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C-HR、ヴェゼルより小さくて使える実用コンパクトクロスオーバー

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C-HR、ヴェゼルより小さくて使える実用コンパクトクロスオーバー

ひさびさに乗ってビックリの1台に遭遇した。それは新型VW T-Cross(Tクロス)。18年10月にアムステルダム、上海、サンパウロの3カ所で世界同時発表が行われたオシャレな新世代コンパクトクロスオーバーで、見た目は確かにファッショナブル。ボディカラーも全12色でポップなものばかりだ。

ソイツに今回スペインのマヨルカ島で乗ることが出来たのだが、実物は単にオッシャレ~では済まない出来だった。スクエアなフロントグリルにヘッドライト、ボクシーなフォルムは確実に兄弟車ティグアンやトゥアレグのDNAを感じさせるが、乗ってみるとびっくりするほどかゆい所に手が届くパッケージ。重要なキャッチフレーズも「PRACTICAL」だ。

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例えるならば日本のスズキが作ってしまいそうな実用クロスオーバーであり、見た目以上の「オシャレマジメ」な1台だったのである。ちなみに欧州仕様の場合、フロントのLEDヘッドライトはオプションでリアのLEDテールライトクラスターは標準。

まずビックリするのは広さであり、その使い勝手。全長×全幅×全高4108×1760×1584mmは、いまどきの国産コンパクトクロスオーバー、全長4.3m台のトヨタC-HRや4.2m台ホンダ・ヴェゼルよりも小さい。しかし乗ってみるとSUVライクな背を立てて座るシートポジションの効果もあって室内は予想外に広い。身長176cmの小沢が普通に前後シートに座った状態でラゲッジルームは最低385Lを確保し、この時点で既に現行VWゴルフを凌駕。

さらに14cmスライドできるリアシートを前に動かし、フロアボードを下げると容量は最大455Lにまで拡大。加え、後席背もたれを倒して天井まで使うと容量は1281Lにまで広がる。オプションの折り畳み助手席バックレストを使えば長尺モノも収納可能で、確かにトヨタC-HR、ホンダ・ヴェゼルの国産勢を超えるスペース効率であり、使い勝手なのである。

そして予想外なのが走りの良さ。ボディの骨格はVW独自のMQBプラットフォームで同じBセグメントのポロと共通。しかも、サスペンションストロークを長く取れる背高設計のためか、ボディのしっかり感はそのままに、乗り心地のしなやかさやシャープなハンドリングのバランスはポロ以上の印象すらある。

さらなる自慢はある意味日本にピッタリのパワートレインで、本国では1.5Lターボも用意するが、メインはポロのガソリン1L直3ターボ+ツインクラッチの7速DSG。ピークパワー&トルクは115ps&174Nmと大したことないし、3気筒なのでシビれるほどの滑らかさもない。しかし、2000回転で最大トルクを発揮する設定と、ダイレクトに繋がる7速DSGのおかげで出足から活発。エンジンを回すと多少ノイズも出るが、その分燃費は良好。欧州走行モードでのカタログ燃費はリッター20km強と、国産SUVに負けないレベルだ。

一方、最新VWクロスオーバーだけに先進装備も充実しており、ポロ譲りの歩行者検知機能、シティエマージェンシーブレーキ付きフロントアシストを標準で備え、そのほかポロにも付いてない車線逸脱警告システムのレーンアシストが選べるほか、ヒルスタートアシスト、ブラインドスポットディテクションなどもオプション装着可能だ。

イマドキの繋がる性能、コネクテッド機能も充実しており、一部の日本仕様ではオプション装備する可能性のある8インチタッチスクリーンとアクティブ・インフォ・ディスプレイを付けると、独自インターネットサービスのVW CAR-NETが使え、最大4つのUSBポートやアンビエントライトまで付けられる。そのほかブルートゥースでスマホと繋げる新サービスのフォルクスワーゲン・コネクトも搭載される予定だ。

最後に最も重要なのは手頃なプレイスレンジで、ドイツを含む欧州では1万7975ユーロ(226万円)スタート。もちろんこれは装備もなにも付いてない素の状態なので、エンジンをハイパワー仕様の1Lターボにしたり、7速DSGを付けたり、安全装備をすべて標準にすると価格は上がるが、それでも頑張ればベーシックモデルで300万円切りは可能とみた。

するとまさに国産SUV、前述したトヨタC−HRやホンダ・ヴェゼルとのガチンコ勝負も可能になってくるわけで、そうすると逆にTクロスのコンパクトさ、使い勝手の良さがポッカリ浮かび上がってくる。小さくてオシャレで便利。日本のような小さな道路環境でこそこのクルマは光り輝くのである。

というわけで久々に日本最適VWと呼べそうな新クロスオーバー、Tクロス。導入は年内もしくは年明けということなので、その装備と価格とポップなデザインに大注目なのだ。

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