自動車プラモの楽しさを再認識させる好キット
メルセデスAMG GTの実車とそのプラモデルについては、前編の記事(下の「関連記事」参照)にてすでに述べた。ご覧いただいている作例は、自動車模型専門誌「モデルカーズ」257号(2017年)の巻頭特集のために制作されたものである。ここでは、作例の作者・Ken-1氏による解説(当該号にて掲載されたもの)をお読みいただこう。
そろそろ次世代の足音が聞こえてくるGT-Rだけど、まだまだR35の輝きは健在だ!【モデルカーズ】
【画像37枚】ボディ塗装から細部の仕上げまで、その制作過程を見る!
「メルセデスは今後、よりスポーツ度の高いモデルをメルセデスAMGブランドとしてリリースするようで、その第一弾がこのAMG GTです。ガルウィングドアをもったAMG SLSの後継車となりますが、車格自体は少し小さくなりました。フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーではなく、ちょうどポルシェ911あたりのセグメントを狙ったクルマのようですね。
そんなAMG GTをドイツレベルがキット化してくれました。やや元気の無いような印象の日本の模型メーカーに比べると、ここ数年、海外、特にドイツレベルはその車種選択やキット内容が著しく向上していて、個人的にこのキットには注目していました。それを、担当さんの計らいで今回作例として制作させていただくことが出来ました。
国内メーカーの製品に慣れ親しんでいる自分にとって、やはり海外キットは独特の雰囲気があり、慣れてないとやや取っ付きにくい面もあるのですが、ここ最近のドイツレベルのキットは、大変組みやすく精度も高いものになっています。バリやパーティングラインがしっかりめに入っているところもあり、そこをしっかり調整する事で、『あ、これが正解か』と、ピタッと部品が合った際の楽しさを再確認できる面白さがあります。
特にこのAMG GTは、最後までとても楽しく組めた好キットでした。なんと言いますか、設計された方の想いが見えると言いましょうか、クルマ好きでかつ模型が好きならこうなっていると嬉しい、という部分がきちっと優先されているんですよね。
全体にプラ素材が国産キットより柔らかいこともあり、特に透明パーツは少し注意も必要ですが、逆に柔らかいからこそ、内装やエンジンパーツの豊かな表現が生まれたり、ボディとシャシーの一体感のあるハメ合わせが実現できるのかもしれません。シャシーにボディをはめ込む際、塗装が割れそうでやや怖かったりするのですけどね。
手がかかるのも事実と言えば事実、それでも組み立ては文句なしに楽しい!
ドアミラーに組み込まれたターンレンズやリアのリフレクターはデカールとなっていましたが、あえてそのまま仕上げました。デカール自体も不満なく使える良質なものですので、そのままでも見栄えを損なうことはありません。柔らかくやや曇り気味なクリアパーツは、細目のコンパウンドで軽く磨いてやるとクリアな状態を復元してくれます。ゴシゴシ力を入れて磨くと、逆に傷を入れてしまうので注意。
と、そんな感じでなかなか熱く楽しいキット内容を持つドイツレベル製品、手のかかる部分があるのも事実ですが、逆にそれをいなす楽しみもあります。最近のプラモデルがどこか忘れてしまったアナログ感がより濃く残っており、きちっと組み上げるという作業自体にチャレンジングさを感じさせてくれ、完成したときの到達感と満足感はより深いものがあります。海外キットだからといって敬遠するのは実にもったいない!
今後もさらに魅力的な車種のリリースが告知されていますので、クルマ好きモデラーとしては楽しみはつきません。この勢いでどんどん新しいキットを出してもらいましょう。とりあえず、気に入ったキットは買っておく。それが我々に出来る最大の応援かも!」
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