アルピーヌは、100周年を迎える今年のル・マン24時間レースにて、来季の世界耐久選手権(WEC)に投入予定のLMDhマシンを公開する予定だ。
どのようなマシンになるのか、その詳細はこれまで明かされてこなかったが、新LMDhマシンのアンベイル告知と共にアルピーヌが公開した画像を詳しく見てみると、さらなる情報が隠されているように思える。
■”世界”を目指す宮田莉朋、WECチャレンジドライバーに。ル・マンなどでトヨタWECチームに帯同
WECとIMSAの共通レギュレーションであるLMDh規定で開発が行なわれるアルピーヌのLMDhマシンは、オレカの次世代LMP2シャシーをベースに開発。ボッシュやXtrac、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが開発した共通ハイブリッドシステムを、独自に開発した内燃エンジンと組み合わせることとなる。
そのエンジンは、ルノーのF1パワーユニット(PU)開発拠点であるフランスのヴィリー・シャティヨンにて開発される予定となっている。ただ、コストと複雑さの問題から、F1用の1.6リッターV型6気筒エンジンをWECで採用することはないという。
レンダリング画像をいじってみると……
これまでの取材で分かっているのはその程度だが、今回公開されたレンダリング画像のコントラストを下げてみると、マシンのフロント周りが鮮明に浮かび上がる。
フロントにはふたつのインレットが設けられ、フロントスプリッターにもガイド用の空力パーツが設けられている。また、左右に設けられたカナードでボーテックス(空気の渦)を生み、フロントタイヤが発生させる乱流を制御しようとしているはずだ。
そしてホイールのスポークは、フィン状になっているようだ。こうした処理はF1でホイールが統一パーツとなる前に見られたモノで、表面積の増加によってタイヤ内部やブレーキ熱の放熱能力を高めたり、ホイールの内側から外に向けて流れる気流をサポートするなどの狙いがあった。またリムの部分にはカバーが取り付けられ、3箇所に切り込みが設けられている。これも、空力的な効果を狙ったモノであろう。
もちろん、こちらはレンダリング画像であり、これが2024年シーズンのWECにそのまま登場する訳ではないだろう。しかし、この画像のマシンはホイールハウス上面にカットアウトを持つなど、ある程度LMDh規定を考慮したモノとなっているようだ。
そして、このデザインが実際のLMDhマシンにも引き継がれると考えられる理由はもうひとつ。このマシンは、ブランドの「市販車とサーキットモデルの将来を示す」コンセプトカー『アルペングロウ』の流れを組んでいるのだ(アルペングロウは水素技術搭載車ではあるが……)。
アルピーヌと言えば、市販車の新旧『A110』に代表されるような丸目ヘッドライトがひとつのアイコン。ただ、今後はよりシャープなヘッドライトへと変わっていくことを予感させており、レンダリング画像のマシンには、アルペングロウにもあったフロントノーズからヘッドライト下へと伸びるライトが引き継がれている。
共通パーツの多いLMDh規定で、メーカーが参戦する意図のひとつとして挙げられるのがブランディング。そのメーカーの特徴を活かしたプロトタイプをコース上で走らせることで、開発自由度の高いル・マン・ハイパーカー(LMH)ほどの資金を投じることなく、WECハイパーカークラスでブランドの周知を図ろうと考えているのだ。
実際LMDhに参画するメーカーを見てみると、ポルシェやキャデラック、BMW、ランボルギーニ、そしてアルピーヌなどであり、ハイパフォーマンスな市販車の購買促進に繋げたいという意図が透けて見える。フェラーリも同様にハイパフォーマンス&ラグジュアリー路線の市販車を手掛けているものの、こちらはF1に予算制限がかけられ余剰人員が発生したという背景が、WECハイパーカーにLMHでの参戦を後押ししたと考えられている。
リヤウイングはある? ない?
アルピーヌのLMDhマシンについて今回公開されたのはフロント周りだけだが、気になるのはリヤ周り。アルペングロウではプジョーのLMH『9X8』にも採用されているようなフロアや大型ディフューザーを装着。ボディーワークから伸びるリヤウイングも最小限となっていた。
グランドエフェクトカーの現行F1マシンよろしく、プジョー9X8はマシン下面でダウンフォースを稼ぐことでマシン上面の空力パーツを減らして空気抵抗を削減、直線パフォーマンスを引き出すことを狙った。
ただ、9X8と同様の空力処理をアルピーヌのLMDhマシンに求めることは難しい。というのも、LMH規定の3章5.4条にはLMHのリヤディフューザーは「デザイン自由」と記載されている一方で、LMP2シャシーをベースとするLMDh規定の当該記述(3章5.3条B)では「フロアCADテンプレートファイルで定められた最大体積(寸法及び幾何学的形状)に適合している必要がある」とされているためだ。
3章5.2条Cにはディフューザーの跳ね上げ幅は「最大半径50mm上方に湾曲可能」と定められており、フロア面だけで充分なダウンフォースを稼ぐことは規定上容易ではないと思われる。
実際のアルピーヌのLMDhマシンがどんなクルマになるか、現時点では予測の域を出ない。その全貌は今年のル・マン24時間レースに先立つ6月9日(金)に舞台のサルト・サーキットにて明かされることとなっている。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「経験と速さを考えればユウキ一択だ」——オランダからも、角田裕毅の2025年レッドブル昇格を推す声。元Fポン王者コロネルが語る
ペレスの挽回を評価も「マクラーレンからもっと点を奪いたかった」と代表。去就は最終戦後に決めるとマルコが改めて明言
4年分予算を全投入。新井大輝が“10年落ち”マシンでラリージャパン表彰台「ことごとく壊れたけど、やってきてよかった」
ライバルもフェルスタッペンの選手権4連覇を祝福「すべて彼の力によるものだ」「彼の時代が来たことを裏付けている」
WRCタイトルまであと1歩届かず。トヨタとの激闘に敗れたヒョンデ「もっと上手くやる必要がある」タナク戦線離脱が大きな影響
「車線減少の手前で抜かされそうになり、負けじと加速したら鳴らされました。私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「どっちもどっち」「いちいち喧嘩売るなよ」の声も…実際法律では誰が悪いのか
なぜ? 10歳児童に「過失100%」判決! 信号無視でクルマに衝突事故で。 「子どもだからといって無責任ではない」声も!? 何があったのか
運転士がこないと「こまります」バスが集結! 切実な人手不足を訴えるイベント実施 名鉄
新型「4ドア“GT”クーペ」初公開! 丸目4灯×6速MTのみの「現代版“ケンメリ”」!? レトロ顔の和製スポーツマシン「エムダブルファイブ」100台“限定”で発売へ
一部改良アルファード/ヴェルファイア11月23日から受注再開!? だいぶがっかり!? 注目の廉価版アルファードXはHEVのみで510万円から!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント