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「スタック」「横転」当たり前! ウインチまで使って争う驚愕のオフロードレースが存在した

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「スタック」「横転」当たり前! ウインチまで使って争う驚愕のオフロードレースが存在した

四駆に乗る醍醐味を味わえるオフロード競技

 近年のキャンプブームに加えて、ランドクルーザー70の限定販売やハイラックスの再販、ラングラーやジムニーのモデルチェンジ等をきっかけにクロカン四駆が人気だ。せっかく本格的な四駆に乗っているオーナーであれば「その性能ってどんなもんだろう……」と思ったことがあるハズ。

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 林道やフラットダートを走るだけでも気持ちいいが、SUVでさえ絶対に走れない激しい凹凸や急勾配、泥だらけの極悪路をクロカン四駆の性能を活かして走破するのはとても楽しい。そんな世界を本格的に味わえるのがオフロードレースだ。

ツワモノ四駆ユーザー注目の競技「XCT-Dual」

 世の中には数々のレースが開催されていて、トライアル(テープで区切られたヒルクライムやモーグルを制限時間内にいかに減点せずに走り減点数で勝敗を決める競技)やロッククローリング(激しい岩場をライン指示役と組んで走破する競技)、クロスカントリーラリー(WRC等とは違い砂漠やジャングルをレッキなしでコマ図を頼りに長距離のコースを走行する競技)などの種類があるが、近年日本のオフロードシーンを盛り上げている超アグレッシブな「XCT-Dual(クロスカントリートライアル×デュアルの略)」というユニークなレースを紹介しよう。

 XCT-Dualは一般のオフローダーである芳澤さん(愛車はラングラーTJ)が、「自分が出たいオロードレースを作りたい」という想いで2013年に開催したのが始まり。九州発祥の「弐人八脚」という競技をアレンジしたものだが、ルールはとてもシンプルで、2台1チームでエントリーして、3つセクション(オフロードコース上に作られた競技区間)を2台同時に走るというもの。

 セクション内には2つのルートがあって、分担して必ず両方のルートを通過しなければならない。もちろんタイム計測によって順位が決まるが、制限時間は10分間。各セクションを合わせた平均順位がもっとも上位のチームがその日の勝者となる。つまりオンロードレース同様、速く走ってゴールすれば良いのだが、ひと筋縄では行かないのがこのレースの特徴だ。

 速いチームは1~3分台でゴールできるような短い距離の中に、ヒルクライム、モーグル、障害物、マッド、ロックなどの難関が用意されている。しかも、悪路走破性に優れたクロカン四駆の性能をフルに発揮しても、単独走行がギリギリ出来るか出来ないかの絶妙なレベルに設定されているので、ゴールすら出来ないチームも珍しくない。

チームメイトと力を合わせ牽引もウインチングもOK!

 例え針の穴に糸を通すような正解のラインを見つけたとしても、路面コンディションやタイヤのチョイス、マシン性能によっては走破できないポイントもある。では、そんな悪路をどうやってクリアするのか。

 それはオフロードならではの装備やテクニックが必要だ。レギュレーション上は必須ではないが、大抵のチームが牽引ロープ、スナッチブロック、S字フック、ツリープロテクター等のレスキュー用品を積載している。

 また、電動ウインチを装備している車両も多いが、ワイヤーロープの使用は禁止されているためファイバーロープを装備する必要がある。ちなみに、スタート時点で積載している用具以外を使用することもNGだ。

 これらはスタック(ぬかるみ等にはまって立ち往生している状態)した場合に脱出したり、他車をレスキューしたりするための装備だが、XCT-Dualではチームメイト同士によるレスキューが認められている。ポールタッチやテープカット、横転は失格になるが、後退や牽引、ウインチング等はOK。とにかく主催者が設定した意地悪なコースを走破すれば良いのだ。

 ちなみに最低限のレスキュー用品はレースに限らずオフロード走行する上での必携アイテムなので、四駆に乗り始めたら、未舗装路や雪道を走る前に購入してほしいアイテムだ。

オフロードを走るためのすべての要素が必要

 つまりコンマ1秒を争うような繊細なライン取りは要求されないし、マシン性能やドラテクがあれば勝てるというわけでもない。むしろ戦略やチームワーク、正しいレスキュー方法など、オフローディングに必要なスキルをいかに持っているかのほうが重要だったりするのが、このレースの醍醐味。

 とにかく、選手たちが大声でチームメイトに呼びかけ、息を切らして急坂を登って木に牽引ロープをかけたり、泥にまみれてウインチロープをもって走る姿はまるで大人の大運動会を見ているようだ。

 テクニカルなセクションではエンジンの回転数を上げて何度もアタックしたり、ボディをキャンバーに擦りながらも果敢に攻める姿は大迫力。際どいラインにチャレンジしたり、激しく攻めすぎて横転してしまうことも珍しくなく、まさにオフロード界のエクストリームスポーツといった感じだ。

エントリーや観戦の方法は?

 四駆ビギナーがいきなりこのレースに出ることは決してオススメしないが、女性の常連選手もいるし、オフロード歴半年の若者がXCT-Dualデビューした実例もあるので、ベテランとペアを組めば、そこまでハードルの高いレースではない。(ただし、最低限の補強や装備はもちろん、クルマが壊れたり傷ついたりするリスクを許容する覚悟は必要!)

 とにかくまずは、観戦して四駆がどのようなポテンシャルをもっていて、どんな動きをするのか。ベテランオフローダーはどんなラインを選び、クリアできなかったりスタックした場合はどういう手段でレスキューすれば良いのか等を楽しみながら学ぶにはピッタリのレースだ。街中やキャンプ場で見かけるのとは違った四駆の姿を見ることができるし、四駆乗りの人は愛車の価値を再発見できることだろう。

2020年の最終戦は11月8日(日)埼玉県で開催

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で開幕が遅れたXCT-Dualは関東シリーズ2戦、北海道シリーズ2戦がすでに終了し、来たる11月8日(日)に関東シリーズの最終戦が埼玉県の「アウトドパークブロンコ」(https://www.bronco4x4.net/)で開催される。この日はシリーズチャンピオンが決まる重要なレースなので、盛り上がること間違いなし。ぜひ、愛車で観戦を!

※会場までは1.5kmのブロンコ道(未舗装路)を走行する必要があるため、車高の低いクルマやエアロ装着車、2WD車で来場はおすすめしません

[観戦料金(当日アウトドアパークブロンコへ支払い)]□入場料:500円/1名(小学生以下無料)□損害保険料:250円/1名(小学生以下も対象)□入場車両料金:1000円/1台

[詳しくはコチラ]XCT-Dual 公式Facebookページhttps://www.facebook.com/xct.dual/

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みんなのコメント

4件
  • その昔…海外の番組で、目的地だけ設定されたオフロードでそれこそコース設定なんかなくて自力で伐採しながら進んだりのラリー的な物があったんだけど忘れちゃったな…。
    川を渡るチームやらそれを見て迂回したけどハマるチームとかあっておもろかってんけどなぁ。
  • ブロンコってまだあるんだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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