらに機能性を増した室内空間
実はこのデリカミニ、名前こそニューモデルですが、実は2020年に登場した「ekクロススペース」の大幅改良モデルに相当します。つまりインテリアの大部分は変更が見受けられません。さらに、ekクロススペースに設定のあった「プレミアムインテリアパッケージ」もデリカミニには用意がなく、ステッチ加工された高級感あるダッシュボードなどの豪華仕立ては無くなってしまうという残念な側面もあります。
ですが、一方で「デリカ」の名に相応しい機能性を向上させているのが注目ポイントです。例えばラゲッジルームは樹脂仕様のラゲッジボードと塩化ビニール仕様の後席シートバックを設定することで、泥汚れなどを気にせず積載できます。また濡れたものを置いてもシミにならず、サッと拭き取ることができるのも美点です。
続いてシートは全車ファブリック生地と合成皮革のコンビシートを採用しています。質感の高さもさることながら、撥水加工が施されているので座っていて蒸れにくくなっているのが嬉しいポイントです。
さらに細かな変更点を見ると、ekクロススペースには無かったドリンクホルダーのフラップが採用されたことで、サイズを問わずにドリンクを固定することができるようになりました。こういった細かな改良によって、使い勝手が向上しているのは朗報と言えます。
注目ポイント(3) どっしりとした安心感のある乗り味
肝心の走りは、想像以上に安心感あるものでした。軽スーパーハイトワゴンをベースに、さらに車高が高められているデリカミニは全幅が1475mmに対して全高が1830mmもあります。乗っていて車体がフラフラしないか、正直試乗前には心配していました。
ですが、その心配はすぐに晴れました。落ち着いたステアフィールと少し硬めの足回りは、寸法から想像するよりずっと車幅が広いような感覚を覚えました。これは試乗した四輪駆動モデルにおいて、軽自動車では珍しい大径タイヤを装着していることが所以と思われます。オフロード走行を想定して大径タイヤを採用しているのですが、一般道路や高速道路といったオンロード走行においてもその恩恵を受けることができました。
また専用開発のショックアブソーバーを前後に装着していることが功を奏したのか、路面からの突き上げに対してショックが緩和されているように感じました。それは決してふわふわしているわけではなく全体として引き締まっている乗り味です。が、嫌なカドが取れているという好印象な走行体験でした。
したがってデリカミニの走りは、高い運転姿勢とどっしりとした安心感ある乗り味によって「デリカ」感を存分に味わうことができます。
注目ポイント(4) マイルドハイブリッドとターボによる痛快な走り
デリカミニには自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類のパワートレーンを用意しています。さらに全車マイルドハイブリッド機構を備えています。今回試乗した「T プレミアム」はターボモデルで最高出力64ps、最大トルク100Nmを発生します。そこにモーター最高出力2.7ps、モーター最大トルク40Nmのマイルドハイブリッドを組み合わせているので、非常に力強い走りを実現しています。
特筆すべき点は、アクセルペダルの踏み加減に対するレスポンスの良さです。モーターによる加勢があるためレスポンスに優れているほか、ターボの低回転域から発生する分厚いトルクによってグイッと押される感覚が痛快でした。さらにターボモデルにはパドルシフトが備わっているので、CVTながらシフト制御も楽しむことができます。
また試乗した「T プレミアム」の場合、WLTCモード燃費が19.2km/Lと公表されています。今回の試乗は約200km、男性2名乗車で一般道路と高速道路をそれぞれ5割、そのうち3割程度が渋滞していました。が、それでもメーター内の燃費は15.0km/L前後を常に表示していました。というわけで、ターボモデルであっても実用燃費はそう悪くないと感じました。
どんなニーズにも応える万能さはまさに「デリカ」
2023年に注目を集めたデリカミニ。その魅力はカッコかわいいデザインのみならず、機能性や走行性能も軽自動車のトップランナーであると感じました。
アウトドアユースに長けた装備が充実したデリカミニですが、それは日常使いにおいても重宝するものばかりです。ekスペース譲りの高いユーティリティ性はそのままに、どんなニーズにも応える万能なクルマに仕上がっていました。
現状軽スーパーハイトワゴン市場において、他ブランドの「カスタム」を名乗る勢力たちが市場を牛耳っている感は否めませんが、三菱はそこに新たな選択肢であって「カスタム」には無いタフさや可愛らしさを盛り込んだニューモデルとしてデリカミニを投入しました。それは現在、我々の想像を大きく超えるほど市場で受け入れられています。
三菱らしいカタチの軽自動車、まさにデリカの名前に相応しいクルマは2024年も注目が続きそうだと感じます。
より細かいデリカミニの内外装チェックはYouTubeで観よう!
今回、ここではお伝えしきれなかった細かなポイントも含めたデリカミニの注目点や魅力を紹介する動画をYouTubeで公開しています。また動画内では、ドライブのお供に紙カップのコーヒーやラテなどを飲む方たちへ向けたドリンクホルダーチェックも必見です。
三菱 デリカミニ Tプレミアム 4WD 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1830mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:1060kg
●エンジン型式・種類:BR06型・直3DOHCターボ+モーター
●排気量:659cc
●エンジン最高出力:47kW(64ps)/5600rpm
●エンジン最大トルク:100Nm/2400-4000rpm
●モーター最高出力:2.0kW(2.7ps)/1200rpm
●モーター最大トルク:40Nm/100rpm
●トランスミッション:CVT
●WLTCモード燃費:19.2km/L
●タイヤサイズ:165/60R15
●車両価格:223万8500円
[ アルバム : 三菱 デリカミニ はオリジナルサイトでご覧ください ]
デリカミニの動画はコチラ!
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