11月15日、2024年MotoGP第20戦ソリダリティGP MotoGPクラス初日のプラクティスがスペインのカタロニア・サーキットで行われ、レプソル・ホンダ・チームのジョアン・ミルは18番手、ルカ・マリーニは16番手につけた。
また、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)は4番手、中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は12番手、ステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)は23番手で終えている。
フル参戦ラストの中上は午前最速。逆転で王者を狙うバニャイアが初日トップ/第20戦ソリダリティGP
リカルド・トルモ・サーキットでの開催が予定されていた第20戦バレンシアGPは、10月末にスペイン・バレンシア州を襲った豪雨災害により開催中止となった。その代替レースとしてスペイン・バルセロナにあるカタロニア・サーキットで最終戦が開催され、ホンダはレギュラーライダーに加えてブラドルを起用し、5台のマシンを送り込んだ。
午前に行われたフリー走行1回目は、気温13度、路面温度14度と低温でのセッションとなる。ホンダ勢は5台ともソフト/ミディアムのタイヤを選び、真っ先にコースインした。
セッション序盤で他車3台が続けてクラッシュし、早々に赤旗中断。約10分間の中断をはさみ、5台はまた同じタイヤでコースインする。
序盤、各車が本格的にタイムを記録し始めた段階ではホンダのレギュラーライダーは10番手から15番手あたりに留まったが、走行再開約9分ごろ、中上とマリーニがそれぞれ5番手と6番手に浮上。他車がタイムを伸ばし一時後退するもベストを更新し、ピットに戻った。
セッション残りおよそ18分、2コーナーで中上がフロントのグリップを失い転倒する。しかしライダーは無事で、再び走行に参加することができ、最終的には2番手に0.411秒差をつける堂々の首位で午前セッションを終えた。
好調のマリーニは、セッション終盤までトップ10圏内をキープ。1分41秒台付近のタイムを保ちながら、セッション終了までラップを重ね、12番手でフリー走行1回目を終えた。
またミルとザルコ、ブラドルも終始同じタイヤで走行。赤旗再開直後の2回目のランで残したタイムを更新できず、ザルコが15番手、ミルが19番手、ブラドルが23番手となった。
続く午後のプラクティスではチームメイトのザルコが活躍。ザルコは、セッションを通してソフトからハードまでのタイヤコンパウンドを使った4種類の組み合わせを試しながら周回を重ねる。そしてミディアム/ソフトを履いてアタックに臨んだセッション残り9分、1分39秒197のトップタイムを記録した。他車のタイム更新で後退するも、抜かれたのはわずか3台。4番手で予選Q2ダイレクト進出を決めた。
午前首位の中上も、いくつかのコンパウンドをテスト。セッション後半は、ザルコが採用していない前後ソフトの組み合わせを選択し、チームとしてはデータの幅を広げた形となる。ベストタイムを記録したのは最終アタックラップで、1分39秒756のタイムで12番手につけた。
マリーニも4種類のタイヤセットをトライし、終盤には1分40秒を切って16番手でセッションを終えている。
ミルは、前半にハード/ミディアムで、中盤に前後ソフトでロングランを敢行し、安定したペースを見せた。
セッション後半ではハード/ソフトでタイムを更新し、最終盤にもベストを記録していたが、最終アタックで転倒。さらなるタイムアップは叶わず18番手で初日を終えることとなった。
また、ブラドルは自分の仕事に徹するがごとく、5台の中で最多となる26周を走行。今大会の2日後に行われるバルセロナ公式テストも視野に入れて、多くのデータを確保するよう務めた様子だ。
午前の中上や、午後のザルコなど、復活の兆しを見せているホンダ勢。ザルコに続いて予選Q2に進出するライダーはいるのか期待がかかる。
■ジョアン・ミル(FP1:19番手、プラクティス:18番手)
「今日のプラクティスでは2本目のタイヤでクラッシュしてしまい、そのせいで競争力が格段に落ちてしまった。今晩、何が起きたのかを検証し、2本目のタイヤを他と比較する必要がある」
「1本目のタイヤからは力強い感触を受け、良いラップタイムも出せた。バイクのパフォーマンスは一日を通して向上したが、リヤグリップに関してはまだ少し作業が必要だ。改善の余地はあり、明日の予選ではかなり興味深い走りができると思う。今日から明日にかけて、気温やグリップがどう変化するかが重要になるだろう」
■ルカ・マリーニ(FP1:12番手、プラクティス:16番手)
「今日は全体的に実りの多い一日で、この週末の自分たちの状況を理解することができた。基盤を築くためのスタートとしては良かったと思う」
「ソフトタイヤを使うと、特に1周目のグリップが驚くほど良くなるが、路面はおかしなコンディションだ。先週ここで4輪のレースがあったかと思うが、そのせいでちょっと変な感じがする。悪いというよりいつもと違うような感じで、週末のレースの進行に伴ってそれも改善していくと思う」
「ザルコや(中上)貴晶のパフォーマンスは非常に励みになる。僕たちのパッケージにはスピードとポテンシャルがあるという証拠であり、それをすべて解き放つためにただ取り組み続ければいいわけだからね」
■ヨハン・ザルコ(FP1:15番手、プラクティス:4番手)
「正直、今季の中で最高のラップのひとつだったと思う。それに、セッション終了前に良いタイムを出すことが重要だった。トップ3には届かなかったが、大きな進歩であり、今日の結果には満足している。プラクティスの進め方にも満足しているので、残りの週末もこの調子で続けたい」
■中上貴晶(FP1:1番手、プラクティス:12番手)
「今日、自分がこのポジションにいることに満足しています。午前中に1番手を記録し、素晴らしい週末のスタートが切れました。午後は難しい展開になると分かっていましたが、リヤのグリップ不足にも関わらず、トップ10に近い結果を残せたのは良いことです。この調子で努力を続け、明日の展開に期待したいと思います」
■ステファン・ブラドル(FP1:23番手、プラクティス:23番手)
「シーズン最後のレースだ。これまでプライベートテストで多くの作業を行ってきたが、火曜日(のバルセロナ公式テスト)にホンダのライダー全員ができる限り最高の状況を迎えられるように、まだいくつか準備すべきことがある」
「このサーキットは比較的グリップが低いためいつも手こずらされるが、自分たちの弱点を克服するためには、ここでレースに出場できるのは良い機会だ。明日はさらにプッシュするよ」
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