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2024年初頭までに4車種がそろうクラウン!! 本命はセダン? あるいはエステートか!?

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2024年初頭までに4車種がそろうクラウン!! 本命はセダン? あるいはエステートか!?

 2022年9月に発売されたトヨタクラウンクロスオーバーだが、2023年3月現在、納期は約1年弱となっている。2022年7月のワールドプレミアの際に、残りの3種類のクラウンを2024年初頭までをめどに発売することもアナウンスされていた。そうなると気になるのが次に発売されるクラウンのタイプだ。そこでエステート、スポーツ、セダンの登場タイミングの予想と、それぞれのおすすめのポイントをご紹介しよう。

文/渡辺陽一郎、写真/Toyota、ベストカー編集部

2024年初頭までに4車種がそろうクラウン!! 本命はセダン? あるいはエステートか!?

■クラウンフルモデルチェンジの衝撃

クラウンはモデルチェンジでセダンではなくSUVタイプのクロスオーバーへと進化した

 最近はフルモデルチェンジされた新型車を見て、驚かされる機会が減った。クルマのデザインや動力性能が、安定成長期に入ったからだ。衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、電動機能を含めた環境性能などは今でも進化しているが、目に見える変化は穏やかだ。例えばインプレッサやCX-5の新旧モデルを比べても、外観の変化に驚くことはない。

 しかしクラウンのフルモデルチェンジには驚いた。従来は日本向けの上級セダンだったが、現行型は、海外でも販売できるトランクスペースを備えたセダンスタイルのSUVに発展したからだ。車名はクラウンクロスオーバーとされ、駆動方式も従来型は後輪駆動だったが、現行型は前輪駆動をベースにした4WDだ。

 ここまでクラウンを変えた理由は近年の販売低迷だ。クラウンは1990年に1か月平均で約1万7300台を登録した。2022年に国内販売1位になったN-BOXの1か月平均が約1万6800台だから、当時のクラウンの売れ行きは物凄かった。

 それがフルモデルチェンジ直前の2021年は約1800台だから、クラウンの販売規模は約30年前の約10%まで落ち込んだ。2021年の国内販売は、新型コロナウイルスの影響で滞ったが、それでも1990年の57%だ。

 クラウンの10%は減り方が激しい。しかも取り扱い販売店は、1990年は一部の地域を除くとトヨタ店のみだったが、今は全店扱いで販売網は約4倍に増えているのだ。

 こうなると以前のマークII(後のマークX)、コロナ(同プレミオ)、カリーナ(同アリオン)などの4ドアモデルと同様、クラウンを廃止する方法もあった。

 しかしクラウンは初代モデルを1955年に発売したトヨタの伝統ある基幹車種だから、ほかの車種のように廃止はせず、存続させることに決めた。

■セダンではなくクロスオーバーになった理由

こちらは新型クラウンセダン。唯一縦型エンジンを搭載したFRとなっている

 問題は販売の回復だ。従来と同じセダンでは売れ行きが伸びず、結局は廃止される。そこでクラウンの高級路線を維持しつつ、カテゴリーをSUVに変更した。ミニバンは国内中心で、ワゴンやクーペはセダンと同じく販売が伸び悩む。クラウンをヤリスのようなコンパクトカーには変えられないから、必然的にSUVへ発展した。

 それでも不安は残る。かつてのマークXは、3列シートのマークXジオを加えたが、結局は販売が落ち込んで廃止された。ボディが1種類では足りず、ヤリスやカローラのようにシリーズ化しないと安心できない。そこでクラウンを存続させるため、膨大な開発コストを費やして、複数のボディを用意した。

 そこで設定されたのが、既に売られているクラウンクロスオーバーと、2023年3月時点では発売されていないクラウンスポーツ/エステート/セダンの3タイプだ。合計4タイプを用意すれば、販売が低迷しても、クラウンシリーズとしての登録台数を相応に確保できる。

 4タイプの中でクラウンクロスオーバーを最初に発売した理由は、新旧クラウンの架け橋になるからだ。外観はSUV風だが、ボディタイプは前述の通り独立したトランクスペースを備えたセダンになる。いきなり純粋なSUVに変更すると、ユーザーは戸惑うが、セダンタイプのSUVであれば違和感を抑えられる。

 その代わり架け橋だから、見方を変えると車両の性格が中途半端だ。SUVが欲しいユーザーには、トランクスペースの開口部が小さく、自転車のような大きな荷物を積みにくい。セダンとしては、人気の高いメルセデスベンツC/Eクラスのようなフォーマルな雰囲気が希薄だ。

 クラウン(クロスオーバーのみ)の月販基準台数は、発売時点で3200台と公表したが、仮にコロナ禍の影響がなくても、この販売水準を安定的に達成するのは容易ではない。今までの登録台数を見ると、2023年に入って1月は4498台、2月は3581台まで増えたが、今後の動向が注目される。

■売れ筋の本命はエステート

売れ筋の本命といわれるクラウンエステート。戦略的な価格設定が予想される

 そしてこれから発売されるクラウンシリーズの本命、最も推奨度の高い売れ筋タイプはエステートだ。全長は4930mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2850mmだからクロスオーバーと等しいが、全幅は1880mmと少しワイドだ。全高は1620mmだからクロスオーバーを80mm上まわる。

 ボディは典型的なSUVスタイルで、3列目のシートも用意される。今のSUVには3列シート車が増えたが、トヨタブランドではランドクルーザーと同プラドのみだ。その点でクラウンエステートは、RAV4の野性味とハリアーの上質感を併せ持ち、3列目シートも備わるから、前輪駆動をベースにしたトヨタのシティ派SUVでは売れ筋の上級車種に位置付けられる。

 その一方でエステートはクラウンシリーズの最量販タイプだから、2.5Lのノーマルエンジンや2WDなど、メカニズムがシンプルな買い得グレードを用意する可能性が高い。

 クラウンクロスオーバーは、全車がハイブリッドと4WDを備えるから、最も安価なグレードでも435万円だが、クラウンエステートは300万円台の仕様も設定しそうだ。このようにクラウンは、エステートを中心に売れ行きを伸ばして「クラウンの復権」を宣言する。

 このほかクラウンシリーズには、ボディの短いSUVのスポーツもあり、全長は4710mmだからクロスオーバーを220mm下まわる。ホイールベースも2770mmだから80mm短い。文字通り機敏な運転感覚を味わえるスポーティなSUVに仕上げる。

 スポーツの推奨度は、エステートよりも低いが、外観にボリューム感があってクルマ好きには興味の沸くタイプだと思う。欧州のプレミアムブランドでいえば、メルセデスベンツGLCクーペ、BMW X4、ポルシェマカンのような性格を備える。

 クラウンセダンは、シリーズで唯一、後輪駆動を採用する。エンジンを縦方向に搭載するから、前輪とフロントピラー(柱)の間が広がり、ボンネットも長い。従って全長は5030mm、ホイールベースも3000mmに達する。セダンは法人を始めとする従来型のユーザーを継承することも視野に入れて設定される。セダンはクラウンの伝統を分かりやすく継承する存在でもある。

■クロスオーバーの次に登場するのはスポーツか!?

クラウンスポーツは取り回しのいいSUVモデルとなっている

 そして2022年7月15日の発表時点では、エステート/スポーツ/セダンについて、トヨタは「これから1年半の期間で順次、世の中に送り出す」としていた。つまり2024年1月頃までには、残りの3タイプも出そろうわけだ。

 この点を販売店に尋ねると、以下のように返答された。「お客様からクラウンのエステートやスポーツに関する問い合わせを多く受けるが、現時点で正確な発売日、グレード構成、価格などはメーカーから知らされていない。

 それでもクロスオーバーに続いて登場するクラウンは、スポーツになりそうだ。8月頃には予約受注など、何らかのご案内ができると思う。またエステートは2023年に登場せず、2024年になる可能性もある」。

 なぜクラウンエステートなどは発売が遅いのか。「半導体を始めとして供給が滞り、今でもクラウンクロスオーバーの納期は正常に戻っていない。2.5Lハイブリッドは半年以上で、2.4Lターボハイブリッドは約1年を要する。この状況で新しいタイプを次々に投入すると、納期が再び長引く。そこでまずはスポーツを追加して、様子を見ると思う」。

 ちなみにクラウンには、新しい残価設定ローンの「トヨタパスポートエクスプレス」が適用される。1年コースも用意され、残価率(新車価格に占める残価の割合)は86%と高い(残価は販売会社によって異なり80%もある)。

 つまり大雑把にいえば、1年間に残価を除いた車両価格の14%を支払うローンだ。まずは14%を支払いながらクラウンクロスオーバーを使い、1年後には返却して、次はクラウンスポーツに乗る。1年後にはこれを再び返却してエステートに乗り替えるという具合だ。

 1年間の支払いが14%でも、7年間使えば車両価格を上まわって車両は手元に残らない。従ってトクな使い方ではないが「毎年違うクラウンを味見して、気に入ったタイプを選んでください」というわけだ。

 4タイプを一斉に発売することは困難で、順次投入する計画となったが、これを逆に活用して新しい残価設定ローンを生み出した。このあたりが販売の上手なトヨタの特徴だ。

 しかもトヨタパスポートエクスプレスを利用すると、特典として、会員を対象とした他ブランドとの比較試乗会、開発者との懇談会なども開催される。つまりトヨタパスポートエクスプレスは、クラウンファンを増やす役割も担っているわけだ。その目的は4タイプの設定と同じく、クラウンを廃止せずに存続させることにある。

 クラウンの外観は大きく変わったが、そのサービスには、トヨタらしさが濃厚に息付いている。本質は今までと変わらず、トヨタがクラウンに対して、珍しく本気を見せたということだ。

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みんなのコメント

22件
  • ディーラーから情報を得たところ、スポーツにターボハイブリッドは搭載しないとの事!
  • 〉本命はセダン?
    ベストカーが何をぬかしてるんだよ?
    ベストカーは新型クラウンはセダンは廃止って言い切ってだろ?
    まずはその嘘の情報を流したことから始めましょうか。
    今までも嘘ついてしれーっと無かったことにしてましたが、クラウンセダンの廃止ってデマ記事は憶えてる人が多いよぉ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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