車名の由来は「羅針盤」からきている
80年代末から日産がリリースしたパイクカーシリーズのBe-1、パオ、フィガロがスマッシュヒットを記録したことは今でも鮮明に覚えている人も多いことだろう。このパイクカーシリーズは今でもなお、高い人気を誇っており、わざわざ日本から輸入をする海外のユーザーもいるほどである。
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そんな日産が久しぶりにリリースしたパイクカーが、1994年に登場したラシーンだ。元々は1993年の東京モーターショーに登場したコンセプトカーだったが、市場から市販化を求める声が多かったために、翌年のデビューと相成った形。過去のパイクカーとは異なり、限定販売ではなくカタログモデルとしての登場だった。
このラシーンはサニーやパルサー系の4WDの主要コンポーネンツを流用していたが、最低地上高を170mmと高められた車高や、4WDのみのラインアップでSUVテイストを持ち合わせており、クロスオーバーSUVの走りのような存在だった。
また、ルックスもサニーの保守的なデザインから一変、スクエアなデザインのボディに上下分割式のリヤゲートを採用したり、ルーフレールやグリルガード、背面スペアタイヤを備えたグレードを用意したりするなど、アクティブなイメージの車両に仕立てられており、ドラえもんが登場するコマーシャルと共に人気を集めた。搭載されるエンジンはベースとなったサニーにも搭載されていた、直列4気筒の1500ccエンジンでスタート。1997年には1.8リッターエンジンに日産自慢の4WDシステム「アテーサ」を組み合わせたグレードを新設している。
また、翌年には2リッターエンジンにアテーサを組み合わせたスポーティモデルの「フォルザ」が登場。こちらは専用バンパーや丸目4灯のヘッドライト、Cピラーのウインドウを専用のものにするなど差別化をし、オーバーフェンダーを装着したことで3ナンバーサイズへとサイズアップをしている。
ちなみに車名の由来は「羅針盤」から来ており、同時期に開設された日産自動車の公式ホームページにも「日産羅針盤」という名前が使用されていた。
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