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マツダ 新社長に毛籠勝弘氏が就任へ

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マツダ 新社長に毛籠勝弘氏が就任へ

マツダは2023年3月17日、取締役会を開催して6月に開催される予定の定時株主総会とその直後の取締役会で正式決定される代表取締役など役員人事を発表した。そして5年間にわたり代表取締役を務めた丸本明社長が退任し、その後任に現在は専務執行役員の毛籠(もろ)勝弘氏が社長に昇格することになった。

毛籠勝弘新社長(左)と現在の丸本明社長シャシー設計エンジニア、車両開発主査を努めた丸本明氏は、近年のマツダとしては異例のエンジニア出身で2018年に社長に就任した。しかし、マツダには多くの課題が山積しており、低利益率の体制から収益体制への変革を行なうため2020年~2025年の5ヵ年の中期経営計画を推進した。

【BMW i7 試乗記】電動化が生み出したリアルな新世界が待っていた

丸本明社長その中で大事業となったのが、アメリカにおける低利益率の販売体制の再構築、ブランド・イメージの向上、そして悲願であったアメリカでの新工場建設であった。そのため、アメリカ・アラバマ州にトヨタと合弁で新工場を建設し、2022年1月にアメリカ専用車「CX-50」の現地生産、ラインオフを実現している。

また、アメリカにおける営業政策では、古い体質の販売会社から脱却し、新たにブランド意図を理解している販売網を再編し、適正価格での販売体制に変革した。この最重要市場であるアメリカでの販売網の再構築の指揮を執ったのが2016年からマツダモーターオブアメリカの社長となった毛籠勝弘氏であった。

毛籠勝弘新社長毛籠勝弘氏は、グローバルマーケティング本部長、マツダモーターヨーロッパGmbH副社長、グローバルマーケティング、カスタマーサービス、販売革新担当の常務執行役員を経てアメリカの営業戦略を担当した。直近では専務執行役員としてコミュニケーション・広報・渉外・管理領域統括を担当していた。

丸本社長は、毛籠氏のアメリカでの手腕を評価して後任に指名。毛籠新社長は、中期経営計画の仕上げを担当することになるが、主要なテーマはラージ商品群のグローバル展開の推進である。

縦置きエンジン/トランスミッションによるFRプラットフォームに直列6気筒エンジンやPHEVシステムを搭載したより高価格帯の車両を主要市場に投入し、収益の安定的な確保を目指す必要がある。

しかし、このラージ商品では直列6気筒ディーゼルを開発したものの、アメリカ市場、中国市場は導入する環境ではないし、ヨーロッパ市場では尿素噴射装置を搭載しているものの、新CO2規制を迎える中では今後の展望は厳しいという現状に直面している。実際、CX-60のドイツ販売では99%がPHEVでディーゼルは極少数に留まっている。

そのためラージ商品群はPHEVとガソリンエンジンに依存する方向にシフトすると予想される。またアメリカではZEV規制に直面しており、現状のCX-90では直6ガソリン・ターボと4気筒+PHEVだが、CX-50は4気筒ガソリン、4気筒ガソリン・ターボのみのラインアップのため、PHEVの導入が急がれている。

つまりラインアップ全体での電動化の拡大が当面の課題となっているのだ。このため、2022年11月に丸本社長は電動化戦略のアップデートを発表しており、毛籠新社長はそれをさらに加速させる必要がある。

もうひとつの大きなテーマは、2番目の市場である中国の販売戦略である。数年前までマツダは中国で急成長を遂げていたが、近年は減少傾向が継続している。問題は商品ラインアップにあるとされており、中国市場の建て直しも急務となっている。

留任する菖蒲田清孝代表取締役会長毛籠勝弘氏が新社長に就任し、丸本明氏は相談役となる。その一方で、丸本氏を支えてきた代表取締役の菖蒲田清孝会長は留任しており、菖蒲田会長のもとで毛籠新社長が舵取りを行なうことになる。電動化、中国市場戦略、そして商品展開などの難題にどのように取り組むのであろうか。おそらく2023年夏には新たな経営計画が発表されると予測している。

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みんなのコメント

3件
  • 誰も止められなかったSKY-Xやラージの後始末をして方向性を180度変えないと生き残れないだろう。
  • 専務以上の経営幹部のうち技術系はパワートレイン部門出身の廣瀬氏ただひとり。あとは全て営業や管理部門。
    自動車メーカーがこんなものづくり軽視の経営体制じゃあ、いいクルマなんか作れるはずもない。
    不具合だらけのCX-60の惨状はその象徴だろう。技術の裏打ちのない、机の上で書いた能書きが踊るだけのメーカー。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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