3代目と同じCLAR EV版はノイエクラッセへ
画期的といえたSUV、BMW X5よりひと回り小さいモデルとして、X3が発表されたのは2003年。スポーティなサルーンで定評を築いたブランドの、大胆なラインナップ拡大を告げる次の一手といえた。
【画像】4代目へモデルチェンジ! 新型 BMW X3 M50 競合クラスのSUVと比較 全165枚
21年が過ぎた今、SUVはBMWには欠かせない存在になっている。ブランドのイメージを定義する、一角といってもいい。3代目のX3はモデルチェンジ間際でも人気が高く、2023年は毎日約1000台が売れていた。
ほぼ7年毎に繰り返されるモデルチェンジのルーティン通り、2024年に登場したのが4代目。アウディQ5やポルシェ・マカンなどと、新たな戦いを繰り広げることになる。
ただし、プラットフォームは3代目も採用していたCLARを継承。これは電動パワートレインにも対応した設計ながら、新世代はすべて、ハイブリッド化された内燃エンジン仕様となる。また、四輪駆動が標準だ。
このクラスのバッテリーEVは、専用開発プラットフォームによる、ノイエクラッセX コンセプトの量産モデルが引き継ぐ。予定では、2025年にお披露目される。
プラグイン・ハイブリッドのX3 30eも追って登場するが、先に英国で提供されるのはマイルド・ハイブリッド。2.0Lガソリンターボの20と、2.0Lディーゼルターボの20dに加えて、今回試乗した3.0LガソリンターボのM50という構成になる。
ISG付き6気筒ターボで398psのM50
このM50は、本気のX3 Mの準備が整うまで、フラッグシップの役割を担う。最高出力398ps、最大トルク59.0kg-mを発揮する、スターター・ジェネレーター(ISG)付きの直列6気筒エンジンを搭載し、0-100km/h加速は4.6秒。印象的な動力性能を誇る。
4代目の開発に対し、技術者はできる限り手を尽くした。車重削減と剛性強化に加えて、前がストラット式、後ろが5リンク式となるサスペンションも改良されている。動的能力を引き上げるために。
M50を含むMスポーツ仕様では、スポーツサスペンションと電子制御のリミテッドスリップ・デフを装備。ブレーキとステアリングは、専用設定になる。試乗車には、オプションのアダプティブタンパーも組まれていた。
ボディサイズは、3代目から34mm長くなり、29mm広がった。全長は4755mm、全幅が1920mm、全高は1660mmある。スタイリングは3代目よりモダンになり、次世代のノイエクラッセ・シリーズとの架け橋になるような雰囲気を漂わせる。
キドニーグリルは大きいものの、最近の例としては存在感は控えめ。造形的にはシンプルになった。持続可能性へ配慮し、クロームメッキ・トリムは与えられない。LEDでほのかに光るフロントグリルのフレームは、M50では標準装備だ。
車内空間は先代と同等 ワイドなモニターパネル
ドアを開くと、センターコンソールとドアパネルで灯る、アンビエントライトが目を引く。ノーマル・モードはブルー、スポーツ・モードはレッドと、ドライブモードに応じて点灯色が変化する。
ダッシュボードでは、緩やかにカーブを描く、ワイドなモニターパネルが存在感を示す。インフォテインメント・システムは、BMW最新のOS9。スマートフォンのワイヤレス充電パッドの近くへ、ロータリーコントローラーも用意されている。
とはいえ、システムはタッチモニターで操作した方が簡単。コントローラーで、アイコンを選択するのは少し面倒くさい。メニューなどのデザインはわかりやすく、ホーム画面は任意に機能を入れ替えるなどカスタマイズできる。
センターコンソールには、シフトセレクターと、ドライブモードのスイッチ。タッチセンサーではなく反応は安定しているが、1つ1つが小ぶりで、フォントも小さく、手もとを見ない限り正しいスイッチへ触れにくいように感じた。
ステアリングホイールは、レッドのセンターマーカーが付いたレザー巻き。リムが太いこのアイテムは、BMW 5シリーズからの流用とのこと。スポーク部分には、実際に押せるハードボタンが並ぶ。
車内空間の広さは3代目と同等。充分に余裕があり、小物入れが充実していて、居心地は良い。荷室容量は570Lと大きく、実用性もしっかり確保。プレミアムSUVとして、不満に感じるような部分はないだろう。
運転体験を深めるサウンド クラストップの走り
公道へ出てみれば、直6ガソリンターボが猛烈な加速を披露。バッテリーEV級のロケットダッシュではないものの、心地良いサウンドが運転体験を深める。
コーナリングも相当に鋭い。ステアリングの反応は正確で、姿勢制御も秀抜といえる。高い速度域で連続するカーブをすり抜けても、落ち着きは崩さない。濡れた路面で、グリップ力が不足することもなかった。
とはいえ、試乗したのはドイツ南部、バイエルン地方の一般道。グレートブリテン島のアスファルトより、遥かに平滑ではあったが。
燃費は、今回の平均で10.5km/L程度。思い切り走り回れば、7.0km/L前後まで落ちることは想像に難くない。
短時間ながら、207psの2.0Lガソリンターボを積む、X3 20も運転させてもらった。確かにM50より動力性能は落ちるが、普段使いでは不満ないほど軽快に走ってみせた。乗り心地も、こちらの方がベターだ。
Mスポーツのゴージャスなレザー風仕立てより、ファブリックで覆われた20の内装の方が筆者の好みでもある。英国価格は4万8375ポンド(約929万円)からで、M50比で約2万ポンド(約384万円)もお手頃だ。
4代目が、3代目から劇的な変化を果たしたわけではない。しかし細かなアップデートで、パフォーマンスには明確な違いが生まれている。
本当にスポーティなBMWを選ぶなら、「X」は適正ではないだろう。それでも、このクラスのプレミアムSUVで、最高水準の走りを堅持したことは間違いない。
◯:前世代に並ぶ実用性 SUVでもダイナミックな走りを楽しめる 特徴的なスタイリング
△:ロータリーコントローラーではインフォテインメント・システムを操作しにくい 大きな寸法と重さを実感させる身のこなし
BMW X3 M50(欧州仕様)のスペック
英国価格:6万6980ポンド(約1286万円)
全長:4755mm
全幅:1920mm
全高:1660mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:12.0-13.0km/L
CO2排出量:175-189g/km
車両重量:2055kg
パワートレイン:直列6気筒2998cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:398ps/5200-6250rpm
最大トルク:59.0kg-m/4800rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
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