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アルファード全盛の陰でヴェルファイアは現在1グレードのみ…人気の違いは「顔」のせい?

掲載 更新 77
アルファード全盛の陰でヴェルファイアは現在1グレードのみ…人気の違いは「顔」のせい?

アルファードとヴェルファイア、両車の違いはどこにあるのでしょうか。姉妹車であるアルファードとヴェルファイアは、基本構造を始め多くの共通点があります。しかし、あくまでも独立した車種として販売されているアルファードとヴェルファイア、その違いはどこにあるのでしょうか?

●トヨタが誇る高級ミニバン兄弟
アルファードは、LLクラスミニバンのパイオニアとしてすでに人気を得ていた、日産・エルグランドを追いかける形で2002年にデビューしました。

高級感のあるエクステリア/インテリアをはじめ、広大かつ快適な車内空間、ハイパワーのエンジンなど、トヨタのフラッグシップミニバンとしての格が与えられているモデルとなっていました。

2008年に初めてのフルモデルチェンジがなされて2代目へと進化。その後、2015年に3回目のフルモデルチェンジが行われ、現行モデルである3代目となりました。

現行モデルでは、「高級車」を目指して開発されたという言葉通り、VIPの送迎にも利用できるほどの快適性・機能性が与えられました。

一方のヴェルファイアは、アルファードが2代目にフルモデルチェンジされる際、トヨタのネッツ店で販売されていた「グレードV」を独立させ、固有の名称を与えたところから生まれたモデルです。

そうして2008年にデビューしたヴェルファイアは、上品さ・洗練を掲げていたアルファードに対し、力強さ・先進性を掲げることで差別化を図りました。

そのことはエクステリアデザインからも見て取ることができ、分割されたヘッドランプをはじめ、リアランプをクリアのコンビネーションにするなど、アルファードとヴェルファイアは異なるものであるという認識を強めるための、先鋭的なデザインが採用されていました。

その後、アルファードと同じく2015年にフルモデルチェンジがなされ、現行型へと進化しました。

●基本構造はほぼ同じ2台
前述したように、成り立ちを見れば、アルファードとヴェルファイアは兄弟車という関係です。そのため、共通部品が多く用いられており、基本的な構造は両車ともほとんど変わりません。

実際、クルマの詳細なスペックを記載した「主要諸元表」はアルファードとヴェルファイアでまとめられているほど、基本構造は共通しています。

大きく異なる点があるとするならば、グレード展開です。アルファードは特別仕様車を含めて、ハイブリッドは8グレード、ガソリンだけでも10グレード用意されているのに対し、ヴェルファイアはハイブリッド、ガソリンそれぞれ1グレードしか設定されていません。

このようなグレード展開となったのは、2021年5月に行われた一部改良以降のことです。現在販売されているヴェルファイアのグレード「ゴールデンアイズ」は、元々特別仕様車という存在でした。

2021年5月以降は、この「ゴールデンアイズII」がカタログモデルとなり、それ以外の全グレードが廃止されました。このタイミングで、以前設定されていた、V型6気筒エンジン搭載グレードも廃止されてしまいました。現在は2022年に発売された「ゴールデンアイズIII」となっています。

● 顔付きの違いが販売台数の違いに?
現行型になるまでは多岐にわたるグレード展開が行われていたアルファードとヴェルファイアですが、なぜ2021年にヴェルファイアが大幅にグレードを絞る結果になってしまったのでしょうか。

それは、2018年に行われたマイナーチェンジに原因があると言われています。このマイナーチェンジでは、新開発のエンジン搭載や現在でもアルファードの最上級グレードとなっている「エグゼクティブラウンジ」が設定され、さらに、第2世代となった「トヨタセーフティセンス」が採用されるなどの大きな改良が行われました。

しかし、最も大きな変更と言われているのが、フロントマスクのデザイン変更です。アルファードはヘッドランプのインナーがブラックアウトおよびシャープ化され、ブラックを基調としたフロントグリルにメッキで加飾を行うことで、引き締まった派手さを獲得したという評価を受けました。

一方のヴェルファイアは、もともと広大だったメッキ部分をフロントのほぼ横幅一杯にまで延長し、サイドグリルを横に引くデザインとされましたが、これには「くどい」という声が多かったと言われています。

この変更に対して消費者の反応は敏感でした。2017年まではヴェルファイアがアルファードの販売台数を上回っていましたが、2018年にはヴェルファイアが4万3130台、アルファードが5万8806台と逆転する形になっています。

さらにその翌年の2019年には、ヴェルファイアが3万6649台、アルファードが6万8705台とおよそ2倍近い差を付ける結果となったのです。

そして、2022年になるとアルファードは2月までで9194台を販売するという好調さを見せ、登録車全体の中でも10位以内にランクインしているのに対し、ヴェルファイアは2021年の6月以降、トップ50からも姿を消してしまっているのです。

クルマを購入するユーザー目線になってみると、グレードが豊富で選択肢が広いアルファードの存在は非常に大きなものといえるでしょう。どちらのクルマが評価されているかは、販売台数をみれば明らかです。

まもなくフルモデルチェンジが行われるとされるアルファードですが、そのタイミングでヴェルファイアは廃止、もしくはアルファードのグレードのひとつとなるのではないかという噂もあります。

これほどまでに差がついてしまった両車ですが、実際には基本的な性能は変わりません。にもかかわらず、中古市場ではヴェルファイアの方が割安となっており、そういう意味では、フロントマスクのデザインさえ受け入れられれば、ヴェルファイアを選択するのも悪くはないでしょう。

文:ピーコックブルー

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みんなのコメント

77件
  • というか、アルファードに統一するためにヴェルファイアから手を引くように仕向けているのが真相では?ヴィッツ・ヴォクシー、「ヴ」で始まるネッツ系列の車が消えていく。
  • いや、見た目の問題じゃなくて
    『おれアルファードに乗ってるよ』
    それが言いたいだけなんすよ。

    『ベルファイアに乗ってるぜ』じゃ古いんすよ。
    ブランド信者の頭の中はそんなもん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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