この記事をまとめると
■長きにわたり社長として敏腕をふるってきたスズキの鈴木 修相談役が亡くなられた
鈴木修会長の「勘ピュータ」の勝利! トヨタでも日産でもなくインドで「スズキ」が圧倒するワケ
■“勘ピュータ”とも呼ばれた勘の鋭さと経営判断力でスズキを現在の規模にまで導いた
■ユニークな感性も愛された鈴木 修さんの精神はこれからもスズキに息づいてゆくはずだ
順風満帆ではなかったが誰にも真似できない手腕を振るった
2輪・4輪・マリンなど幅広いモビリティを生み出すスズキ株式会社の社長として、長年にわたりリーダーシップを発揮してきた鈴木 修相談役の訃報が届いた。享年94、年齢的には大往生といえるが、日本の自動車業界が大経営者を失ったことに変わりはない。
もっとも、鈴木氏が半生を振り返った著書のタイトルに『俺は、中小企業のおやじ』とつけたように、「スズキは中小企業だから」と表現されることが多かった。もしかすると「中小企業のおやじが死んだくらいで大騒ぎするな」と苦笑されているかもしれない。
というわけで、ここからは“中小企業のおやじ”らしく、敬意を込めて、修さんと表記させてもらおう。
修さんが生まれたのは1930年1月30日、小学校教員をしながら中央大学を卒業、銀行に入行してバンカーとなる。スズキに入社するのは1958年、28歳のときである。
鈴木という姓のため創業家出身と思われることもあるが、修さんはスズキ2代目社長である鈴木俊三氏の婿養子。じつは俊三氏も婿養子として鈴木家に入っている。令和の感覚では理解しづらいかもしれないが、昭和においては優秀な人材を婿養子にして家業を発展させるというのは珍しくはなかった。ちなみに修さんの旧姓は“松田”だったりする。
とはいえ、修さんが次期・社長として順風満帆にスズキ社内で活躍していったわけではないようだ。1960年代の一時期、非常に小規模な東京支社に席を置いていたこともあった。
しかし、修さんが東京支店にいたことが、のちにスズキを代表するアイコン的モデルを生み出すことになる。当時、軽自動車サイズの本格四輪駆動車を開発していたホープ自動車が自社生産をあきらめた車両の製造権を買い取る判断をしたのが修さんだった。いうまでもなく、この決断が「ジムニー」という名車を生んだのだ。
修さんがスズキの社長に就任したのが1978年6月。そこから2000年6月に会長へ就任するまで長きにわたりスズキを率いた。
そんな修さんには、誰にもまねのできない勘の良さがあった。1980年代にインド、1990年代にはハンガリーへ進出するなど、他メーカーが考えもしない戦略でスズキをグローバルな自動車メーカーへと成長させていった。
ユニークな感性でスズキを成功に導くだけでなく人柄も愛された
日本でいえば、1993年に軽自動車のハイトワゴンという新カテゴリーを生み出した「ワゴンR」の名付け親としても知られている。ワゴンRは、じつはもともとは別の車名で開発が進んでいた。しかし、アルトを主力としていたスズキのラインアップにハイトワゴンが加わることを「ワゴンもあーる」でいいじゃないか、との修さんの鶴のひと声で、ワゴンRという車名に急遽変更されたと都市伝説的に伝わっている。
それにしても、このネーミングがワゴンRの爆発的ヒットにつながったであろうことは、“勘ピュータ”と呼ばれた修さんの経営判断力を示す最強のエピソードだろう。
そうした豊かでユニークな感性はメディアの間でも好評だった。
筆者自身は記者会見後のカコミ取材で修さんの肉声を聞いたことがある程度だが、誰もが直感的に理解できるような平易に表現しつう、ユーモアを交えた発言に、記者が笑ってしまうこともしばしばだった。メッセージを伝えるのが非常にうまい経営者という印象が強い。
葬儀において喪主を務めた鈴木俊宏氏は修さんの長男であり、創業家出身の代表取締役社長でもあるが、修さんが記者会見などで見せていたフレンドリーでユーモラスな部分は、俊宏社長もしっかりと受け継いでいるのが感じられる。
軽自動車と登録車をあわせた日本国内での新車販売においては2位が定位置となるまでスズキを育て上げた修さんだが、それでも「うちは中小企業だから」といって、攻める姿勢を大事にしていた。そうした精神は、修さんが亡くなってからもスズキの根幹として大事にされていくことだろう。
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みんなのコメント
スズキ社長がいなかったらジムニーもアルトもなかったかもしれない、それどころかスズキ自体がなかったかも・・・
ご冥福をお祈りします。