ブロック玩具レゴの上級シリーズ「レゴ・テクニック」シリーズに追加されたマクラーレン「セナGTR」を、免許のないマンガ家・コラムニストの辛酸なめ子が組み立てた! 想像以上に難しかった理由とは?
220工程!
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レゴを触るのは何年ぶりでしょうか、四角いブロックで適当なロボットを組み立てた、かすかな記憶が残っています。今回、大磯でおこなわれるはずだった輸入車の試乗イベントの取材がなくなり、そのかわりに提示されたのが、“マクラーレン・セナGTR”のレゴを組み立ててみる、という企画。寒い野外のイベント取材に比べて体力的にも無理がないと思い、引き受けたのですが……。
想像以上に大きな箱と重さ、パッケージの本格的な車体の写真に血の気が引きました。レゴ・テクニックという本格的なシリーズだそうです。一応10歳以上と表記にはありますが、頭の回転が早く視力も良い10代男子ならサクサク組み立てられそうです。
しかし私は、視力の衰えで細かい文字やパーツが見えにくい上、今までプラモデルの経験もない素人です。レゴといっても、ごっこ遊び系の簡単なパーツなら組み立てられる自信があるのですが……。
これは無理かも、というのが箱からパーツを出した瞬間の印象です。細かいパーツが7個の袋にわかれて大量に入っています。
なんと800ピース以上もあるそうで気が遠くなりました。今日中には終わらない気がしました。自腹でいいので、便利屋さんを呼ぶしかないと思いつめていたら、そこに救いの光明が……。
フォトグラファーの安井さんが、レゴが得意だそうで、手伝ってくださることに。それでも作業が大変なことにはかわりなく、説明の冊子は分厚くて139ページ。220工程にも及んでいます。ちなみに実際の自動車のパーツは3万くらいあるそうで……クルマを組み立てる工場の人、部品を制作する人へのリスペクトがこみ上げます。
ピストンが動く仕掛けも
今回のレゴは大きく分けて3つの工程にわかれているのですが、まずは第一工程のパーツを出しました。似たような色や形のパーツが多く、まず見分けがつきません。最初の数種類の筒を合体させるところで早くもギブアップしそうになりました。カメラマンの安井さんが、親方のように、パーツを入れる方向などを教えてくれます。
ふと気付いたのですが、今まで慣れ親しんだ四角いブロックが1個もありません。これまで触れたことのない細かいパーツばかりです。さすがマクラーレン、ところどころ本格的な仕様で、エンジンのピストンが動くようになっていました。そのような難しい箇所は親方が作ってくれました。1時間でやっと60工程まできましたが、先は長いです。
向きを考えて組み立てるレゴは空間認識力が求められるので、ふだん使わない脳の部位が刺激されます。レゴで遊ぶとIQが高くなるかもしれません。さしあたって認知症予防を期待したいです。
2時間ほど経過し、屋根のパーツがついて、今まで部品の集合体に見えていたのが、一気に車っぽくなりました。もうこれでタイヤを差し込んで完成ってことにしませんか……と、言いたくなります。説明書を見ると、まださらに複雑な工程が残っています。レゴの展開図を考えた人の知能の高さも驚きですが、説明書の細かいレゴを描いたイラストレーターもすごいです。超細かいレゴの組み立ての図解の仕事なんて想像するだけで恐ろしい……。
精神的な成長
今まで自分には忍耐力が足りなかったのかもしれない……と、レゴを作ることで自分と向き合うことができました。そして、適当すぎたこれまでの人生を反省。
パーツがなかなか見つからないとき、ちょっと違うけど似たようなパーツで良いんじゃないか? と、思ってしまいますが、そうすると、あとではまらなくてやり直しになってしまいます。シールがちょっとななめだけどいいかな、とか自分の適当さが浮き上がってきました。子どものうちに難しいレゴに慣れておくと、ちゃんとした大人になれそうです。
何度か投げ出したくなりましたが、親方や編集の稲垣さんのおかげで、4時間位で、ついにセナGTRが完成!
スポーティなブルーの車体がかっこいいです。ディヘドラル・ドアが上に開いたり、前輪の方向を変えられたり、と、本格的で高級感があります。
完成したレゴを持ったときの達成感も大きいですが、いちばん気持ちよかったのは、部品がカチッという音を立ててハマった瞬間。自分も社会の歯車というか小さなパーツとして、何かの役に立ちたいという思いが芽生えました。
大人のレゴ体験は、思いのほか、精神的に成長させてくれます。私の場合、老後のことを考えて、またレゴをたしなんでいきたいです。
文・辛酸なめ子 写真・安井宏充(Weekend.)
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