現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スバルの軽自動車開発中止が惜しまれる! あらためてステラ歴代モデルを振り返ったら初代がダントツで魅力的だった

ここから本文です

スバルの軽自動車開発中止が惜しまれる! あらためてステラ歴代モデルを振り返ったら初代がダントツで魅力的だった

掲載 30
スバルの軽自動車開発中止が惜しまれる! あらためてステラ歴代モデルを振り返ったら初代がダントツで魅力的だった

 この記事をまとめると

■スバルの軽自動車「ステラ」の現行モデルと歴代モデルを振り返る

次期型インプレッサの「RS」グレードとは一体!? じつは過去にもあったスバル車の「RS」から紐解く

■初代はスバルのこだわりがふんだんに投入された軽自動車だった

■2代目以降はダイハツ・ムーブのOEMとなりスバル色は薄くなった

 OEM車としていまも生き残るスバル・ステラ

 すでに軽自動車の自主開発を行っていないスバルですが、ダイハツからOEM提供を受け、軽自動車は現在もラインアップしています。

 ステラも現在販売されている軽自動車のひとつですが、初代はスバルが自社開発したハイトワゴンでした。

 現行ステラの紹介とともに、スバル最後の自社開発軽乗用車となった初代を振り返ります。

 スバル・ステラとは

 現在販売されているステラは、ダイハツからムーヴをベースにOEM提供されたモデルです。現行ムーヴのフルモデルチェンジとともに2014年に登場。

 ムーヴ同様に専用グリルやエアロパーツを施したステラカスタムもラインアップされました。

 初代からステラはOEM車だったわけではありません。2006年に登場した初代ステラは2003年に登場した軽セダンのR2のプラットフォームを使用して開発。2011年まで販売されましたが、結果的にスバル自社生産としては最後の軽自動車となっています。

 スバルが軽自動車の自社開発を終了した後、現行モデル同様にムーヴをベースとしたOEM車の2代目が2011年にデビュー。3代目が登場する2014年まで販売されました。

 現行ステラの特徴

 ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm 価格:120万1200円~164万4500円

 現行ステラは、ダイハツのDモノコックと呼ばれる軽量高剛性ボディを採用して開発されました。ムーヴは「次世代ベストスモール」を目指して開発され、ステラは「Next Quality Small」をキャッチフレーズに販売されています。

 Dモノコックは、ボディ側面に配された外板パネル全面に厚板高張力鋼板を使用。シート取り付け骨格やサスペンションメンバーなどの高剛性化を施したことで静粛性も高められています。

 現行ステラですが、ベースとなったムーヴとエンブレム以外で外観に違いはありません。また、ステラカスタムはムーヴカスタムと同様に標準仕様をベースにエアロバンパーやサイドストーンガードなどを装備してプレミアム化。フロントグリルやアウタードアハンドルなどにメッキ加飾を施すなど標準仕様との差別化を図っています。

 パワーユニットはKF型直3エンジンのNAとターボをラインアップ。インタークーラー付きターボエンジンは最高出力64馬力、最大トルク9.4kgmを発揮します。一方、NAエンジンの最高出力は52馬力、最大トルク6.1kgm。高速道路でのロングドライブなどではターボ車のパワーやトルクが大きなアドバンテージを得ますが、街乗りメインであればNAエンジンで走行性能に不満は出てこないでしょう。

 室内空間は、ハイトワゴンだけに大人がゆったりとくつろげる広さを備えています。リヤシートは左右それぞれでスライドやリクライニングが可能。長い荷物の収納に便利な「フロントサイドフラットモード」や後席片側を倒し荷室が拡大できる「ハーフラゲージモード」など、多彩なシートアレンジを備えています。

 ラゲッジルームには大容量深底アンダーボックスを備えていることで背が高い荷物を積載することも可能とするなど、高いユーティリティ性能を実現しました。

 デビュー時はグレードにより装備されていた予防安全・運転支援機能の「スマートアシスト」は、2020年の一部改良で全車標準装備へと変更。また、2021年の一部改良によりオートライトが全車に標準装備となっています。

 ステラ歴代モデルの歴史を振り返る

 初代ステラ(2006~2011年)

 2006年に登場した初代ステラ。現行モデルのベース車となるダイハツ・ムーヴやスズキ・ワゴンRのライバル車となるハイトワゴンのニューブランドとしてデビューしました。

 ただし、その実情はというと、スバルが乾坤一擲で開発した軽自動車R1、R2が予想を大幅に超える販売不振に陥ったため、急遽開発されたモデルだったのです。そのため、プラットフォームはR2のものを使用し、設計から販売まで1年かからなかったと信じられないスピードで開発されました。

 直4エンジン、4輪独立サスペンション、CVTとスバルユーザーが欲するお約束機能が備わっていたため、発売後1週間で5000台以上の受注台数を受けるほど人気となりました。裏を返せば、スバルファンにとってR2は求めていない車種だったともいえます。

 搭載していたパワーユニットはEN07型直4エンジン。現行モデルは直3エンジンとなっていることを考えると贅沢なパワーユニットでした。このエンジンはNAとスーパーチャージャー付き仕様をラインアップ。NAの最高出力は54馬力、スーパーチャージャー付きは64馬力を発揮し、CVTもしくは5速MTが組み合わされています。

 また、スバルお得意の4WD仕様も用意されていました。この4WDはビスカスカップリングを備えたオンデマンド式。雪道や悪路など、路面状況により前輪と後輪の前後差が生じることで4WDへと自動で切り替わるシステムです。

 初代ステラのエクステリアデザインはR2とは大きく異なり、背の高さを強調したハイトワゴンそのもののフォルム。カスタムは現行モデル同様に、標準モデルと比べフロントグリルなどにメッキパーツを多用し、上質感を備えていました。また、顔違いのリベスタもラインアップし、3タイプのモデルが設定されていました。

 外観と比べインテリアはベースとなったR2と大きな差はありません。ただし、フロントシートはR2とは異なりベンチシートを配置するなど、高いユーティリティ性能を生かして利便性を向上させています。

 2008年にスバルが軽自動車の開発から撤退することを発表してダイハツから軽自動車のOEM供給を受けることが決まると、初代ステラの注目度がアップし、スバルが想定した以上の販売台数を記録しました。スバルファンにとって、最後のオリジナル軽乗用車となった初代ステラはそれほど貴重な1台だったのです。

 2代目ステラ(2011~2014年)

 ダイハツからのOEM車となった2代目ステラ。ベースとなる5代目ムーヴの登場から1年後の2011年に登場しました。現行モデルと同じく、ムーヴと外観の差はエンブレム以外にはなく、またカスタムも設定されています。

 2代目登場から1年半後の2012年12月にはムーヴ同様マイナーチェンジを実施。クラストップの低燃費性能を実現したパワーユニット、サスペンション、スマートアシストを設定するなど多岐にわたる変更が施されました。

 とはいえ、あくまでムーヴのOEM車。スバルファンにとって初代ほど引きがあるクルマではなかったのは確かです。

 気になる初代ステラの中古相場

 先程紹介したことでスバル最後の軽自動車となった初代の購入を考えた方がいるかもしれません。執筆時点で初代ステラの中古車は全国で395台が販売されていました。中古相場は1000円~115万円となっています。

 ただし、100万円を超えていたのはフロントグリルが標準モデルやカスタムと異なるリベスタのみ。このリベスタは初代ステラの中古車においては高めの値付けとなっています。また、販売数が多いのはカスタムで標準モデルはタマ数が少ないのが特徴といえるでしょう。

 初代の中古車は販売数こそ多くはありませんが、50万円程度で比較的状態が良い車両が出まわっています。とはいえ、販売されていたのは2011年まで。すでに10年以上前のモデルであることには違いありません。

 ちなみに2代目ステラの中古車は440台出まわっており、中古相場は1~105万円。3代目ステラの中古車は280台が販売されていて中古相場は30~160万円となっています。

 まとめ

 スバルファンにとって、現在ラインアップされている軽自動車に魅力を感じることは少ないでしょう。ダイハツのOEM車であるため、スバルがこだわっていた軽自動車へのこだわりが備わっていないからです。

 そんななか、最後の自社開発軽乗用車だった初代は、急造されたモデルでありつつもスバルのこだわりが詰まった軽自動車でした。

 改めて振り返ると、そのこだわりは魅力的でスバルが軽自動車の自主開発を止めてしまったことが残念でなりません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
カー・アンド・ドライバー
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース

みんなのコメント

30件
  • スバルの軽で惜しむべきはサンバーの方だろ
  • ダイハツのクルマ造りについて「こだわりがない」ような言い方が気になる
    スバルのクルマ造りへのリスペクトを表現する方法として「現行モデルを卑下」するのは
    スバルにとってマイナスになるのは確かで決してプラスにならない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

120.1164.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0156.8万円

中古車を検索
ステラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

120.1164.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0156.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村