フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、第9戦オーストリアGPの決勝レース終盤におけるシャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の接触に関して、これ以上の審議は行わないというスチュワードの決断は間違っていると考えているが、この件に関して抗議は行わないという。
決勝レースの69周目、ターン3でルクレールとフェルスタッペンが並んだ際、両者は接触した。フェラーリは、この接触によりルクレールがコース外へ押し出されたというチーム側の見解にスチュワードが従うことを期待していた。
ホンダの13年ぶりF1勝利が確定。フェルスタッペンの接触事故が審議も“レーシングインシデント”との裁定/オーストリアGP
しかし最終的に、ル・マン24時間レースを9回制したトム・クリステンセンを含めたスチュワードたちは、今回の件をレーシングアクシデントと位置付けた。
今回の判断が下された日曜の夜、ビノットは、「我々はいまだにこれは間違った判断だと考えている。これが我々独自の見解だ」と語った。
「我々は、シャルルは十分なスペースを残していたし、彼には何の落ち度もなかったと思っている。接触が起こったことで、彼はコースから押し出されるかたちになった」
「このルールを認めるか否かは別として、これらは明確なルールであると我々は考えており、これらの裁定は過去のレースでも適用されてきたものとまったく同じものだ」
物議を醸した第7戦カナダGPでのセバスチャン・ベッテルへの裁定に続く今回の裁定について、状況はまったく違うものになっている。フェラーリはカナダでの裁定に関して異議申し立てをしたものの、ビノットは今回の結果に対して抗議はしないと主張した。
「我々はスチュワードの判断を完全に尊重する」
「彼らは審判であり、我々はそのことを尊重する必要がある」
「それよりも私はひとりのフェラーリファン、究極のファンとして、F1は次のステージに進み前進する時なのだと思う。レースでは、このようなアクシデントは起きてしまうものなのだろうと考えている」
「我々はドライバーに戦いをさせるべきであるとよく口にする。だから裁定に関して満足しないこともあるし、判断を支持できないこともある。しかしながら、我々は事実を受け入れ、先に進まなくてはいけないことは分かっている。結果としてこのことは全体的にスポーツにとってもF1にとっても良いことなのだ」
「だからフェルスタッペンの勝利に対しブラボーと言いたいし、彼は今日素晴らしいレースをしたと思う。そしてそれはシャルルにも同様に言えることだ。シャルルはとても良い走りをした。新たなチャンスは必ず訪れるだろう」
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