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やっぱりこれが一番!「マツダCX-5」 マツダの市販乗用車イッキ乗り その5

掲載 更新 43
やっぱりこれが一番!「マツダCX-5」 マツダの市販乗用車イッキ乗り その5

マツダ一人応援団の筆者が、現在市販されているすべてのマツダの車種に乗る無茶な企画。今回はもうじき新しいモデルとなる現行CX-5 である。

マツダには時代の風景や社史を変えるような、エポックメーキングな自動車が出現する。古くは赤いファミリアで、僕が大学生だったあの時には街の光景を変えてしまうほどヒットした。

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そして最近では初期型のCX-5がそういう商品で、この車から今のマツダのSUV快進撃が始まったといってよい。とにかくマツダにとって最近の最大ヒット商品であり、売れなくてはいけない、という重要な役割を担う車種、それがCX-5なのである。

マツダのメインストリーム「マツダ CX-5」。カジュアルで軽快なCX-30 から乗り換えると、CX-5は明らかにクラスと厚みが違う感じがする。乗り込むために開けたドアの厚みや大きさからしてまるで違うのだが、座ったシートの大きさや厚み、大きく感じられるインスツルメンツパネルの形状などから、はるかに立派な車に乗ったという印象が強い。そして走り始めた瞬間、本当にクラスが違うということはこういうことかと思うと同時に、CX-5やっぱりいいなぁ、という独り言が出た。

現行のCX-5が発売開始されたのは2017年、ということは8年が経過したわけだが、皆様ご存じの通り、新しいCX-5のヨーロッパ向け仕様車はすでに公になっており、そこにディーゼルエンジンモデルがないことを筆頭に、サイズが若干大きくなってしまったことや、タッチ式コントロール類に進化(か退化か)してしまったことを嘆く声などなど、すでに業界を騒然とさせている話題の新型CX-5なのである。

まだ日本仕様は発表になっていないので、ひょっとすると思い切ったサプライズで「日本仕様にはちゃんとディーゼルエンジンモデル残しておきました!」とか「日本仕様のみは、ちょっとだけ全幅が小さいので買い替え需要にもばっちり対応!」といったウルトラCがあるかもしれないが、とにかく今のところなにかと心配事(?)の多いフルモデルチェンジではある。

https://autobild.jp/55249/さて今回のCX-5はもちろん現行型で、もうじき新型に切り替わるタイミングではあるのだが、個人的にこのモデルの2018年モデルと最初期のCX-5を所有していたことがあるので、どれだけ今のモデルが熟成されているのか、すごく興味があった。

というのも自分の車歴の中でも、CX-5は気に入っていた車の一台で、なぜか同時所有していたCX-3とはもう圧倒的に違う魅力を持った自動車である。何が違うか、ひとことで言えば「厚さ」のようなものが、もうCX-3 とCX-5では違うとその頃乗り換えるたびに感じていた。今回もCX-30から CX-5に乗り換えて、一番感じたことはクラスが違うことを実感する、圧倒的な厚みのようなものであった。

マツダは本当に良心的に毎年年次改良を行っているから、あのころと比べると大幅にバージョンアップされているはずだし、熟しきった今のCX-5がどれほどのいい感じなのだろうか、と期待しながらマツダ横浜研究所を後にする。走り始めてすぐに感じるのは、このディーゼルツインターボエンジンが実にいい感じで、トルクもりもりであることだ。

CX-5 XD Retro Sports Editionはブラックのパーツで引き締められたエクステリアが特徴。1.8ということもあり、やはり線のうすさが感じられたCX-30とは全く別の世界だし、ディーゼルエンジンらしい魅力はもう圧倒的にこちらの方が強い。実は現行のCX-5ディーゼルエンジンに3年乗ったのち、ドイツの4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した車に乗り換えたのだが(メルセデス・ベンツE220d)、エンジンに関してはCX-5の圧勝なのではないかと思った。そして、もエンジンだけ乗せ換えられたらなぁ、と思うほどこのマツダの2.2リッターのディーゼルエンジン(200ps/450 Nm)は名機であると今でも思う。

SKYACTIV-D 2.2はディーゼルエンジンの白眉。回転の上がり方やトルクの出方、そして柔らかい音色などなど、とにかく初期のCX-5に搭載され手世の中に登場し、13年を経た今でも本当に素晴らしいディーゼルエンジンといえる。上り坂や高速での追い越し時など、右足のちょっとした動きに呼応し、背中を優しく押されるように力強く立ち上がるトルク感、それはもう官能的で病みつきになるほどの心地よさだ。だからこそ、このディーゼルエンジンが新車で買えるのもあと数か月なのか……と柄にもなくセンチメンタルになってしまうのだが。

正直に言えば、エンジン以外の部分ではやはり若干の古さを現行のモデルに感じることもある。ステアリングホイールのスイッチ類や、センターコンソールのコマンド部分などは他の現行マツダのモデルと比べるとひと昔前の形状と大きさだし、メーターナセルの形状なども妙に懐かしい盛り上がったデザインだしダッシュボードに用いられた素材などの処理も、やはり現行のスタイリッシュなマツダのテイストとは微妙に違う。

そこかしこに古さを感じさせるCX-5のインテリア。もちろんいずれも機能的には一切の不足はないが、見た目からくる印象がやはりCX-60/80 やCX-30とはちょっと違う時代の流れを感じる部分であろう。

乗り心地に関しても、低速時でのいなしかたや、速度を問わず路面の凹凸を乗り越えた時に感じるリヤを中心としたショックなど(実はCX-5最大のウイークポイントだと思う)、年次改良のたびに改善されているとはいえ、若干まだ物足りなさを感じる部分もある。それらがフルモデルチェンジ時には改善されていることを期待したい。

文:AutoBild Japan
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