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スポーツモデル=MTの時代は終わった! あえてATを勧めたいクルマとそれでもMTで乗るべきクルマ

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スポーツモデル=MTの時代は終わった! あえてATを勧めたいクルマとそれでもMTで乗るべきクルマ

 現代はATの完成度も高くなっている

 ひと昔前は「スポーツカー、スポーツ系のクルマはMTで乗るもので、ATで乗るのは邪道だ」などと言われたものである。では、このことは現代でも同じなのかを考えると「クルマにもよるけどMTでなければならないということはかなり減っており、ATのほうがいいことも増えている」というのが結論だ。おもに動力性能と密接に関係する排気量を基準に考察してみた。

「スポーツカーにモデルチェンジは不要」86とロードスターの開発責任者の本音

●軽自動車

 スポーツ系の軽自動車というとホンダS660、スズキ・アルトワークス、ダイハツ・コペンが浮かぶ。軽自動車はパワーが限られているのに加え、S660とアルトワークスはシフトフィールやクラッチフィールが良好なのもあり、積極的にギヤチェンジをして楽しめるMTがお勧めだ。

 対照的にコペンはシフトフィールとクラッチフィールが悪くMTで乗ってもあまり面白くなく、シフト操作に煩わしさを感じてしまうのでAT(実際にはCVT)を勧めたい。

 激戦区の1500cc以下はATもMTも多種多様

●1500cc以下

・どちらでもいい

 このクラスのスポーツモデルはスポーツエンジンではなく実用エンジンにMTを組み合わせているクルマも多く、ターボ車もあるのでATで乗ったほうがいいクルマも増えてくる。具体的な車名としてホンダ・フィットRS、スズキ・スイフトスポーツが挙がる。

 とくにスイフトスポーツはMTの良さもあるのだが、期待値が大きいとシフトフィールやクラッチフィールがそれほど良くないのも否めない。対照的にスイフトスポーツの6速ATはアクセル操作に対するレスポンスに不満はなく、シフトアップ&ダウンが素早い上に(シフトダウンでは回転を合わせるためのブリッピングも行われる)、トルクの太い1.4リッターターボエンジンとの相性もいい。そのためスイフトスポーツはMTも含め先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールを選べることもあり、6速AT車をGTカー的に使うというのもいい選択だ。

・ATを勧めたい

 ATを勧めたいのはCVTを使うトヨタ・ヴィッツのスポーツモデルであるGRだ。というのもヴィッツGRのMTは5速でギヤ比が離れ気味なのもあり、動力性能が限られる1.5リッターNAエンジンと組み合わせると上り坂などで失速感があるのに加え、シフトフィールもあまりよくない。

 それに対しCVTモデルは、CVTながらアクセル操作に対するレスポンスは非常にダイレクトなのに加え、スポーツ走行では常時高回転を維持することもできるためMTよりおそらく速い。そのうえ、MTモードは超クロスレシオの10速なのでF1の車載映像のような素早いギヤチェンジまで楽しめる。ここまでCVTのメリットが多いと、よほどのこだわりがない限り、シフト操作は手間でもあるMTよりCVTを勧めたくなる。

・MTを勧めたい

 MTを勧めたいのは1.5リッターNAエンジンを積むソフトトップのマツダ・ロードスターだ。ロードスターは6速ATで、レスポンスやシフトのスピードも申し分なくよくできている。スポーツエンジンながら低速トルクが細いわけでもないのだが、どうも今ひとつかったるい。それに対し6速MTはクラッチは扱いやすくシフトフィールも素晴らしいので、ソフトトップのロードスターならクルマのコンセプト通りにMTでギヤチェンジも楽しみのひとつとして乗るのを勧めたい。

 エンジンとの相性によっても変わってくる

●1500cc以上

 1500cc以上になるとATが設定されるクルマは排気量の大きさや過給機を持つことによりトルクも太いので、ATとの相性は問題なくどちらでもいいというクルマがほとんどだ。その中でAT、MTどちらかを勧めるクルマを挙げていきたい。

・MTを勧めたい

 トヨタ86&スバルBRZは6速ATのできはよく、速さも姉妹誌CARトップで行う筑波サーキット(1周約2km)でのテストでも、プロドライバーが乗ってMTの1秒落ち程度のタイムと申し分ない。しかし、速さもほどほどでドライバーが自分で積極的に操ることも楽しみのひとつである86&BRZのコンセプトを考えると、失敗するリスクもスキルを挙げる過程と考えてMTを勧めたい。

・ATを勧めたい

 3.7リッターV6NAエンジンを搭載する日産フェアレディZは、7速ATとの相性が非常にいいのに対し、6速MTはシフトフィールがあまりよくないのに加え、排気量が大きいためMTで乗るとトルクが太すぎる感もあり、ギヤチェンジがそれほど面白くないこともありATを勧めたい。

 ジャンルとしてATを勧めたいのが日産GT-Rに代表されるスーパーカーだ。GT-Rも含めMTのあるスーパーカーはほとんどないが、現在のスーパーカーはレーシングカーのように速くなり、プロドライバーですらMTではギヤチェンジが追い付かいないことがあるほど。ATの進化も考えるとポルシェ911GT3のようにMTがあっても、よほどのスキルや強い覚悟がない限りATを勧めたい。

 このように現代のスポーツモデルのトランスミッションは基本的に好きなほうを選ぶのが正解といえる。ATが進んでいるのは事実だが、MTには失敗のリスクも含めた自分で操作する楽しみというかけがえのないメリットもあるので、このあたりは自分の使い方や好みに合った方を熟考して選んでほしい。

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