9月3日に発表されたメルセデス・ベンツの新型Sクラスの注目点は? 製品企画および開発責任者を直撃!
東京でも運転しやすい新型Sクラス
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9月3日にドイツで発表された新型Sクラスについて、製品企画の責任者のディルク・フェッツアー氏と、開発責任者のオリバー・チューネ氏に取材した。あまたの新機能が投入された新型Sクラスは、とくにどんなところに注目すべきなのか、作り手の声に耳を傾けてみよう。
ディルク・フェッツァー(以下DF):私はSクラス、マイバッハ、プルマンのプロダクト マネージャーとして販売・マーケティングサイドを代表し、全体的な指揮を採っています。
オリバー・チューネ(以下OT):私は開発側で3年以上、Sクラスのプログラム・ダイレクターを務めています。初期段階からすべてのコンポーネンツ、エンジニアリング、生産施設開発に携わりました。Sクラスはメルセデスにとって非常に重要なモデルですから、そのために仕事をすることはとても名誉なことで、今回お客様に向けてお届けする準備ができたことは大きな喜びです。
Mercedes-Benz S-Klasse, V 223, 2020田中誠司(以下、田中):それぞれの立場で、とくに注目する装備や機能、装着を勧めたいオプションなどを教えてください。
DF:特定の装備というわけではなく、標準装備がこれまでのSクラスより圧倒的に向上したことを強調したいです。デジタリゼーションを反映したイノベーションによって、たんに改良された新型Sクラスが生まれたというよりも、Sクラスの全体像が革新された、と言っていいと思います。
OT:私はホワイトボディの紹介から始めたいと思います。アルミニウムの割合を増やした結果、従来にくらべ60kgの軽量化とさらなる強度向上を達成しました。これは静粛性の改善にも貢献しており、包まれるような体験をもたらします。また、CD=0.22という空力性能は新たなベンチマークです。それだけでなく、摩擦抵抗をほかの面でも低減しており、全体的な効率性が向上しています。
設計面では、リア・アクスル(後輪軸)を低くコンパクトにしたことで、プラグイン・ハイブリッド車のための大きなバッテリーと、リア・アクスル・ステアリング搭載のためのスペースを設けることができました。最大10°の操舵角は市販車として世界初の大きさです。東京の街中も走らせましたが、狭い道や駐車場で、驚くほどの操縦性を実現しています。
個人的に気に入っているのは、シートのデザインを全面的に変更した点です。説明が難しいくらい快適性が向上しています。音声やタッチパネルによる入力がさらに容易になったMBUX(Mercedes-Benz User Experience)は、バーチャル リアリティを組み合わせたヘッドアップ・ディスプレイにより車両情報を10m先の地点に見えるように投影できます。
Mercedes-Benz S-Klasse, V223, 2020田中:私がもっとも興味を惹かれたのは駐車中の衝撃を感知して車外の写真を保存するシステム「アーバン・ガード」です。情報セキュリティに配慮しながらこのようなシステムを作るのはとても大変なことだったのではないですか?
OT:はい、多くの人は小さな特徴だと考えるかもしれませんが、われわれはこのシステムに多くの努力を注ぎました。なぜなら、お客様の資産であるクルマを保護し、強盗や当て逃げなどの被害から守ることには大きな需要があるからです。アーバン・ガードはお客様の携帯電話に通知を送り危険を知らせることが可能で、保存されるのは動画ではなく衝撃が検出された状況における静止画だけです。これは世界各国ほぼすべての法律に準拠するためで、お客様がクルマに搭載されたカメラの情報をすべて入手することはできないということです。
Mercedes-Benz S-Klasse, V223, 2020Mercedes-Benz S-Klasse, V 223, 2020 // Mercedes-Benz S-Class, V 223, 2020Mercedes-Benz S-Klasse, V223, 2020V12エンジン搭載モデルも設定予定
田中:標準装備の「AIRMATICサスペンション」と、オプションである「eアクティブ・ボディ・コントロール」の違いはどの程度と考えればよいでしょうか?
OT:eアクティブ・ボディ・コントロールには4つの個別の圧力ユニットがあり、カメラがそれぞれのタイヤの表面をスキャンしていて、常に最適な位置にボディを配置します。非常に快適であり、俊敏性を高める機構でもあります。サイドクラッシュの危険性を検知すると最大で80mm、瞬間的に車高を上げて乗員のダメージを最小限にする機能が備わります。
とはいえ、標準のAIRMATICも、圧倒的に乗り心地の良いエアサスペンションです。どちらのサスペンションシステムにも、妥協なくコストと技術を注ぎ込んでいます。
Mercedes-Benz S-Klasse, V223, 2020田中:顧客の中には、ハンドリングや外観のたくましさを追求したい人だけでなく、静粛性や乗り心地のソフトさ、そして燃費を重視する人もいると思います。こうした要望にはどう応えていきますか?
DF:メルセデスの基本はお客様が自由にテーラーメイドできることだと考えています。タイヤサイズは18インチから21インチまでさまざまなサイズを提供しているほか、前後異なるサイズを選んでいただくことも可能です。ただし車両によって後輪にくわわるパワーや重量が異なるため、とくに高速でのドライバビリティと安定性を保証できる最低限のサイズのタイヤを選んでいただくという制約はあります。
Mercedes-Benz S-Klasse, V 223, 2020田中:12気筒エンジンのモデルは用意されるのでしょうか?
DF:V12エンジンは新しいSクラスにも搭載される予定ですが、詳細をお伝えするにはもう少し時間が必要です。マイバッハについても間違いなく搭載されます。
田中:Sクラスのような高額車では顧客の年齢層が高くなるのではと思われますが、新型についてはどのように予想していますか?
DF:私たちは、非常に忠実なクライアントを持っていることを非常に誇りに思っています。従来型のオーナーのうち70~80%が次もメルセデスを選ぶと言ってくださる一方で、お客様の平均年齢は、とりわけ日本を含むアジアで若くなっており、私たちはこのトレンドが継続していくと考えています。
Mercedes-Benz S-Klasse, V223, 2020顔の見えない電話インタビューではあったが、新型Sクラスの開発陣は、Sクラスのたたずまいが常にそうであるように、とても自信に満ちて満足しているように思えた。
文・田中誠司
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みんなのコメント
大きいだけでなんか安っぽくなったね。
現行の完成度が高いだけに落差が、、、、?