トヨタとBMWグループは2024年9月5日、カーボンニュートラルの実現と水素社会の構築に向け、水素分野での協力関係を強化することで合意し、基本合意書を締結した。
今後、燃料電池システムの開発やインフラ整備などに共同で取り組むとしている。
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両社は、2011年12月に環境技術における中長期的な協力関係の構築に合意し、燃料電池をはじめとした環境技術やスポーツカーなどの開発を、共同で10年以上にわたり進めてきた。特に燃料電池に関しては、BMWはトヨタの燃料電池スタックを採用した燃料電池PHEVを試作した実績もある。
BMWが実証実験中のiX5 ハイドロジェン2011年に締結した戦略的な技術提携、その翌年、より詳細な戦略的な提携により、BMW製ディーゼルエンジンをトヨタに供給、リチウムイオン電池の共同開発、燃料電池システムの共同開発、スポーツカーの共同開発、電動化に関する協業、軽量化技術の共同研究開発など幅広い分野での技術提携を行なうなどしている。
iX5 ハイドロジェンの燃料電池システムはトヨタ製スタックを採用今回の合意では、これまでの広い分野での提携や共同開発から、水素を使用する燃料電池と、水素供給網の構築という2点に絞られている。言い換えれば、スポーツカーの共同開発やバッテリーの共同開発などはフェードアウトしたといえる。
燃料電池技術に関しては、第3世代燃料電池システムの共同開発に取り組み、両社のモデルに搭載することで、より幅広い燃料電池自動車(FCEV)の選択肢を提供するとしている。具体的な第一弾として、2028年にBMWによる初の量産型FCEVの生産開始を予定しているが、これは当然ながらPHEVと推測することができる。
また、水素に関しては、普及の黎明期にあたっては、水素の需要を塊で創出する必要があり、水素を製造・供給する事業者とも協調し、インフラの整備や水素の安定供給、低コスト化にも取り組むとしている。
トヨタ・佐藤社長
「BMWとトヨタの協業が新たなステージに入ることをうれしく思います。長年のパートナーシップを通じて、私たちはクルマづくりへの情熱と、BMWのテクノロジー・オープンネス、トヨタのマルチパスウェイ・アプローチというカーボンニュートラルに向けた考え方を共有することを確認し合ってきました。これら共通の価値観に基づき、今後、次世代燃料電池システムの共同開発やインフラ拡充の取り組みなど、水素社会の実現を目指して協力関係を深めていきます。水素エネルギーが社会を支える未来を実現するべく、BMWとともに、そして産業を超えた仲間とともに取り組みを加速してまいります」
BMW・ツィプセ取締役会会長
「これは自動車の歴史における画期的な出来事であり、世界的なプレミアム・メーカーによって提供される初めての量産モデルです。水素のパワーとこの協業を原動力として、技術の進歩が将来のモビリティを形作ることを示していきます。そしてこれは、多くの人々が燃料電池車を求める時代の幕開けとなるのです」
【関連記事】勝ち組2社が生き残りを賭けて選んだ道は「競争より協力」:https://autoprove.net/japanese-car/toyota/119873/?a=all
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