安全運転支援機能でクルマを選ぶ時代
コロナ禍のなかでも2020年の新車販売台数は171万8088台と前年比89.9%に踏みとどまった軽自動車。同年の登録車新車販売は288万527台となっているから、およそ38%が軽自動車という計算になる。
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乗用車だけに限っても軽自動車が133万1149台で、登録車は247万8832台。こちらも新車販売の3台に1台は軽自動車という計算。もはや、軽自動車は日本の自動車市場にとって欠かすことのできないカテゴリーになっている。そんな軽自動車から2021年のクルマ選びとしては必須機能といえる最新のADAS(先進運転支援システム)を搭載したモデルをチョイスして紹介しよう。
1)最新のADAS機能を持つホンダN-ONE
フルモデルチェンジしたばかりのホンダの軽自動車「N-ONE」ならば、グレードを問わず最新の安全装備を持っている。ホンダ車に共通する予防安全パッケージ「ホンダセンシング」は、登録車だろうが軽自動車だろうが基本的な機能は変わらない上に、新しいモデルほど最新の知見が盛り込まれている。
実際、N-WGNやN-ONEといった最近のモデルはホンダの中でも新しいタイプのセンサー(ミリ波レーダーと単眼カメラ)を用いるなど機能を進化させているのだ。具体的にいえば、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)は先行する車両や昼間の歩行者はもちろんのこと夜間の歩行者や自転車も検知してブレーキをかける機能を実現している。
また、ホンダ独自の機能として歩道がわかれていないような狭い道で、歩行者との衝突を検知すると歩行者を避ける方向にステアリングを操作する機能も備えているほどだ。さらに高速道路走行時の運転支援機能となるACC(アダプティブクルーズコントロール)については渋滞時にも対応するタイプで、EPB(電動パーキングブレーキ)を備えることで停止保持までカバー。
このEPBにはオートホールド機能も備わるので、市街地の信号待ちで足を離してもしっかりと停止保持をしてくれるのもうれしい。そんな最新のADAS機能を持つホンダN-ONEのメーカー希望小売価格は159万9400円~。パイクカー的プレミアムモデルというキャラクターのため少々お高くなってしまうが、2021年に選ぶモデルとして最高レベルの先進安全性能を持っているのも事実だ。
2)死角を減らす機能も用意スズキ・スペーシア
ところで、軽自動車で人気のあるスタイルといえば後席スライドドアのスーパーハイトワゴン。その一番人気は言わずもがなホンダN-BOXだが、二番手として確実な人気を集めているのがスズキ・スペーシアだ。小型ステレオカメラを使う「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備しながら、メーカー希望小売価格138万500円~というリーズナブルな価格設定も支持を集めている理由のひとつだ。
そんなスペーシアでは上級グレードでACCの設定があり、ふらつき警報などの予防安全も充実しているが、注目したい先進安全は「全方位モニター」だ。
この機能を利用するにはメーカーオプションの「全方位モニター用カメラパッケージ装着車」を選ぶことと、ディーラーオプションの対応ナビゲーションが必要となるが、クルマの前後左右に設置された4つのカメラ映像を合成して、クルマを真上から見たような映像などを映し出すだけでない。
見通しの悪い場所で歩行者などが近づいてくるとワーニング音などで知らせる「左右確認サポート機能」も付くのがポイント。路地裏など狭い道で活躍する軽自動車だからこそあって嬉しい装備だ。
3)見えない車両も検知する日産デイズ
デビュー当初は単眼カメラだけのADAS機能だった日産デイズは、2020年8月のマイナーチェンジでミリ波レーダーと単眼カメラを併用する最新世代のシステムへのアップデートされている。まさに最新の安全機能を持つ軽自動車となっているのだ。
日産の宣伝でよく見かける「プロパイロット」については装着グレードが限定されるデイズだが、AEBなどの安全装備については基本的に全車に標準装備されている。その標準装備される機能のなかでライバルにない独自のものが「インテリジェントFCW」と呼ばれる前方衝突予測警報だ。
これは、2台前を走るクルマとの距離や相対速度をミリ波レーダーによって常にモニタリングすることで、見えないクルマの減速などを検知するというもの。必要に応じてブザーと表示でドライバーに注意を促すことで、いわゆる玉突き事故の回避を支援するというものだ。
はっきり言って、この機能が欲しいと思うならば選択肢は日産の軽自動車(兄弟車である三菱の軽自動車も含む)しか選択肢はない。なお、デイズのメーカー希望小売価格は132万7700円~。その廉価グレードでも「インテリジェントFCW」は標準装備となっている。
4)17種類の予防安全を備えるダイハツ・タフト
最後に紹介するのが“17種類の予防安全”を備える軽自動車、ダイハツ・タフトだ。
センサータイプとしてはステレオカメラを使っているが、その機能を記せば、全車速対応ACC、車線中央維持ステアリングアシスト、ふらつき警報、路側逸脱警報、車線逸脱警報、車線逸脱抑制制御、駐車支援アシスト、パノラマモニター、コーナーセンサー、ブレーキ制御付き誤発進制御(前後)、衝突警報機能、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)、標識認識機能、先行車発進お知らせ、オートハイビーム、サアダプティブドライビングビーム、サイドビューランプといったところ。
こうした機能一覧は、2021年の軽自動車選びにおいてチェックしたい機能でもある。プラスαの感じられるSUVスタイルで、しかも全車にガラスルーフが標準装備という遊び心あふれるモデルながら、メーカー希望小売価格135万3000円~という手頃な設定も魅力だ。
なお、17の機能についてはオプション設定となっているものが多い(上級グレードでは標準装備されている機能もある)ので、実際に購入する際には予算と機能のバランスをじっくりと考えたい。もちろんAEBなどの必要十分な予防安全機能はエントリーグレードにも標準装備されている。
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