11月19日 (日) 、アストンマーティンのオーナーやファンが集うイベント「アストンマーティン アルカディア東京 2023」の会場である富士スピードウェイに1機のヘリコプターが飛来しました。このヘリコプター、実はアストンマーティンとのコラボレーションが生んだスペシャルな機体なのです。
はるばるオーストラリアから飛行して来日
富士スピードウェイに飛来したヘリコプターは航空機メーカーであるエアバス社が開発、生産している「エアバス ACH130」という機体をベースに、内外装をアストンマーティン仕様に仕立てた特別なモデルです。ちなみにこの機体は、オーストラリアのテクノロジー起業家ジョン=ポール・トルブヨルセン氏(以下、JP氏)が所有するものです。
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今回の来日にあたりJP氏は、オーストラリアから富士スピードウェイまで自ら操縦して家族とともに飛行してきたとのことです。もちろん、ジェット旅客機のように1回の飛行では日本には来れないため、到着までに経由した国は21カ国、かかった日数は41日間、飛行距離は約10000海里(約18520km)に及ぶとのことです。
こう聞くと過酷な旅のように思えますが、実際には立ち寄った国々で観光しながら日本に来たようです。なのでどちらかというと「プラベートヘリで行く気ままな世界周遊旅行」といった感じだったそうです。
ちなみに、この機体は2023年2月にイギリス・オックスフォードにあるエアバス社の工場でJP氏に引き渡されました。生産国外への納品には船便などを使うのが一般的ですが、JP氏は自ら操縦してオーストラリアに帰国したそうです。そんなJP氏は過去にオーストラリア空軍でヘリコプターの操縦士をしていた経歴の持ち主。そんな彼だからこそなせる技なのかも知れません。
▶▶▶次ページ:どこがアストンマーティン仕様なのかを解説
機内のしつらえはアストンマーティン・クオリティ
では、エアバス ACH130 アストンマーティン・エディションの細部を解説していきましょう。ドア(片側2枚、合計4枚を装備)を開くと、機内にはフロント3座、リア4座の合計7座が備わっています。いかにも上質なタンカラーの表皮がビス止めされ、ヘッドレストにはアストンマーティンのロゴがエンボス加工されたシートは、アストンマーティンのハイパースポーツカーのそれを彷彿とさせます。
それもそのはず、じつはこのシートはアストンマーティンのデザイナーと熟練工が手掛けたものなのです。さらにドアトリムやグリップ、前席シートバック裏に設けられたポーチにも同じカラーのレザー素材があしらわれており、機内はまさにアストンマーティンといった趣きです。
またコクピットの計器盤にはアストンマーティン・エディションであることを示すシリアルナンバー入りのプレートも配置されており、そこにはJP氏に向けて作られたことも記されています。
家族や仲間と空の旅を楽しめることも大きな魅力
エアバス ACH130 アストンマーティン・エディションを空輸してきたJP氏は、家族や友人と空を飛ぶことが大好きで、7座を備えたエアバス ACH130に強く惹かれたといいます。JP氏は、
「私は空を飛ぶことが大好きで、家族や友人を乗せて安全に飛行することができる、高い信頼性を備えたヘリコプターを探していたのです。ACH130の優れた飛行性能と快適さに感銘を受けました。このアストンマーティン・エディションはエアバスの卓越した技術とアストンマーティンの熟練の技が結集した、市場でもっとも魅力的なプライベート・ヘリコプターだと確信しています」
とコメントしています。
ちなみに、筆者とともに取材に同行した航空機に詳しい記者の話によると、エアバス ACH130は極めて飛行時の安定性が高く、オーストラリアから飛行してくることもJP氏のような熟練パイロットであれば全く問題なくできるとのこと。そんな高性能ヘリコプターとアストンマーティンのクラフトマンシップの出会いは、とても幸運なコラボレーションだと言えるでしょう。
ちなみにエアバス ACH130 アストンマーティン・エディションの価格は、為替レートにもよりますが日本円で約4~5億円とのこと。エアバス社としては、高級ハイパフォーマンススポーツカーを運転する喜びに似た操縦する愉しさと、アストンマーティンのしつらえを持ち合わせたエアバス ACH130 アストンマーティン・エディションを広く知ってもらい、スーパーカーを愛する富裕層の新たな楽しみを開拓する一助になれれば、とのことです。
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