2021年1月28日、メルセデス・ベンツ日本はフルモデルチェンジしたフラッグシップのSクラスを発売すると発表した。
すべての要素において最新のラグジュアリーを再定義したフラッグシップモデル
Sクラスは、メルセデス・ベンツだけでなく世界を代表するフラッグシップモデルだ。初代は1972年に発表され、今回の新型は7代目にあたる。先代となる従来型は2013年に発表され、累計販売台数は世界で50万台を超え「もっとも選ばれているラグジュアリーセダン」の1台となった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)
新型Sクラスのエクステリアデザインは、最新のメルセデス車に共通の「センシュアル ピュリティ(官能的純粋)」というデザインの基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により、特殊な陰影を生み出している。ヘッドライトは従来より上下方向に薄く、全体に少し小さく、3点が光るドライビングライトを備えている。また、メルセデス・ベンツ伝統のスリーポインテッドスターが輝くボンネットマスコットも採用している。
サイドビューはメルセデスのラグジュラリーセダンとして均整の取れたプロポーションで、メルセデス車としては初めて格納型のドアハンドルを採用している。キーを持った人が近づけば自動でせり出し、また万が一の事故の場合なども自動でせり出すので、従来どおり外部から強い力で引っ張りドアを開けることもできる。
リアコンビランプは横に長い三角形のデザインで2分割タイプ。昼夜問わずにSクラスとすぐに分かる造形としている。新型Sクラスは前面投影面積がわずかに拡大したにもかかわらず、Cd値は最小で0.22(欧州仕様)として世界最高水準のエアロダイナミクスを実現し、省燃費性能も追求している。
駆動方式はすべてのグレードで4WDを採用
インテリアは、デジタルとアナログの美しい調和を図っている。メータークラスターは12.3インチのワイドディスプレイで、センターコンソール上部には縦型12.8インチの有機ELメディアディスプレイが備わる。このディスプレイに多くの機能を集約して、スイッチ類を減らしてシンプルでクリーンな印象に仕上がっている。ウッドトリムの面積も広がり、ドアパネルまで回り込むデザインとしている。
アンビエントライトのLED光源は247個(ロングボディは263個)となり、従来モデルの10倍の明るさとなった。周囲の明るさに応じて自動で切り替わるとともに、手動でも20段階の調整が可能。64色から選択できたり、エアコンの温度設定に連動して青や赤に点灯したり、さらには停車時にドアを開けようとした時に危険がある場合、警告で赤く点灯する機能なども備えている。
リアシートには、世界で初めて助手席の機能に影響を与えないSRSリアエアバッグを搭載した。このエアバッグは前席のシートバックの裏側に格納されており、万が一の事故を検知し、後席の乗員を守るべく展開する。SRSベルトバックやクッションエアバッグと組み合わせて、より一層の安全性を高めている(ロングボディにオプション装備)。
パワートレーンは、S400d 4MATICのショート/ロングボディに最高出力330psと最大トルク700Nmを発生する3L 直6ディーゼルターボを搭載。S500 4MATICのショート/ロングボディは、3L 直6ガソリンエンジンとISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)や48V電気システムなどを組み合わせたMHEVシステムを採用する。エンジン単体で435ps/520Nmを発生し、ISGは22psと250Nmを発生し、約1kWhのリチウムイオンバッテリーに充電する。
組み合わされるトランスミッションは、全モデルで9速ATを採用し、車名が示すとおり駆動方式は4WDの4MATICを採用している。さらに、後輪操舵システム「リア アクスルステアリング」を採用し、車速が60km/h以下なら後輪は前輪と逆位相で最大4.5度ステアして、回転半径を小さくする。60km/h以上では前輪と同位相に最大3度ステアすることで、走行安定性を高めている。
安全運転支援システムでは、最新の「インテリジェントドライブ」が搭載されている。従来のものに加えて、今まで以上に精密に車線中央を維持できる「アクティブステアリングアシスト」、ドライバーの反応を見て警告を発したり最終的に車両を停止させる「アクティブエマージェンシーストップアシスト」、交差点や右左折にも対応する「アクティブブレーキアシスト」、衝突の危険を察知するとドライバーのステアリング操作をアシストする「緊急回避補助システム」などが加えられた。
日本限定の特別仕様車も設定される
2018年から順次メルセデスの各モデルに搭載されている対話型インフォテインメントシステム「MBUX」は、さらに進化した。音声認識だけでなく、タッチスクリーンやステアリングのタッチコントロールボタンでも操作が可能だ。また、オプションでリアシートコンフォートパッケージを選択すると、リアシート左右に11.6インチのディスプレイが装備される。
さらに、ドライバーの顔、指紋、声の3種類いずれかの生体認証もしくはPINコード、いずれか一種類の認証で、シート、ステアリング、サイドミラーのポジションやコクピットディスプレイの表示スタイルなどを統合して読み込むこむことができる。
インパネクラスターは速度計などの表示が立体的に見える「3Dコクピットディスプレイ」を採用し、この表示デザインは4つのスタイルから選択できる。世界初のAR(拡張現実)ナビゲーションを有機エLELメディアディスプレイだけでなく、フロントウインドーに投影するシステムもメーカーオプションで選択することができる。
今回、新型Sクラスの発表を記念して、日本限定540台の特別仕様車「S500 4MATIC ロング ファーストエディション」も設定された。エクステリアは標準仕様とAMGライン仕様が選べ、19インチ(AMGライン仕様は21インチ)ホイール、ナッパレザーのインテリア、11.6インチ リアエンターテインメントシステム、リアコンフォートパッケージなどを標準装備している。
メルセデス・ベンツ Sクラス ラインアップ
S400d 4MATIC:1293万円
S500 4MATIC(ISG搭載モデル):1375万円
S400d 4MATIC ロング:1678万円
S500 4MATIC ロング(ISG搭載モデル):1724万円
S500 4MATIC ロング ファーストエディション(ISG搭載モデル):1938万円
S500 4MATIC ロング ファーストエディション<AMGライン>(ISG搭載モデル):2040万円
※いずれも税込で、ハンドル位置は右/左。なお、デリバリー時期に関してはグレードにより異なるので、詳しくは各販売店に問い合わせされたい。
メルセデス・ベンツ S500 4MATIC 主要諸元
●全長×全幅×全高:5180×1920×1505mm
●ホイールベース:3105mm
●車両重量:2050kg
●エンジン:直6 DOHCターボ+モーター
●総排気量:2996cc
●エンジン最高出力:320kW(435ps)/6100rpm
●エンジン最大トルク:520Nm(53.0kgm)/1800−5800rpm
●モーター最高出力:10kW(16ps)
●モーター最大トルク:250Nm(25.5kgm)
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・76L
●WLTCモード燃費:11.20km/L
●タイヤサイズ:255/50R18
●車両価格(税込):1375万円
[ アルバム : メルセデス・ベンツ 新型Sクラス はオリジナルサイトでご覧ください ]
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次期Cクラス(W206)も楽しみだ。