4月に入って春の気配が色濃くなった今日この頃。冬に備えて支度をしていた愛車も、そろそろ春の装いに衣替えしてはいかがだろうか? 過酷な冬を乗り切って、春を迎える愛車のメンテ術!
※本稿は2024年3月のものです
文/ベストカー編集部、諸星陽一、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年4月10日号
花粉を放置するとボディにシミが!? 雪道走行はサビの原因に!! 春にやっておきたいクルマメンテナンス
■春……愛車も冬装備から春仕様へ
今シーズンは暖冬といわれながらも、それなりに厳しい冬だった……1991年以降の気象庁のデータでは、都内で雪が降った最終日は3月9日。3月10日を過ぎれば、雪が降ることはまずないと考えてもいいだろう
立春はとうに過ぎたというのに、まだまだ寒い日もあるが、3月中旬ともなれば、陽の光も力強さを増して、春の雰囲気を感じるようになってきた。
北海道や東北地方、信越地方などの降雪エリアではまだまだ雪が残り、クルマの冬支度を解くにはもうちょい時間が必要かもしれないが、首都圏や中京圏、大阪圏などではそろそろ冬装備から春仕様へと愛車も衣替えの時期となる。
ちなみに、気象庁のデータを見てみると、1991年以降、都内で雪が降った最終日は3月9日。3月10日を過ぎればまず、雪が降ることもないってことで、衣替えの目安になるだろう。
■冬はクルマが汚れる! まずは徹底洗車から!
雪道を走った後は、特に下回りを重点的に洗浄したい
降雪エリアにお住まいの方には釈迦に説法だろうが、雪道を走るとクルマは汚れる。1月、2月の旭川でも市内や幹線国道などは除雪されており、路肩に積み上がった雪が溶けだして路面はびしょびしょ。汚れた水がまき上がって車体に付着するからドロドロに汚れちゃう。北関東の山間部などではなおさらだ。
しかも、雪道では凍結防止剤を散布する。これは塩化カルシウムなので、特に下回りに付着すると錆びの原因となる。
雪道を走った後は、特に下回りを重点的に洗浄したい。春メンテの第一歩は、洗車場などにある高圧洗浄機でフェンダー内側、サスペンション周り、車体の下回りなどを重点的に洗い流すことから始めたい。ホイールの隙間からブレーキ周りなどもしっかりと洗い流すことだ。
■室内の徹底清掃。エアコン吹き出し口も磨く!
冬場は寒いから洗車をさぼりがち。案外汚れているのが室内だ。2月になればスギ花粉も飛んでいる。フロアマットは洗ってスッキリさせたい。冬支度としてゴムマットに交換しているのであれば、そろそろクロスタイプのマットに交換してもいいだろう。
室内清掃と関連して、エアコンフィルターも交換したい。この後でも触れているが、花粉対策としても重要だ。エアコン吹き出し口の汚れは、割り箸などにウエスを巻き付けて奥まで汚れを取ろう。
■冬場はバッテリーの負担が増大!
バッテリーは寒さに弱い上に、冬場はヒーターや熱線デフォッガーを使う機会も多いため、冬場は特に負担がかかる。12V鉛蓄電池の液面レベルを確認し、減っていたらバッテリー補充液を注入
寒い冬はヒーターを使う機会も増える。リアウィンドウが曇れば熱線デフォッガーを使うだろう。日照時間も短いのでヘッドライトを点灯する時間も長くなる。しかも気温が低いとバッテリーの化学変化が鈍くなるため充放電効率が低下する。
そう、冬場はバッテリーにとって過酷なコンディションなのだ。
ということで、弱ったバッテリーのメンテを忘れてはならない。12V鉛蓄電池の液面レベルを確認して、減っているようならばバッテリー補充液を注入しよう。
また、セルモーターの回りが重たくなったようなら電圧低下。3年以上経過しているようならばそろそろ寿命なので交換を検討しよう。
■エアクリーナーを点検、清掃→交換
関東平野では冬場は空っ風が吹き荒れる。乾燥した晴天が続き、埃が巻き上がる。時に砂ぼこりで視界が奪われることもあるほどだ。
こんな外気を取り込むわけだから、エアクリーナーのフィルターは過酷な仕事を強いられる。
■ワイパーブレードの点検、ウォッシャー液の補充
雪道を走ればウォッシャーを使う機会も増える。そうではなくとも砂埃が多ければウォッシャーを使う。雨が降る季節に対し、圧倒的にウォッシャー液の使用量が増えるので、春メンテではウォッシャー液の補充を忘れずにしたい。
これと併せてワイパーブレードの劣化の点検も忘れずに。ふき取り痕が残るようならブレード交換だ。
■Check Point
●雪道走ったクルマは下回りが錆びるぞ!
積雪時には幹線道路に融雪剤が散布される
上の写真は2024年2月5日、都内で降雪があった際のものだ。都心の幹線道路にも雪が積もり始めると、融雪剤が散布された。
この融雪剤は主に塩化カルシウムなので、錆びの要因となる。高速道路でも融雪剤は散布されるので、前走車の巻き上げで塩化カルシウム水溶液が車体全体に付着する。高圧洗浄機でしっかりと洗い流したい。特に下回りは重点的に!
●バッテリーの劣化をチェックする!
バッテリーは寒さに弱い。さらに冬場はヒーターを使うことでファンを回す時間も長くなる。また、リアウィンドウの熱線デフォッガーを使う機会も多いだろう。とかくバッテリーには負担がかかるのが冬場なのだ。
バッテリーを点検して、電解液が減っているようなら補充液を注入。3年以上経過したバッテリーでセルの回転が重くなっているなら交換を検討しよう。
●エアクリーナーフィルターも交換!
エアクリーナーのフィルターは粉じんを吸着するが、汚れが溜まるとエアの通りが悪くなる。点検して必要なら交換だ。
●ワイパーの劣化もチェック!
雪道を走るとワイパーの使用頻度が圧倒的に高まる。ブレードが劣化していたら交換。ウォッシャー液の補充も忘れずに!
■今どきのクルマはエンジンオイルやLLCは交換不要
1980年代あたりまでは冬場になると冷却液を「不凍液」に交換するのが一般的だったが、現在のクルマでは年間通して不凍液(LLC)が使用されるので特にその必要はない。
エンジンオイルも同様。メーカー指定の番手のエンジンオイルを使用しているのであれば季節に応じて交換するような必要はない。そうはいってもせっかく春メンテなので量のチェックはしよう。
■外したスタッドレスタイヤどうやって保管する?
指し示している箇所がプラットフォーム。ミゾの残量を確認したい
『冬装備解除』といったら、やっぱりスタッドレスタイヤからサマータイヤへのチェンジだろう。
自分で作業するにせよ、ショップでやってもらうにせよ、外したスタッドレスタイヤはきれいに洗ってしっかりと乾かしてからしまいたい。せっかく外した状態なのだから、ホイールの内側もきれいにしよう。
洗うついでにトレッド面やサイドウォールの傷なども確認。トレッド面はスタッドレスタイヤとしての使用限界を示す「プラットフォーム」が露出していないかを確認。スリップサインが露出するまではサマータイヤとして使用できるが、プラットフォームが露出していたら冬用タイヤとしては使用不可だ。
きれいに洗って乾燥されたらビニール袋に包んでタイヤラックに立てて保管するのがいい。エアは抜く必要はない。風雨をしのげる物置などに保管できればベストだが、ベランダなどに置く場合はタイヤ用遮光カバーや、なければブルーシートなどで覆っておこう。
■花粉を放置するとボディがシミになる!
花粉はペクチンという糖質成分を含むため、粘着質。濡れ雑巾で拭き取ろうとするとむしろベタリと広がってしまうので、ぬるま湯をかけて流動性を高めて洗い流すのがいい
スギ花粉の時期は黄砂の時期と重なるので、付着を確認したら速やかに洗車し、除去することが大切だ。
作業ははじめチョロチョロでボディを濡らし、その後は普通に洗車すればいい。これは勢いよく水を掛けて、花粉が落ちる前に周囲に散乱するのを防ぐため。特に花粉症の人は、自分に被害が及ぶので注意。コイン洗車場ではチョロチョロとはいかないので、しっかりマスクで防御してから取り組みたい。
花粉は樹液と同じで、少しベタベタした成分を含む。これはペクチンと呼ばれる多糖類が影響している。
花粉付着後にベタベタとして除去しづらい時は、ぬるま湯で洗うことでペクチンを溶かして落とせる。これは樹液が付着した場合も同様の方法できれいに落とすことができるので、ぜひ試していただきたい。
ペクチンがボディに残っていると、ワックスを掛けた時に線状にペクチンが広がっていく。こうした経験をしたことがある方も多いだろう。
この先、サクラの時期になるとサクラの花びらがボディにへばりついてしまうこともある。この花びらもクセ者。無理やりはがすとキズになるので、水を掛けてふやかして、さらに水圧で落とすようにしたい。
エアコンフィルターは花粉シーズン前に交換し、新品のもっとも高い性能の状態でこの時期に使いたいもの。フィルターに花粉がたまれば、侵入の可能性が増えるのは言うまでもない。花粉対応のエアコンフィルターもあるので、それをチョイスするのもいい。
(TEXT/諸星陽一)
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寒冷地じゃ無いので除雪剤散布しない