この記事をまとめると
■コロナ禍が落ち着いたことでカスタムカーショーが活況を取り戻している
この背の高いランチア・デルタにルノー5ターボは!? ジムニーベースのびっくり車両4選【TAS2024】
■2024年度もカスタムカーショーでの一番人気はスズキ・ジムニーだった
■カスタムカーにはトレンドがあるがふとしたきっかけで人気が再燃するモデルもあるかもしれない
活況を呈した2024年の東西カスタムカーショー
コロナ禍の影響はかなり落ち着いてきたおかげで、今年の自動車関連のショーには多くのクルマ好きが訪れています。1月には千葉の幕張で「東京オートサロン」が、2月には大阪のベイエリアで「大阪オートメッセ」がそれぞれ開催され、連日多くの人でごった返していました。
観客動員数も大きく盛り返しを見せています。東京オートサロンではコロナ前の2019年で33万人でしたが今年は23万人で、完全には戻せていませんが、2023年比較では120%の増加でした。大阪オートメッセの方は2019年の26万人に対して今年は21万人とかなりの率で賑わいを取り戻しています。
出展者の気合いの乗りもかなりの勢いを感じました。やはり4年ぶりに自粛から解放されて気兼ねなく来場者と触れ合える開催とあって、意気込みも大きかったようです。
出展されていた車種の構成はその年ごとに移り変わりがありますが、新車の販売で人気の高い車種はやはり多く展示されている印象がありました。
ここでは、今年に開催された2大カスタムカーイベントを取材でまわってきたうえでの出展車種の傾向と、その違いなどについて話してみましょう。
■今年もダントツにジムニーの出展数が多かった
今年、2024年のカスタム車両のベースとしては、明らかに「スズキ・ジムニー」が多かったという印象です。これは来場した人なら誰もが思った感想でしょう。
その一方で、2018年の発売から5年以上が経ついまでもなぜ人気が衰えないのか? という疑問も生じます。
現行の「JB64W型ジムニー」といえば、20年ぶりのフルモデルチェンジへの期待感と、角張った無骨さとスタイリッシュな処理がうまくまとまったデザインがウケて、発売するやいなや目標値の何倍もの注文が殺到。その後のコロナ禍や、ウクライナ状勢などの影響で製造が遅れ、一時期は納車が1年以上待ちという事態になっていた超人気車種です。
その状況は今でもまだ続いているようで、いまだに納期が1年というケースもあるようです。
発売開始当初の2019年のオートサロンですでに「右向いても左向いてもジムニーだらけ」という様相を呈していましたが、それから5年経ったいまでも「ジムニー」の人気がまったく衰えを見せていないのは驚くべきことだと思います。
今年はオフロード志向のショップに留まらず、いろんなジャンルのカスタムメーカー/ショップがジムニーを題材にした新たなテイストの車両を出展していたのが印象的でした。それだけに、いろいろなアプローチのカスタムが見られて、観客として充実感は高かったと思います。
あくまでも推測ですが、カスタムしやすい軽自動車という点と、ジャンルを超えていろんなカスタムのイメージを湧き起こさせる素材としての魅力が、あれだけ多くの出展数になった理由だと考えます。
カスタムカー向きのクルマとそうでないクルマがある
■同じ旬の車両でもカスタムの数は明暗にわかれた
ここ1~2年でフルモデルチェンジを受けて注目度が高い旬な車種のなかでも、ショーに多く出展されている車種とそうでない車種にわかれていると感じました。
多い方の代表は「トヨタ・プリウス」と「アルファード/ヴェルファイア」
2023年に8年ぶりのフルモデルチェンジを受けた「プリウス」は、スポーツカー顔負けのスタイリッシュな外観となり、カスタムビルダーの心を大いにくすぐりました。
車高をべったりと下げて大径ホイール&低扁平なタイヤを履かせるだけでもスポーツ系の「走りそう」な雰囲気が増す外観のデザインは、カスタムベースとしてとてもポテンシャルが高い素材として受け取られたようです。
そこにアンダースポイラーを加えたライトめなカスタムが多い比率を占めていましたが、なかにはワイドフェンダーキットを装着した大胆なモディファイが加えられた車両や、他車種への顔面スワップの素材として使われた例もありました。
「アルファード/ヴェルファイア」も2023年にフルモデルチェンジを受け、話題に上り続けているホットな車種です。グリルの面積を大きく取った押し出しの強い迫力のデザインとなった先代から、カスタム好きの高級志向ユーザーの心をがっつりと捉え、カスタム業界を大きく潤した感があります。
その先代の人気をそのまま受け継いで、モデルチェンジ直後の今年は先代に負けない多くの出展車両が見られました。
フロントマスクをほぼ全面覆う面積の広いグリルの存在感が絶大なため、その雰囲気を変える手法が多かったという印象です。
大事な顧客層であるヤンチャ系の人たちに刺さるアイテムであるマフラーも同時に開発して出展しているケースもけっこうありました。
フェアレディZのカスタム車両も出揃ってきた
日産車では2022年にフルモデルチェンジ(正確にはビッグマイナーチェンジ)を受けた「フェアレディZ」の出展が目立ちました。先代のZ34型から14年ぶりとなる日産を代表するスポーツ車種のニューモデルということで、カスタム業界には「待ってました!」と言わんばかりに熱烈な受け入れ方をされたという印象です。
売れ筋のホイール+前後スポイラーというライトなモディファイの車両が多く並んでいましたが、ガラッと雰囲気を変えるワイドボディキットをまとった車両や、ガルウイングで華やかさを加えた車両など、大がかりなモディファイで観客の興味を大いに引きつけた車両も多かったように感じました。
2年目ということでカスタムの内容が充実してきたという印象です。
新型だけどあまり出展が目立たなかった車種もあった
一方で、同じように2022年、2023年にモデルチェンジを受けた旬なクルマでも、意外と出展が目立たなかった車種もありました。
そのひとつは「日産エクストレイル」でしょうか。
人気の高いクロスオーバーSUVジャンルで日産の代表車種として地位を確立した感がありますが、フルモデルチェンジをおこなった2023年から今年にかけての出展数は数えるほどでした。
確かにカスタムの中心的カテゴリーからは外れますが、アウトドア指向でいえばクロカン車の「ジムニー」がカスタムベースのトップを走っていますので、「エクストレイル」も可能性としてはじゅうぶんあると思いますが、外観のデザインがカスタムビルダーの心を刺激しなかったのでしょうか。
鳴り物入りで登場した三菱の「デリカミニ」も、話題に上がった割にあまり見かけなかった車種です。
カスタムしやすい軽自動車枠でツール感の高い無骨なデザインは、カスタムベースとしてのポテンシャルは十分に備えているように感じましたが、これについては理由が読めません。出たばかりのために納車を待ってカスタムを始めるには時間が足りなかったということでしょうか? 来年の出展に期待しておきましょう。
旬が過ぎた車種や旬にはとらわれず人気の高い車種もある
旬が過ぎて台数を減らした感があるのは「スープラ」です。5年前の2019年に17年ぶりの復活を果たしてスポーツ車界隈の話題をさらった「スープラ」ですが、今年の出展数は数えるくらいでした。
5年の間にライトなモディファイやフルボディメイクの大胆なカスタム、そして本気の競技車両など、ひと通りのカスタムが出揃って目新しい内容がなくなってきたため、ほかの旬な車種にバトンタッチされて出展数が減ったものと思われます。
その逆に、モデルチェンジから数年経過しているのに安定してカスタムベース車に選ばれているのが同じトヨタの「86(GR86)」と兄弟車の「BRZ」です。
スープラは購入価格が高いためカスタムする層は限られてきますが、「86」や「BRZ」はもっと手軽に手が出しやすい価格帯ということで候補に入りやすい車種だといえます。さらに、手が出しやすい中古車のタマが多いということも人気に拍車をかけているのではないでしょうか。いわゆる「遊びやすいクルマ」という扱いですね。
■全体の車種選びの傾向をまとめてみると…
以上の人気/不人気車種の傾向とトレンドを見たうえでザックリまとめてみると、 1)車両自体の人気の高さ 2)カスタムすればよりカッコ良くなるイメージが湧く 3)ショーに出すからには旬も大事 4)カスタムに手を出しやすい車格、価格帯 と、だいたいこの要素が満たされればカスタムベース車としての人気が高くなる傾向にあるといえるのではないでしょうか。なので、新車の売れ行きが絶好調な車種でも、カスタムする側の心をくすぐらないと選んでもらえないというケースもそれなりにあります。
予想としては、来年もジムニーの勢いは継続するでしょう。ウワサでは5ドアの登場も控えているので、あと数年は続くかもしれません。「プリウス」や「アルファード/ヴェルファイア」、「ハイエース」、「フェアレディZ」などの人気車種もまだまだいろんなカスタムが数を増やすでしょう。
発売時期は未定ですが、そろそろだと言われているスズキの「スイフトスポーツ」が登場すれば、また一気にカスタムシーンが盛り上がるでしょう。日産の「キューブ」もデザインの傾向によってはまたブレークする可能性はじゅうぶんあります。
ともあれ、今年の2大ショーを見てまわった感触としては、クルマのカスタムシーンはまだまだ盛り上がりを見せ続けてくれるだろうなという前向きなものでした。引き続き期待を込めて来年の開催を楽しみにして待ちましょう。
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