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品のいいミニバン──新型ホンダ・オデッセイ試乗記

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品のいいミニバン──新型ホンダ・オデッセイ試乗記

再発売されたホンダの新生「オデッセイ」に、小川フミオが早速試乗した!

すっきりしたスタイリング

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ホンダが2023年12月に発表したオデッセイのマイナーチェンジ版は、ちょっとおとなっぽいミニバンに乗りたいと思っている人にぴったりかもしれない。

ホンダが自慢する「超低床プラットフォームによるセダンライクな安定感のある走り」に、くわえ、すっきりまとまった内外のデザインなどを継承しつつ、2列目シートは電動操作できる範囲が拡大するとともに、シートヒーターやテーブルなどもそなわる。

オデッセイは、トールボーイスタイルのあたらしいかたちのセダンとして1994年に登場。2830mmものロングホイールベースを活かして、3列目シートをもつパッケージがセリングポイントだったけれど、実際にはドライバーズカーとして評価するひとが多かった。

日本と北米とで少し異なる諸元のモデルが並行開発されてきたのも、北米市場を重視するホンダの特徴。現行モデルは日本市場において、2013年登場の5代目に数えられる。

5代目は車体両側に後席用スライドドアを採用したのが大きな特徴で、ホイールベースは2900mmもあり、ボディは全長4860mm、全幅1820mm、全高1695mmと堂々としたサイズ。

大きな特徴としてあげたいのは、すっきりしたスタイリング。クロームでやたら飾りたてることもないし、スリットのような細眼のヘッドランプですごむようなこともない。理知的な印象が好ましい。

いっぽう、スライドドアによる後席乗員のための使い勝手のよさにくわえ、3列目シート(乗っているのはややツラい)を床下格納してしまえば、荷室は広く、引っ越しにも使える。

ドライブ感覚はなかなかよい今回乗ったのは「e:HEVアブソルートEX」というグレード。いまのオデッセイはこの下に装備レベルがすこし違う「e:HEVアブソルート」があるだけ(外装が黒くなる「e:HEVアブソルートEXブラックエディションもある)。

走行用と発電用とふたつのモーターを使い、市街地ではモーター中心、高速ではエンジン中心で走るのが、ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」。これに前輪駆動方式の組合せである(現在の設定はこれのみ)。

負荷のあまり多くない領域ではモーター駆動で、エンジンは駆動用バッテリーに電力を供給。速度が上がったり、急に加速したりするときなどは、エンジンが主体となりバッテリーがトルクを上乗せすることも。ホンダでは「シリーズ方式とパラレル方式、それぞれのよさを活かしたシステム」と、される。

実際ドライブすると、スムーズな加速感に感心する。とくにアクセルペダルを奥まで踏み込まない市街地の走行では、1950kgの車重を意識させない走行感覚が気持ちよい。さらに市街地の制限速度を守って走っているぶんには、車体が大きく揺れることもなく、かつ車内騒音も低い。

今回のオデッセイは、リクライニングの角度が大きく、電動オットマンまでそなえたキャプテンシートが2列目に備わっており、後席主体のリムジンとしての性格が強いのかな? と、考えると、よくできていると感じられた。2列目シートは「ロングスライドモード」をもっていて、「3列目(シート)を床下収納して2列目をスライドさせると、ファーストクラスのような解放感」と、ホンダは謳う。

私は今回、ほとんどその“ファーストクラスのような”2列目乗員のための運転手役を務めたが、ドライブ感覚はなかなかよい。

セダンとおなじかどうかはともかく、重めの操舵感覚をもつハンドルを操作すると、カーブでは車体はゆっくりと、やや多めにロールする。これが気持ちよいと感じられる。モーターによる静かで、かつトルク感がしっかり感じられる走りの印象と、よく合っているのだ。

ひょっとしたら、速く操舵するのが好きな人とか、アクセルペダルをぱっと多く踏む運転が好きな人だと、ほかの乗員はあまり愉快な気分でいられないかもしれないけれど、丁寧な運転をするひとなら、オデッセイ独特の操縦感覚を楽しめると思う。

速度が上がってくると、乗り心地はやや粗い。首都高のような荒れた舗装の路面などではとくに、突き上げが強めに感じられるようになる。そこはやや残念なポイント。

アクセルペダルを多めに踏み込んでエンジン回転が上がったときの音も、それほどの快音ではない。まぁ、しようがないといえばしようがないのだけれど。燃費重視の燃焼方式によるものだろう。

これに対して、スポーティな回転マナーとか、それに付随した抜けるような音とかの感覚的な快感をとるかは相反する要素。後者を選ぶのはメーカーとしては難しいはず。

私個人としてはオラオラ感のあるビックサイズのミニバンは「どうかなぁ……」と、思わないでもあないので、オデッセイのたたずまいはたいへん好感がもてる。品のいいミニバンである。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

10件
  • takumagumo
    間違い探し!

    「品のいいミニバンであるオデッセイを、品のいい雑誌GQが、品のいい読者に紹介している。」

    さあ、間違いは何ヶ所あるでしょう!?
  • sin********
    中華製に品などない!!!

    それでも!e:HEVにAWDがあれば、ほんの少しだけ迷う…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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