■技術の日産を象徴する2台の違いとは
2018年の販売台数ランキング(軽自動車を除く)で、1位に輝いたコンパクトカーの「ノート」。そして、国産ブランドで電気自動車の代名詞的存在といえる「リーフ」ですが、どちらも現在の日産を象徴するモデルです。
超売れっ子、日産「ノート e-POWER」の実燃費はいかに? 下りでは脅威の燃費値も!
コンパクトカーの「ノート」は、電動パワートレインの『e-POWER』が人気。「リーフ」同様に、電動パワートレイン技術が特徴の2台ですが、実際の使い勝手では、どのような違いがあるのでしょうか。
日産が、ブランドコミュニケーションの大きな柱として掲げる『ニッサン インテリジェント モビリティ』は、安心して意のままになるドライビング、走りの快感、常に社会とつながる便利さを提供することを約束するものです。
その象徴的存在といえるのが、100%電気自動車の「リーフ」。初代が2010年に登場し2017年に現行の2代目モデルへとスイッチしました。
一方、「ノート e-POWER」は2016年末に登場して以来、瞬く間に大ヒットモデルとなり、『ニッサン インテリジェント モビリティ』の普及促進に大きく貢献。
従来から使い勝手のいいコンパクトカーとして販売されていた「ノート」に、発電専用の小型エンジンを搭載し、外部から充電することなく自分で電気を貯めながら走るのが、「ノート e-POWER」の特徴です。システム的にはシリーズハイブリッドと呼ばれるものですが、日産ではこれを『新しいカタチのEV』と謳っています。 2台の違いを外観・内装・走行性能などの部分から違いを見ていきましょう。
外観では、「リーフ」にはないものが「ノート e-POWER」にはあります。車体後方に見える、マフラーです。給油口も左後輪のホイールハウスあたりにありますが、「リーフ」にはボンネットの先端に充電ポートがあり、やはりガソリン車とは違う新しさを感じます。
室内に入ると、居住空間はボディサイズがひと回り大きい「リーフ」の方が、全体的にゆとりがあります。ただ、「リーフ」は床下に大きなバッテリーを搭載していますので、着座位置は少しアップライトな印象。「ノート e-POWER」の方が、コンパクトカーらしい着座位置となっています。
インパネなどのデザインは、初代「リーフ」よりは未来感が控えめになった現行「リーフ」ですが、それでも「ノート e-POWER」と比べると、モニターのグラフィックなども凝っていて、『新世代のクルマ』感は強いです。
「ノート e-POWER」は、設計から長い年数が経っていることもあり、ひと世代前のデザインの中でシフトレバーだけが浮いているような印象も。
上級グレードのMEDALISTには、ブラウンとアイボリーを贅沢に使った「プレミアムホワイトインテリア」を設定したりと手を入れていますが、全体的な上質感という点でも「リーフ」に軍配が上がります。
実際の販売状況について、日産の販売スタッフは、次のように話します。
『販売が好調の「ノート e-POWER」は、コンパクトカーの使い勝手、燃費の良さなどがお客様から好評です。
一方、電気自動車という次世代を象徴する「リーフ」は、初代・2代目・e+とモデルの進化やインフラ設備の普及などによって、マイナスイメージの部分であった航続距離や充電方法が、お客様に理解されつつあります。また、蓄電池としてクルマから住宅などに給電できる点でも好調を得ています』
■電気自動車「リーフ」の“走り”とは
2019年1月に登場した、パワーアップグレードの「リーフ e+」と販売好調の「ノート ノート e-POWER」を走行性能の面で比べてみます。
一般的にEVの走りの魅力は、エンジンによる騒音のない静かさと、0km/hからフルトルクが引き出せるモーターならではの、パワフルで滑らかな加速だと言われています。
「リーフ」ではまさに、その両方がしっかりと感じられました。“ヒュィーン”というようなモーターの音が時折かすかに聴こえるのみで、ロードノイズや風切り音は極力遮断されているのです。
信号待ちなどの停車中は、それこそシーンと車内が静まりかえります。加速フィールでも、今回試乗した62kWhの「リーフ e+」は、70km/hまで最大加速Gが続くようになっているため、市街地でよく使う50km/hから60km/hなら常に余裕いっぱい。心が満たされていくような走りが味わえました。
しかし、1充電あたりの航続可能距離が570km(JC08モード)となった「リーフ e+」でさえ、エアコン始動や高速道路の追い越しなどでアクセルを強く踏むと、バッテリー残量のパーセンテージが急激に減っていくのは、見るたびに心臓がバクバクします。
数字の増減で細かく確認できてしまうことが、もしかしたら余計な不安を煽る要因かもしれませんが、そこは開発者も『お客様がしっかりと情報を把握できるようにしたい、という想いがある反面、まだまだ不安に感じるお客様がいらっしゃることも事実で、正直なところ数字の出し方は難しい問題です』と話していました。
もし途中で充電が必要となったら、ナビ画面からすぐに近くの充電施設が検索でき、営業中かどうか、現在使用中かどうかなどもわかるので、EVの出始めの頃に比べたら格段に安心感はアップしています。
それでも、5分もあれば終わるガソリンの給油と違って、充電するには30分くらいの時間を要するところは、まだまだ変わりません。
いまは、『バッテリーが無くなる=走れなくなる』ことの恐怖というよりは、『時間をロスする』ことへの焦りが、心臓をバクバクさせるのかもしれないと感じます。
ただそれも、自宅に充電設備があり、帰れば確実に充電できると約束されていれば、まったく事情は変わってくるのです。
郊外では、ガソリンスタンドが少なくなってきているので、電気の方が身近に感じるユーザーも今後ますます増えるはず。頻繁に長距離を走る人、時間に余裕がない人には向かないというだけで、ライフスタイルとのマッチングができていれば、ほぼ不安は取り除かれるのではないでしょうか。
■他のコンパクトカーとは違う良さがある「ノート e-POWER」
一方で、「ノート e-POWER」の走りは、ハイブリッドだと思えば相応の静かさですが、EVだと思うと予想以上に“うるさいな”という印象です。
搭載されるバッテリー容量は1.5kWhで、ハイブリッドとしては少しだけ大きいものの、EVとしてはお話にならない小ささなので、1.2リッターの3気筒エンジンで発電して貯めた電力はすぐに使ってしまい、頻繁にエンジンが始動することがその要因。
もちろん高回転まで回るわけではなく、効率のいい2000から2500回転くらいを積極的に使う設定になっているようですが、“あ、またかかった”とわかるくらい、車内にブーンというエンジン音が響いてきます。
ガソリンモデルの「ノート」に比べると、遮音材などを手厚く追加して静粛性はアップしていますが、もともとの期待値が大きいこともあって、ちょっと残念な印象です。
しかし、モーター走行のなめらかさ、力強さはしっかり感じられます。エンジンが始動したとしても、エンジンでは駆動しないのでモーター走行がずっと続くのが、一般的なハイブリッド車とは違うところ。
「e-POWER」のシステム搭載によって重量が増し、いちばん重いバッテリーを前席下に置いたことで重心も低くなっているので、ガッシリとした安定感はコンパクトカーとは思えないほどです。でもキビキビとしたハンドリングは健在で、コンパクトカーの軽快感を失うことなく、少し上のクラスのような乗り味を手に入れているのが、「ノート e-POWER」の大きな魅力といえます。
そして、最も良いのはやはり、リーフのようにバッテリー残量で一喜一憂しなくていいというところで、はっきりいって、“気がラク”です。
ガソリンタンク容量は35Lで、ホンダの「フィット ハイブリッド」などと比べても別段少ない量ではなく、JC08モード燃費は上級グレードのメダリストでも34.0km/Lなので、実用燃費はどんなに雑に乗っても20km/L前後は硬いところ。最低でも700kmくらい走れるとわかっているのは、こんなに安心するものかと痛感しました。
電気自動車「リーフ」とハイブリッド車「ノート e-POWER」の違いは、結論として未来的な要素や新しいカーライフを体験できる魅力、そしてクルマとしての上質感、満足感が高いのは「リーフ」ですが、今はまだ、『すべての人にオススメできるクルマではない』というところが弱点です。
その点、「ノート e-POWER」はモーター走行が手に入るという以外は、従来のガソリン車、ハイブリッド車と同じような感覚。ガソリンがなくなったら給油に行く、というスタイルも変わらないので、それが不便でない地域ならすべての人にオススメできるクルマといえます。 【了】
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