ラリーストで動物カメラマンのマッドドッグ三好氏が趣味とクルマ遊びを最大化するため、相棒に選んだフォルクスワーゲン ティグアン。さっそく自分色に染めるべく(?)カスタマイズに着手。今回のお題は冬道の安心・安全走行に欠かせないスタッドレスタイヤについてです。
スタッドレスタイヤに履き替えた。
ティグアンを手に入れたあと、スタッドレス用にとアルミホイールをヤフオク!で探していたらちょうどいいものが出ていたので、落札した。しかもスタッドレスタイヤ付き。
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溝はスタッドレスタイヤとして使えるギリギリで、銘柄はブリヂストンのブリザック REVO GZ。サイズは215/60R17だ。ただし製造してからだいぶ経っていた。
さて、ホイールだが、センターキャップに4つの輪っかのマークが……。そうアウディの純正ホイールなのだが、サイズがティグアンにぴったりだったのだ。
さすがにフォルクスワーゲンにアウディのホイールは無知のようで恥ずかしい(大きくくくればグループ会社なのだが……)。トヨタ車に堂々とNISMOのステッカーを貼っているような気になってくる(こちらはガチの競合他社)。
というわけで穴埋め用のパテでエンブレムを覆い、シルバーカラーのスプレーをシュシュっと吹いて見えなくした、つもりが雑な作業のせいでうっすらとアウディエンブレムが見えてしまっている。ま、いっか。
ホイールを履き替えたせいかタイヤ空気圧警告灯がつきっぱなしになってしまったのは不覚だった。空気圧のモニタリングをしなくなるので、自分で空気圧のチェックをこまめにすることになってしまったのだ。
このスタッドレスタイヤ付きホイール。新品スタッドレスに組み替える前に試してみたくなり、2022年初に、雪道へ出かけた。
腐っても(!?)ブリザック! さすがにアイスバーンでは不安を覚えるものの新雪などではグイグイ走る。なんかこのままでいいかな~、なんて思ってしまったほどだ。
とはいえツルンツルンのアイスバーンではさすがに心もとないし、ティグアンの純正タイヤサイズは215/65R17なので外径が22mmほど小さい。さらに雪道では外径が大きいほうがグリップレベルも高まり有利なので、今シーズン(2022~23年)は新調することにした。
もう一つの理由はちょっと硬い話になるがスタッドレスタイヤは、タイヤブロックが半減すると使用限界の目安としてスノープラットフォームという目印が出てきて、これを下まわると本来の性能を発揮できず、高速道路などの冬用タイヤ規制時にダメ出しを食らう場合があるのだ。寿命も最長で5年ぐらいと言われているので、ホイールに付いてきたスタッドレスとはお別れすることにしたのだ。
個人的なセレクトの基準だが、特にスタッドレスタイヤはヨコハマ、ダンロップそしてブリヂストンといった国内メジャー3メーカーの製品を強く薦めたい。なんといっても日本の道できめ細かく開発したものに勝るものはないからね。
数千円を惜しんで安いスタッドレスを装着して、アイスバーンで止まらずに障害物などにぶつかってしまうリスクを考えれば、確かなブランドの製品を装着してギリギリで避けられたり、軽度な損傷に抑えられれば決して高くはない買い物である。クルマの修理にかかる金額の差でスタッドレスタイヤにかけたコストからおつりがくると考えている。
そしてオイラの場合はタイヤと言えばヨコハマ(横浜ゴム)一択である。
その理由は、オイラがまだ成績が安定しない小僧のころから長い間サポートしてくれ、一番お世話になったタイヤメーカーだからだ。
もちろんタイヤの性能がいいのは第一条件だけどね(笑)
アドバンカラーは憧れのブランドでそのタイヤでラリーに参戦することができたのは喜びと感謝しかないのである。
さらに横浜ゴムの最初期のスタッドレスタイヤ(ガーデックス)には思い出もある。
1987年の全日本ラリー第1戦、DCCSウインターラリーでガーデックスを履いたマツダ・ファミリア4WDを駆り、最上位クラスでデビューウィンしたのだ。まぁ運だけで勝ってしまったのだけどね!
この年から環境配慮の関係でラリーでもスパイクタイヤの装着が禁止となり、スタッドレスタイヤを履いて挑んだ最初の勝者がオイラというわけ。ヨコハマのスタッドレスタイヤへの思い入れとしては十分すぎるでしょ!?
そしてガーデックスは名称をアイスガードと変え、時を経て2021-22シーズンには最新のアイスガード7(iG70)となってリリース。
ただこのアイスガード7は、残念ながらティグアンに適合する215/65R17サイズをラインアップしていない。このサイズに適合するのはSUV用のアイスガードSUV G075で、設計はひとつ前のものとなってしまう。
アイスガード7で215/65R17サイズ(外径712mm)の近似値として用意があるのは225/65R17だ。外径は12mm大きくなるのでスピードメーター表示に差が出る。とはいえ計算上では100km/hで走行するときのメーター表示が98.2km/hとなり、誤差レベルと言える。これは車検でも問題ない範囲なので装着することにした。
タイヤ外径が大きくなるとステアリングを切ったときのグリップのよさ、路面の凹凸での乗り味、乗り越え性の向上とメリットのほうが大きい。とはいえあまり大きくしてはダメだけれどね。
交換して走り出すと、まず驚いたのが街なかを走ったときの手応え。スタッドレスタイヤは舗装路ではやや腰砕け感があり頼りないフィーリングがあったはずなんだけれど、アイスガード7は違和感のない手応え。
速度域の高い高速道路での車線変更やノイズレベルについても完成度の高さを感じる。
野生動物を探して山梨と長野の県境の山を登った際に往復400kmを走ったが、トレッド中央のボツボツ(ひげ)が残っていたのは耐摩耗性の進化なのだろう。
とはいえワインディングでは調子に乗ってパっとステアリングを切る動作だと、サイプのエッジが減ってしまいアイスバーン性能が落ちるからていねいなハンドルさばきを心がける。
11月の中旬ではあったが標高が高いところにはしっかりとアイスバーンがあった。アイスガード7の装着はドンピシャのタイミングだったというわけだ。上りはよしとしても山小屋に泊まった翌日の下りはノーマルタイヤではやや顔が引きつるであろう滑り具合だったし、初雪も体験したからだ。
タイヤの性能の評価はこの先、雪の中をガンガン走ってからとする。安全確保の「早めのスタッドレス」というのが正しい判断。今回のドライブはそう思える体験だった。
〈文と写真=三好秀昌〉
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