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ドライバーからも2026年のF1新規則を懸念する声が上がる。GPDA理事ラッセルは安全面での徹底した作業を求める

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ドライバーからも2026年のF1新規則を懸念する声が上がる。GPDA理事ラッセルは安全面での徹底した作業を求める

 2026年にF1に導入される新しいレギュレーションに関して、現役のF1ドライバーからは、パワーユニットや安全面、マシンの軽量化などの点で懸念の声が上がっている。

 新しいレギュレーションの発表に対するドライバーの反応は、あまりよいものではなかった。現在素晴らしいレースが行われているのに、新レギュレーションの導入によってフィールド内の差がはるかに大きくなると不満を言うドライバーもいれば、チームが新たな最低重量に近づくことができるか疑問視するドライバーもいた。ストレートスピードが大幅に上がることで安全性について深刻な疑問を呈するドライバーもいたし、新しいマシンは現在のものよりも1周あたりかなり遅くなるだろうと考えるドライバーもいた。

2026年導入予定の新規則について懸念を持つF1チーム。FIAは内容の調整に前向きな姿勢を示す

 新ルールに対して非常に否定的だった世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今では「僕はかなり中立の立場だ」と認めたが、彼の観点から、新しいシャシーのレギュレーションの書かれ方は「エンジンの影響を受けた結果でもある」と説明した。

「彼らはエンジンとバッテリーの50対50の比率を実現したと思うが、そういうわけではない。だからストレートではドラッグを減らすためにアクティブエアロが必要になる。妥当なタイムのラップを持続するためだ。そうしないと、バッテリーが上がってしまう。その問題を彼らは見つけたと思う」

「同じ内容のレギュレーションを長く維持すればするほど、チーム間の距離は縮まる。だから2026年は、かなり大きなリセットになるだろう。マシンのパフォーマンス面だけでなく、エンジン面でも、レギュレーションをうまく使えば大きなアドバンテージを得ることができるだろう」

 GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるジョージ・ラッセル(メルセデス)は、新レギュレーションが安全性に与える影響に焦点を当て、次のように認めた。

「マシンのパフォーマンスは大きく変わるだろう。ドライバーたちはストレートでは並外れて速くなり、ほとんどのコースで時速360kmに達するだろう。これはかなり印象的だ。安全性を向上させる必要があるだろう。時速360kmや370kmでクラッシュするのはかなりクレイジーなことだからね」

「安全性に関しては、残念ながら変化が起こる前に事故が起きる必要があると歴史が教えている。マシンが非常に速くなるので、このレギュレーションを前に、全員が徹底した作業をする必要がある」

「レースで雨が降り始め、スリックタイヤを履き、ストリートサーキットを時速250マイル(時速402km)で走るところを想像してみほしい。あまり安心できない状況になるだろうから、この疑問に対する回答が必要だ」

「公平に言えば、FIAはこのことを十分に認識しており、対応も万全で、起こり得るあらゆるシナリオを検討している。時間が経てば分かるだろうが、マシンは現状でもすでに非常に速い。僕たちはどこで止めるのだろう。時速400kmまで加速するのだろうか? ファンは本当にこれを見る必要があるのだろうか、それとも彼らは見たいと思うのだろうか?」

 ベテランのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、次のように明言した。

「ただでさえ30kg(の軽量化)を達成するのは不可能だろう。パワーユニットが50%電気で駆動し、それをサポートするバッテリーが必要なら、パワーユニットのせいでマシンは20kgから30kg増加してしまう。30kg減らしたいなら、現在のマシンから60kg落とす必要があるが、これは不可能な目標だ」

 ウイリアムズのドライバーのアレクサンダー・アルボンは、懸念点を明かした。

「とても遅くなる。極端に遅くなるだろう。MGU-Kや関連するものによって、ストレートスピードが最後に低下しないようにするために、さまざまな作業が行われていると思う。依然として作業を行うことが必要だと思う。いくつかのコースの速度の軌跡を見ると、かなり遅いね」

 レギュレーションが調整されるまでまだ時間がある。各チームは、ドライバーが懸念している問題に対する解決策を確実に見つけるだろうから、状況は2026年シーズンの開始までにそれほど悲観的ではなくなっているだろう。しかし、今のところドライバーたちが将来のマシンについて知ったことにあまり満足していないのは明らかで、モントリオールではそのことがかなり明確に示された。

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