現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ダイハツが21年度にも軽初のフルHV導入か トヨタ式20万円高で2030年代の電動化加速へ

ここから本文です

ダイハツが21年度にも軽初のフルHV導入か トヨタ式20万円高で2030年代の電動化加速へ

掲載 更新 57
ダイハツが21年度にも軽初のフルHV導入か トヨタ式20万円高で2030年代の電動化加速へ

■ダイハツが軽初となるストロングハイブリッド車を投入か

 日刊工業新聞は2020年12月25日に「ダイハツが軽自動車にストロングハイブリッドを開発し2021年度中に発売する」と伝えた。
 
 ダイハツの開発情報はあまり流出しないのだけれど、どこからか漏れたのだと思う。
 
 火のない所に煙は立たないし、ダイハツはトヨタの子会社だから十分ありうること。具体的に考察してみたいと思う。

5ドアのスズキ新型「ジムニーロング」ついに発売へ!?

 記事によればモーターのパワーだけで発進できるトヨタ「プリウス」のような、いわゆる「フルハイブリッド」で、価格は20万円高くらいを想定しているようだ。

 現在スズキが販売している軽自動車ハイブリッドは、発電機をモーターとしても使う、いわゆるマイクロハイブリッド。スズキは乗用車用も簡易式のマイルドハイブリッドとなる。

 マイルドもマイクロも燃費改善効果という点で物足りない。

 フルハイブリッドなら標準エンジンの燃費を最大で80%くらい向上させられるが、マイルドで20%から30%。

 マイクロだと15%程度しか良くならない。本格的な燃費向上を狙うなら、フルハイブリッド以外無いと考えてよかろう。だとすれば、なぜ今まで存在しなかったのか。

 軽自動車の場合、コスト高になってしまうフルハイブリッドを採用しなくても、満足出来る燃費を実現出来るからだ。

 10km/Lのクルマを18km/Lに出来れば走行10万kmあたりの燃料コストを130万円から58万円分低減して72万円に出来る。

 一方、リッター18km/Lの軽自動車を32km/Lにしても72万円が32万円分浮いて40万円になるのみ。

 加えて軽自動車のほうが平均的な年間走行距離が短い。総合して考えれば軽自動車にフルハイブリッドを導入する金銭的なメリットは小さいと考えていいだろう。だから今まで存在しなかった。

■なぜこれまで軽自動車にフルハイブリッドは無かったのか?

 ではなぜフルハイブリッドを開発して投入しようとしているのか。

 これはもう簡単。2030年から厳しくなるCAFE(企業平均燃費)をクリアするためです。

 2030年から始まるCAFEをクリアしようとすれば、WLTCモードで25.4km/Lが必要。

 現在、もっとも燃費の良いマイクロハイブリッド仕様のスズキ「アルト」は25.8km/L。

 加えてマイクロハイブリッドも電動化車両に含むのなら、2030年から東京都で始まる「ガソリン車の販売を停止。ただしハイブリッド車ならOK」をクリア可能。

 けれど売れ筋になっているスズキ「スペーシア」のようなハイト系のスライドドア車は重いため、マイクロハイブリッドを投入していても21.2km/Lとなり2030年CAFEに遠く及ばない。

 電動化していないダイハツはスズキより燃費が悪い。2020年6月に発売した「タフト」のような比較的軽量のヒンジ式ドア車ですら20.5km/L。フルハイブリッドを投入しない限り25.4km/Lは無理です。

 ということから開発に取りかかっていたんだと思う。時節柄、東京都の2030年電動化車両規制のために開発したと理解する人も多いだろうけれど、フルハイブリッド車の開発にはベースになる技術あっても下を見て4年くらい掛かる。

 2021年度発売ということなら遅くとも2018年初頭に開発をスタートしているということになります。

 システムとしてはトヨタ式になると思う。専用開発ということも考えられるものの、コストで現在「ヤリス」に使われているユニットをベースに簡略化する方が有利。

 トヨタと電動化技術について提携をしようとしているスズキも同じユニットを使うなら、軽自動車専用になるかもしれません。いずれにしろ2030年CAFEのクリアは可能になると思う。

こんな記事も読まれています

対抗馬に変わり種、ポニーカー揃い踏み!そして微妙なパワーバランスの変化も…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第26回
対抗馬に変わり種、ポニーカー揃い踏み!そして微妙なパワーバランスの変化も…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第26回
LE VOLANT CARSMEET WEB
めちゃ「オシャレ」! しかも「ChatGPT機能」搭載! 魅惑のレッドに染まる特別な「DS 4」550万円で発売
めちゃ「オシャレ」! しかも「ChatGPT機能」搭載! 魅惑のレッドに染まる特別な「DS 4」550万円で発売
くるまのニュース
奧伊吹で開幕する2024年のD1グランプリ。注目の2世ドライバーが今季デビュー
奧伊吹で開幕する2024年のD1グランプリ。注目の2世ドライバーが今季デビュー
AUTOSPORT web
円安、コスト上昇の影響はミニカーの世界にも 注目は「レジン」…第62回 静岡ホビーショー
円安、コスト上昇の影響はミニカーの世界にも 注目は「レジン」…第62回 静岡ホビーショー
レスポンス
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.5.11)
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.5.11)
@DIME
アバルト F595Cの第2弾 MTで左右のハンドル位置が選べる限定車
アバルト F595Cの第2弾 MTで左右のハンドル位置が選べる限定車
Auto Prove
フォード、カルロス・サインツSr.の獲得を発表。強力布陣で2025年のダカール挑戦へ
フォード、カルロス・サインツSr.の獲得を発表。強力布陣で2025年のダカール挑戦へ
motorsport.com 日本版
【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス
【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス
AUTOSPORT web
運転席が回転するから超便利! 車内スペースを無駄なく使えるトヨタ ノアがベースのキャンパー
運転席が回転するから超便利! 車内スペースを無駄なく使えるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗
ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗
くるまのニュース
1.9億円を集めた電動バイクプロジェクト「COSWHEEL MIRAI」が再始動! 完全電動バイク仕様の原付一種&二種モデルが登場
1.9億円を集めた電動バイクプロジェクト「COSWHEEL MIRAI」が再始動! 完全電動バイク仕様の原付一種&二種モデルが登場
バイクのニュース
崖っぷちサージェント、アントネッリとの交代説に惑わされず「僕は精一杯やるだけ」ウイリアムズ代表とは協議
崖っぷちサージェント、アントネッリとの交代説に惑わされず「僕は精一杯やるだけ」ウイリアムズ代表とは協議
motorsport.com 日本版
青島文化教材社からCT125ハンターカブ(JA65)完成品モデルが間もなく発売。色は現行最新カラーのターメリックイエロー車
青島文化教材社からCT125ハンターカブ(JA65)完成品モデルが間もなく発売。色は現行最新カラーのターメリックイエロー車
モーサイ
JEEP ラングラーを一部改良。ラインナップを充実させ、車両価格を値下げ
JEEP ラングラーを一部改良。ラインナップを充実させ、車両価格を値下げ
Webモーターマガジン
フォルヴィア、人とくるまのテクノロジー展 2024に出展予定
フォルヴィア、人とくるまのテクノロジー展 2024に出展予定
レスポンス
中団から抜け出せないキャデラック。現状、優勝争いは「ほど遠い」とバンバー/WECスパ
中団から抜け出せないキャデラック。現状、優勝争いは「ほど遠い」とバンバー/WECスパ
AUTOSPORT web
コスパに優れたBYDドルフィンがさらにお得になっちゃうかも! 最大50万円の購入資金が当たる「BYD DOLPHIN ありかもキャンペーン」実施中
コスパに優れたBYDドルフィンがさらにお得になっちゃうかも! 最大50万円の購入資金が当たる「BYD DOLPHIN ありかもキャンペーン」実施中
THE EV TIMES
アネブルが水素エンジンモデルを「人とくるまのテクノロジー展 2024」に展示へ
アネブルが水素エンジンモデルを「人とくるまのテクノロジー展 2024」に展示へ
レスポンス

みんなのコメント

57件
  • 現行タントが発売される前から噂はあったよね。
    フルHVで20万高いくらいなら許容範囲じゃないかな。
    N-ONEがほとんど変わらず価格だけアップしたよりマシ。
  • >走行10万kmあたりの燃料コストを130万円から58万円分低減して72万円に出来る。

    数字すればお得感がありそうだけど、軽を20~30万キロ乗る事があるのかな?。
    ガソリン車と違ってHV車特有の故障や部品交換があって、そのコストを考えるとどうなの?。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村