国道16号で道路の陥没が発生
千葉県市原市を通る国道16号線で、9月4日朝、路面が上下4車線にわたって陥没しているのが見つかった。国土交通省 千葉国道事務所が確認を行ったところ、道路幅15メートル、長さ5.5メートル、深さ最大85センチで陥没しているのが判明。市原市では、3日の朝に雨が強まり、県が設置した雨量計では1時間に85ミリの強烈な雨が降っていたという。同事務所では国道16号線を一時通行止に。夜を徹しての復旧工事を行い、翌9月5日18時頃に解除した。
大雨の過ぎ去った後での道路陥没。主な原因は何だったのだろうか。
千葉国道事務所によると、原因は調査中としながらも、陥没箇所を横断する銅製の雨水管の腐食を確認しており、原因のひとつとみているという。この雨水管は布設から60年経過しているらしい。日本の道路の下には、このような半世紀以上前に布設された管渠(下水管や雨水管など)が数えきれないほどあるはず。もしかしたら、クルマを運転しているときや横断歩道を渡っているとき、道路の陥没に巻き込まれることもあり得るのではないだろうか。
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道路の陥没の主な原因は?
国土交通省の資料によれば、道路陥没の主な原因は、主に、道路の排水施設(側溝など)や管渠(下水管や雨水管など)の劣化や腐食、浸入水等によるもので、管轄国道においては管轄国道においては63%を占めており(令和4年度)、下水管や雨水管など管路施設の劣化や損傷による道路陥没事故は年間約2700件(令和3年度)起きていることも明らかとなっている。
標準耐用年数の50年を過ぎても使用されている管路は多く存在しており、老朽化道路陥没事故の要因となっているケースが増えているという。下水管や雨水管を新しい管に更新したり、既存の管の内側を新しいものに取り換えたりする工事を進めていく必要があるが、限られた予算や人員の中で、思うように進んでいないというのが実情といえそうだ。
なぜ突然、道路は陥没するのか? メカニズムを解説
先の国道16号の陥没の原因ではないかとみられている、管渠(下水管や雨水管など)の劣化や破損。この場合、どのようにして道路陥没は起こるのか。そのメカニズムを図とともに説明していこう。
地中の埋設管が老朽化などで破損する。
地表から降雨が浸透し埋設管の破損部から水とともに土砂が流入する。
土砂の流出に伴い地中に空洞ができる。
空洞が拡大して道路が陥没する。
例えば夏の大雨で、もともと老朽化していた埋設管に大量の土砂が流入したとすれば、それだけ陥没も発生しやすくなるといえる。
道路陥没を防ぎ、安全を守るためには、道路だけでなく上下水道などの「水インフラ」の維持・更新は不可欠だ。最近は国交省を中心に、レーダーやAI技術を活用するなど、新たなアプローチ方法で、コストと時間の削減にも取り組んでいるという。
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