■S660のトランスミッションベースの6MT仕様
ホンダから新しく発売された「N-VAN」は、商用向けの軽バンとして開発されました。しかし、展開グレードの中には6速MT仕様車があると一部の自動車ファンから注目を浴びているモデルなのです。この6速MTは、同社の小型スポーツカー「S660」に搭載されたものをベースにしています。
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新型「N-VAN」は、ベースモデルとなった「N-BOX」をはじめ、「Nシリーズ」にはMT仕様(マニュアルトランスミッション)はなく、すべてCVT仕様のモデルでした。
通常、商用として用いられる場合の多くは、MT仕様が設定されています。そこで、すでに市販されていた小型スポーツカー「S660」のMT仕様をベースとしたN-VAN用6MTを開発したといいます。
S660用は、エンジンを運転席後ろに置いて、後輪を駆動する方式(ミッドエンジン・リアドライブ)なのに対して、新型「N-VAN」は、エンジンを前に配置し、前輪を駆動する方式(フロントエンジン・フロントドライブ)のため、取り付け方法などが異なります。
そこで、MT(マニュアルトランスミッション)の基本的な骨格を「S660」から流用し、車軸との結合などを「N-VAN」のレイアウトに合わせて変更。ギア比も「S660」と異なり、貨物車のため力強い1速や高速巡航の静粛性を実現するための6速といった点が「N-VAN」の特徴になっています。
■6MT仕様が予想外の人気、事前受注14%から15%を占める
新型「N-VAN」は、商用車ということもあり、ある程度のユーザーはMT仕様に流れると予測されていました。
ホンダの販売担当者は、「もともと、仕事で使うクルマですので、昔からのニーズも考えていくとMT仕様の設定は必要でした。事前予約の段階では、当初の想定より多い14%から15%程度がMT仕様を選ばれています」といいます。
なぜ予想以上にMT仕様が選ばれているのかと尋ねると、「やはり、6速のMTになった影響は大きいと考えられます。いままでの軽バンでは、6速も必要ないと考えられていたこともあり、ホンダが提案する軽バンの新基準をお客様にご理解頂けたのかと思います」とのこと。
■ターボのMT仕様は、需要があれば出る?
新型「N-VAN」のMT仕様は、自然吸気(NA仕様)エンジンのみに用意されます。パワーのあるターボエンジン搭載車は、MT仕様を選べず、CVT車のみの展開です。
そのため、インターネット上ではターボエンジン搭載車に、MT仕様の組合せがない点について、残念がる声を見かけます。これについて、前出の販売担当者は、「期待する声があっても実際の受注にはなかなか結びつかないため、ターボエンジンのMT仕様を用意することはなかなか難しい状況です」と話します。
しかし、今後の販売状況やユーザーの反響次第では、「追加設定させる余地は十分ある」とのことです。
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