簡易ボディコーティング剤といえば、誰もが一度は使ったことのあるだろう「イオンコート」。現在では「イオンコートクラシック」と「イオンコートレジェンド」の2種類が販売されている。なんと、この「イオンコート」、「クラシックは洗車機12回以上、「レジェンド」は洗車機20回以上通しても水玉コロコロ」と謳っている。本当なのか、実際にテストしてみた。
文・写真/ベストカーWeb編集部・中年オヤジO
34年のロングセラー「イオンコート」を試す! 洗車機20回通しても大丈夫というのは本当か【やればできる中年オヤジのカーメンテ】
■20代の頃、愛用していたイオンコート
34年のロングセラー、イオンコート。左がイオンコートクラシック、右がイオンコートレジェンド
お疲れ気味の中年オヤジが、なるべくお金をかけず、ラクに洗車やコーティング、メンテナンスを自ら行っていく本企画。
先日、大手カー用品店に行った際に、ひっそりと置かれていたクリンビューの「イオンコート」が気になっていた。「あ~、懐かしい、まだあったんだ、今度試してみよう」と。そこで、今回は「イオンコートクラシック」と「イオンコートレジェンド」を自腹購入し、施工することにした。
比較対象商品として水なし洗車売り上げNO.1のSOFT99「WAXフクピカ」を一番左側に施工。価格は658円
筆者が20代の頃、当時の愛車、NAロードスターに使っていたことを思い出した。「イオンコート」の発売は1988年からということだが、洗車した後、「イオンコート」を塗りこんで白くなってから乾いた布で拭きあげていくやり方で、夏場は汗だくになったのを覚えている。
比較対象商品として、中華製のボディコーティング剤、魔パイを施工した。価格は2380円
ボンネットを4分割に分けて、比較対象商品として、水なし洗車売り上げNO.1というSOFT99の「WAXフクピカ」を一番左側に、その右側に「イオンコートクラシック」、その右側に「イオンコートレジェンド」、その右側に何も塗布していない未施工状態、一番右側に比較対象商品の中華製のボディコーティング剤の「魔パイ」を塗布した。
付属のスポンジに液剤を塗っていく
まずは「イオンコートクラシック」を施工していく。シャンプー洗車とクリーナーで確実に汚れや埃を落として水洗いし、乾いたマイクロファイバークロスで拭きあげていく。説明書には洗車後の濡れたボディではなく、乾いたボディに塗ってくださいと書いてあった。
ボトルをしっかり振って、同梱されていたスポンジに液剤を染み込ませ、時折、スポンジから出るキュキュという音が出るのを気にしながら、ボディに塗布していった。
スポンジが時々、キュキュという音がするのが気になるが伸ばすように塗っていく
液剤は前回試した、コメリやコーナンのボディコーティング剤と同じような白濁した薄い液剤で、伸ばしながら塗る感じだ。
数十秒で液剤が白く乾いてくるので、それを乾いた布で拭きあげていった。昔はもっと濃く、拭きあげも力を必要としたイメージが残っているが、この「イオンコートクラシック」はそんなに力を必要としなかった。いつからこうなったのかはわからないが、ラクなほうがいいので当然〇。
成分はフッ素樹脂、シリコーン、カルナバロウ、石油系溶剤、紫外線吸収剤と説明書に書いてある。
SOFT99の「WAXフクピカ」はスプレータイプのボディコーティング剤で、30cm四方に1回の割合で、液剤をボディにスプレーし、乾いた綿タオルで拭きあげていった。特に拭きスジや拭きムラも出ず、ラクに拭きあげることができた。この「WAXフクピカ」は持続3ヵ月とのこと。
さて、気になるのはやは水はじき効果と耐久性。耐久力については、パッケージに「洗車機に12回連続通しても水玉コロコロ!」。説明書をよく読んでいくと、同社のシャワリングテストでも「8カ月持続」と書いてあった。
そして、中華製の「魔パイ」は、ネットで話題になっている商品だが、塗りやすい撥水タイプのボディコーティング剤だ。パッケージには持続効果は書いていないが水はじき効果はバチバチで気持ちいい。
■なんと連続洗車機20回以上、耐久性13カ月持続するという、イオンコートレジェンド
今度はイオンコートレジェンドを塗っていく
さて、お次は「イオンコートレジェンド」。パッケージには、「クラシック」よりさらに凄い謳い文句。なんと「洗車機20回以上、シャワリングテストで耐久性12カ月持続」。思わず「こりゃ凄げぇ、ほんとかよ」と唸ってしまった。
さっそく、「イオンコートクラシック」の右側に塗布してみた。塗り方は、「イオンコートクラシック」とまったく同じで、スポンジに液剤と塗って時折、キュキュという音を立てながら伸ばしていく。クラシックと比べて、こちらのほうが伸びやすく塗りやすかった。
左がイオンコートクラシック、右がイオンコートレジェンドを塗った状態。液剤が白く乾いている。これを乾いたマイクロファイバークロスで拭きあげていった
ここで、「イオンコートレジェンド」、「イオンコートクラシック」と何が違うのか? パッケージを見ると、レジェンドの成分はイオンコートの被膜定着技術、イオン電荷定着技術に硬質フッ素ポリマーと高撥水密着性ポリマーを配合と謳われている。
さらに説明文を見ていくと、硬質フッ素ポリマー+高光沢イオン配合レジンは、10カ月以上の持続力を発揮。高撥水密着性ポリマーは、防汚力を長期間発揮し、さらに紫外線吸収剤が塗装面の色褪せ、劣化を防ぐ、と書いてある。
成分は、フッ素樹脂、シリコーン、合成ワックス、石油系溶剤、紫外線吸収剤。クラシックにはカルナバロウが配合されているが、レジェンドには入っておらず、代わりに合成ワックスが配合されているようだ。
左がイオンコートクラシック、右がイオンコートレジェンド
透明のカップに入れて、クラシックとレジェンドを比較してみたが、クラシックは生成色(少しベージュがかかった白色)、レジェンドは薄い白濁液。においは、なんともいえないトイレや理容店に行くとにおってくる、あの感じだ。
最大の違いは価格!「イオンコートクラシック」は1780円、イオンコートレジェンドは3280円と倍くらい違うこと。耐久性はクラシックが持続期間8カ月、洗車機12回以上、レジェンドが持続期間12カ月、洗車機20回以上、この違いが価格に反映しているのか。
イオンコートを拭き上げた状態、なかなかいい感じ。ほかの簡易コーティング剤と違って、ひと手間増えるが、それが水はじき効果が長いということにつながれば納得か……
■まずは塗布後1時間後に水をかけて水はじき効果を確かめる
左がイオンコートクラシック、右上がイオンコートレジェンド。水はじき効果はほぼ同じといっていい
2種類のイオンコートと、WAXフクピカ、魔パイを施工1時間後に、シャワーをかけて水はじき効果を見た。
左端の「WAXフクピカ」、「イオンオートクラシック」、「イオンコートレジェンド」、未施工、「魔パイ」という順。
「イオンコートクラシック」、「イオンコートレジェンド」ともに、水はじき効果は高く、水が流れる速さもほぼ互角だった。
WAXフクピカの水玉は真円に近く、おもしろいように水をはじいていく
「WAXフクピカ」も気持ちいいほどの水はじき効果を発揮。中華製の「魔パイ」に関しても相変わらず撥水効果は抜群で、水玉が真円。しかも水が落ちていくスピードが速い。
中華製ボディコーティング剤の魔パイ。撥水性はボディコーティング剤のなかでもトップクラス
施工後1時間経過して、シャワーをかけたのだが、4商品ともに、気持ちのいい水はじき効果を発揮してくれた。しかし、このテストだけでは、まだ分からないというのが本音。せっかく、イオンコートのパッケージには、洗車機12回以上、20回以上もつって書いてあるので、本当かどうか洗車にぶちこんでみた。
■まずは洗車機に12回通してみた
12回洗車機に通してきました……。むう、愛車の洗車傷が気になる……
改めてパッケージを見ると、「イオンコートクラシック」が「洗車機連続12回以上通しても水玉コロコロ」、「イオンコートレジェンド」には「連続20回以上通しても水玉コロコロ」と書いてある。
これが本当なのか確かめるべく、最新のダイフク製洗車機に水洗い洗車1回(1往復)×12回通してきました。
すぐに自宅駐車場に戻り、シャワーをかけてみると……。あれ、ほとんどからないやんけ!
イオンコートクラシック、12回洗車機を通した後の状態。左上の水玉の小粒は丸いが、大きい水玉はやや崩れているか
個別に見ていくと、「イオンコートクラシック」の場合、ほとんど水はじき効果は変わらないように見えるが、施工1時間後の写真と比べてみると、やや水玉が崩れているのが見てとれる。とはいえ、シャワーで水をかけていても、まだまだコロコロと水をはじいている。
これは「イオンコートレジェンド」も同じ傾向にあり、クラシックよりも、丸っこい真円の水玉が多いかもと思うくらいで、たいした差はない……と思う。
右側一番手前が未施工で親水状態。その隣がイオンコートレジェンド、その左がイオンコートクラシック、一番奥がWAZフクピカ。イオンコートレジェンドは気持ち、クラシックより水はじき効果が若干高い印象
比べてほかの商品はどうか? 「WAXフクピカ」は施工直後よりは水玉がやや崩れており、水はじき効果がやや弱くなったかなと印象。見た目はイオンコートの2商品とあまり変わらない。
WAXフクピカの水はじき効果は落ちているのがわかる。とはいえ、イオンコートの2商品とあまり変わらない
さすがに魔パイも洗車機12回では、水はじき効果が落ちているのがわかる程度。
4商品とも、洗車機12回通した後をチェックしてみたが、明らかに水はじき効果が落ちた! というほどでもなく、やや落ちたかなという印象。くそぉ~激落ちを期待してたのに残念……。
洗車機12回通した魔パイ(右側)。左側は未施工のため、親水状態
■洗車機20回通すとさすがにダメか?
もう無理っす! という悲鳴が愛車から聞こえてきそうな感じがしたが、あと8回(計20回洗車機)にぶち込んできました!
20回洗車機にかけても水はじき効果を持続していたイオンコート。左からWAXフクピカ、2番目がイオンコートクラシック、その右がイオンコートレジェンド、その右が未施工、一番右が魔パイ
結論として、「イオンコートクラシック」、「イオンコートレジェンド」ともに、洗車機20回目となると、さすがに水はじき効果は弱まってきたものの、施工1時間後と比べると、明らかに落ちたというほどではなかった。ただ、水玉は真円が楕円になっているものが多いのが写真から見てとれる。
12回洗車機通した状態からはそう大きくは変わらず、気持ちよくコロコロと水玉が落ちていく様子もあまり変わらなかった。
イオンコートクラシックを施工後、20回洗車機にかけてみたが、やや落ちたかなというくらいで拍子抜けするほどだった。水玉をよく見ると真円が崩れ楕円になっている水玉が多い
では「イオンコートレジェンド」はどうか? こちらもシャワーをかけると、水玉がコロコロと勢いよく落ちていく。水玉はクラシックと同様、やや真円が崩れていて楕円になっている水玉も多くなってきた。
洗車機20回通した状態のイオンコートレジェンド。イオンコートクラシックよりも水はじき効果は若干いい程度だが見た目はイオンコートクラシックとほぼ同じだった
結論としては、洗車機に12回、20回も通しても、「イオンコートクラシック」、「イオンコートレジェンド」はまだまだイケる! 厳密にいえば、施工1時間後と比べ、洗車機20回通した状態は、いずれも撥水効果は施工1時間後に比べ6~7割ほどという印象。撥水の持続効果はクラシックが8カ月、レジェンドが12カ月とのことだが、機会があれば試してみたい(イオンコート愛用者の方からのコメントお待ちしてます)。
いったい洗車機に何回ぶち込めば、コーティング剤が落ちるのか、親水状態になるのか、あと5回洗車機に通し、限界がどこなのか正直試したかったが、愛車の洗車傷が心配なので断念した。このあと、電動ポリシャーでケアします~。
洗車機に20回通したWAXフクピカ。施工直後は真円だったが、やや崩れて楕円になっている水玉もある。しかし相変わらず水玉がコロコロと落ちていく
今回の洗車機テストで、ボディコーティング剤は洗車機に通してもさほど撥水効果は落ちないということが実証されたのは確か。でもくれぐれもみなさん、洗車傷が怖いので真似しないように!
「WAXフクピカ」、「魔パイ」も同様で、洗車機によるテストでは総じて、水はじき効果はやや落ちたかなという程度で、洗車機に20回通しても、シャワーをすれば水玉が勢いよく落ちていった。
洗車機20回通した魔パイ。こちらも相変わらず気持ちいい水はじき効果を持続していた
最後に。撥水タイプのボディコーティング剤の難敵は、太陽の日差しや雨などによってできる白いシミ、ウォータースポット。くれぐれもボディコーティング剤施工後は、雨が降ってボディについた水玉を拭きあげることが必要。これを怠るとあっという間に白いシミだらけになる。雨が降った後以外でもこまめに水洗い、カラ拭きをやりましょう。
撥水タイプのボディコーティング剤を施工しても雨が降った後の水玉をそのままにしておくとこのようにイオンデポジットが発生してしまう
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みんなのコメント
施工性があまり良くなかった為一段使用した後に使うのやめました。直ぐに乾いて白くなったのが中々取れなかったと記憶してます。
しかし、しばらく撥水していた記憶があります。私の施工が良くなかったので施工性が良くないと思ったのでしょうが、あの当時では凄かったと思いますね。
今は施工性が良くなっているのですかね?