負極にチタン酸リチウムを用いることで高い急速充電性能と大電流での充放電を可能にした、東芝のリチウムイオンバッテリー「SCiB」。三菱i-MiEVやホンダ・フィットEVの駆動用バッテリーを皮切りに、スズキ各車の(S)エネチャージやマイルドハイブリッド、新型日産デイズ/三菱eKのSハイブリッド、新型マツダ3のMハイブリッドなどに幅広く採用されている。PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
会場に展示されていた自動車向けのSCiBは、2.9/10/20/23Ahの各セルと、新型日産デイズ/三菱eK用の12V電池パック(カルソニックカンセイの回生蓄電池システムを通じて供給)。そして、トラック・バス用24V鉛バッテリーとの置き換えを想定し2020年に量産開始予定の「SAP24」と、マイルドハイブリッドシステム用「48V電池パック」も参考出品していた。
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このうち「SAP24」は重量わずか28kgと軽く、210H52鉛電池との比較で重量・容積とも1/4に軽減できるのが最大の特徴。また車載向けとしてエンジン始動やアイドリングストップ、マイルドハイブリッドにも対応でき、CANを通じて電池の状態を常時監視することもできる。また鉛電池には不可欠な補液が不要で、サイクル寿命が約10倍となるのも大きなポイントとなる。
現時点で公表されているスペックは下記の通りで、使用しているセルとその個数は明らかにされていない。2020年より量産開始を予定しており、これが今後のバス・トラックに新車搭載されれば、法的にも実質的にも積載量の増加につながるはずだ。
【SAP24の主な仕様】
通常運用電圧範囲/公称容量…DC2.0~29.7V/67Ah
端子…DIN規格
クランキング電流…1100A(30秒、25℃)
連続最大電流…300A
幅×奥行き×高さ…256×269×208mm
質量…約28kg(61.7lbs)
通信インターフェイス…CAN制御あり(SAE J1939準拠)
なお、48V電池パックはセルの構成、供給形態とも「現在検討中」(同社説明員)とのこと。量産開始は「SAP24」よりも先になりそうだが、日本車にも48Vマイルドハイブリッドが普及すれば、この東芝SCiBを搭載する車両を目にする機会がより一層増えることだろう。
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