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後輪駆動のアウディ! アウディの本命BEV、Q4 e-tron MEBプラットフォームの実力を味見する

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後輪駆動のアウディ! アウディの本命BEV、Q4 e-tron MEBプラットフォームの実力を味見する

MEBを使うアウディのSUV ライバルは日産アリア?

アウディは電気自動車(EV)にe-tron(イー・トロン)のサブブランドを与えている。第1弾はSUVの、その名もずばり「e-tron」で、バッテリー容量とモーター出力/トルクの違いで50 quattroと55 quattroの2種類の仕様を設定する。ボディサイスは全長×全高×全幅が4900×1935×1630mmで、堂々としたサイズだ。quattro(クワトロ)と付いていることから推察できるように4輪駆動で、フロントとリヤにモーターを搭載している。

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「50」の場合、前後合わせた最高出力は230kWで、最大トルクは540Nmだ。バッテリーの総電力量は71kWhである。「55」のバッテリー容量は95kWh。最高出力は300kW、最大トルクは664Nmだ。e-tronにはクーペスタイルSUVのe-tronスポーツバックもある。

アウディのEV第2弾はプレミアムスポーツのe-tron GT quattroとRS e-tron GTだ。前者の最高出力は390kW、後者の最高出力は475kWで、数字の大きさから想像できるように、極めて高いパフォーマンスがウリである。

強烈な加速! ポルシェ・タイカンと共通のプラットフォームを使うアウディRS e-tron GTアウディのEVシリーズは、「e-tron」を名乗る。そのなかでも「パフォーマンス」を謳うのが、e-tron GTだ。その「RS」たるRS e-tron GTは、もちろんAWD(前後にモーターを…motor-fan.jpそして第3弾が今回取り上げるQ4 40 e-tronだ。コンパクトSUVの位置づけで、兄貴分のe-tronと同様にスポーツバックの設定もある。第1弾も第2弾もEVであることを示すe-tronが車名の先頭に来ているが、第3弾は内燃エンジンを搭載するシリーズの流れを組んだネーミングだ。「Q」とくればSUVだなと想像がつくし、「4」とくれば3と5の中間だろうなと想像がつく。実際にそんなサイズ感だし、車格感である。

全長×全幅×全高:4588mm×1865mm×1632mmホイールベース:2764mm車重:2160kg  前軸軸重1030kg 後軸軸重1130kgQ4 40 e-tronの全長×全高×全幅は4588×1865×1632mm(欧州参考値)だ。日産アリア(4595×1850×1655mm)とオーバーラップするサイズである。車名がe-tronで始まるEV第1弾と第2弾は、内燃エンジンを軸にした既存のラインアップと違うムードをにじませていたが、Q4はその車名が示すように、従来アウディの延長線上のイメージだ。デイタイムランニングライトやテールランプのグラフィックなど、先進感や未来感を表現するディテールを随所にちりばめてはいるが、そうしたディテールが悪目立ちはしていない。ずいぶん大人しいな、というのが、実車(欧州仕様。なので、左ハンドル)を目にしての第一印象だった。

MEB platform: VWアウディのBEV専用プラットフォームMEBのベースは後輪駆動。つまりリヤにモーターを搭載する。クワトロはフロントにもモーターを積む(イラストはRWDモデル)。
リチウムイオンバッテリーの総容量は82kWh(実容量77kWh)、一充電あたりの走行距離は欧州値で500km以上と発表されている。最高出力150kW、最大トルク310Nmのモーターはリヤに搭載する。そう、後輪駆動だ。MEBと呼ぶEV専用プラットフォームは、フォルクスワーゲン(VW)のID.3やID.4(いずれも国内未導入)と共有する。VWゴルフとアウディA3の関係のようなものだ。

MEBプラットフォームの実力は如何に?

インテリアは近年のアウディが得意とするフルデジタルのコックピットだ。ヨーロッパのホテルの客室と日本のホテルの客室ではムードが異なるように、アウディに乗ると「やっぱり違うな」と感じる。Q4もそうだった。ムードがまるっきり、ヨーロッパ、それも、生まれ故郷のドイツのやや固めでかしこまったムードを感じる。

室内の造形面では、フローティングしたセンターコンソールに専用の小ぶりなシフターを備えているのが特徴。特徴といえば下だけでなく上も水平にカットしたステアリングはアウディ初採用だそう。グリップは細身だ。

後席にも特徴がある。センタートンネルを持たない構造を生かし、足元がフラットなのだ。真ん中が盛り上がっていない。後席3名乗車の際は真ん中が凸になったクルマより実用性が高いし、後席に1名か2名が乗車する際も、足元が広々と感じられていいだろう。視覚的、空間的には「なかなかいいじゃない」と感心したのだが、クルマが動き出すと、どうも具合が悪い。道路のつなぎ目や荒れた路面で大きめの入力が入るときは、突き上げるようなショックを感じることがあった。運転席にいるときはまったく気にならなかったので、「あれ、どうした?」という印象である。MEBに共通する振る舞いなのだろうか。気になるところだ。

ブリヂストンTURANZA ECO F235/45R21 R255/40R21
サスペンション:Fマクファーソンストラット式(右) Rマルチリンク式(左)
アウディのEVはe-tronもe-tron GTもアクセルペダルをオフにした際は積極的に回生ブレーキを働かせず、コースティングさせるのが基本。「減速したかったらブレーキを踏め」というスタンスだ。Q4 e-tronは少しばかり方針転換している。アクセルオフ=コースティングが基本な点に変わりはないが、ステアリング裏のパドルを引くことで3段階に回生ブレーキのレベルを調整することが可能。シフトセレクターで「B」を選択すると、回生ブレーキはパドルシフトでのレベル3相当になり、強めの回生ブレーキが利いてワンペダルでの車速コントロールがしやすくなる。完全停止はせず、停止寸前でクリープに移行する制御。積極的に運転を楽しみたいシチュエーションなどでは重宝する機能だ。

150kW/310Nmがもたらす動力性能に不都合を感じる人はほとんどいないだろう。首がのけぞるほど暴力的ではないが、思わず「速っ」と言ってしまいそうなほどの加速は披露してくれる。メーカーを問わずEVに共通する特性ではあるが、アクセルペダルを踏み込んだ際の反応に優れているし、エンジンとトランスミッションの組み合わせのように、段付きの加速はせずリニアだし、なんといっても静かだ。

車両本体価格はQ4 40 e-tronが599万円、Q4 40 e-tron advancedが662万円、Q4 40 e-tron S lineが689万円である。価格帯もQ3とQ5の間だ。日産アリアの2WD(前輪駆動)は539万円(66kWh)~740万800円(91kWh)である。ヨーロッパのプレミアムブランド、アウディの最新EVであることを考えると、なかなかバーゲンな価格設定だ。

充電:普通充電(AC)8kW 急速充電(DC)125kW
アウディQ4 40 e-tron 全長×全幅×全高:4588mm×1865mm×1632mm ホイールベース:2764mm 車重:2160kg サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rマルチリンク式 モーター型式: 定格出力:70kW 最高出力:150kW 最大トルク:310Nm 搭載電池:リチウムイオンバッテリー  総電力量:82kWh(実質77kWh) 駆動方式:RWD WLTCモード一充電走行距離:500km以上(欧州仕様) 交流電力量消費率:車両価格○599万円 試乗車は欧州仕様

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