近年の日本車は、ハイブリッドカーの増加をはじめとした燃費性能に優れたクルマが増えたことなどによって、以前に比べると全体的に燃料タンクの容量が小さいクルマが多くなっている。特に軽自動車の燃料タンクは、30L以下のモデルが当たり前となっている傾向が強い。
その一方で気になるのが、減少傾向にあるものの今でも存在する燃料タンクの大きなクルマだ。
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ここでは現行日本車の燃料タンクの大きいクルマをピックアップ。その航続距離はいったい何kmなのか? それら燃料タンクの大きなクルマの航続距離は、燃料タンクの大きさに関係ない航続距離の長いクルマと比べると、どんな違いが見えてくるのか? を調べてみた。
文/永田恵一
写真/トヨタ、日産、マツダ
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現行日本車で燃料タンクの大きいモデルベスト10
現行車で一番大きい燃料タンクを持つ『ランドクルーザー』
現行車で大きな燃料タンクを持つ日本車はどれなのか? 調べたところ……。
図1.燃料タンク容量の大きい日本車ランキング
結果は、重量級でいかにも燃費が悪そうなランドクルーザーとレクサスLX570の燃料タンクが93Lで最大。ちなみにランドクルーザーは、オーストラリアなどに輸出されるモデルには燃料タンクが2つあり、その2つのタンクを合計した容量が180L、130Lという仕様もある。
そして、ランドクルーザーシリーズに続いては、V8エンジン搭載車などのビッグサルーン、スーパースポーツのGT-Rといったモデルが並ぶ。
なお、日本の乗用車で燃料タンクの容量が70Lを超えるモデルは21車種で、そのなかにはハイエースやグランエース(2車とも70L)、エルグランド(73L)といったミニバン、スポーツカーのフェアレディZ(72L)というモデルもある。
またCX-8の2WDは72Lと4WDの74Lとは若干ながら燃料タンクの容量が異なる点も興味深い。
燃料タンクの大きいモデルの航続距離
燃料タンクが大きい日本車トップ10車で最も航続距離が長い計算になる『レクサスLC』
燃料タンクの容量が大きいモデルベスト10車の航続距離は何kmになるのか? WLTCモードの総合燃費×燃料タンクの容量で計算した航続距離を、長い順に並べてみると以下の結果となった。
図2. 燃料タンクが大きい日本車の航続距離の長さランキング
WLTCモード総合燃費がそれほど低燃費ではない車種や、燃料タンクの容量が70L台とそれほど巨大ではない車種の航続距離は驚くほどではない。
しかし燃料タンクの容量が80Lを超える車種、もしくはハイブリッドかディーゼルで燃費がいい車種になってくると航続距離は大台の1000kmを超えてくる。燃料タンクの大きいクルマベスト10車で、もっとも航続距離が長い計算になるのはタンク容量82LのレクサスLC(500h)で1180.8kmだった。
机上の計算ながらワンタンクでこれだけ走ってくれれば、1回の給油でガソリン代は1万円を大きく超えるものの、ロングラン性能という意味では納得できる人も少なくないのではないだろうか。
航続距離の長い現行日本車はどれか?
最も航続距離の長い日本車『プリウスPHV』
ちなみに、もっとも航続距離が長い日本車は、どれだけの距離を走れるのか?
燃料タンクの容量に関係なく航続距離の長い現行の日本車を調べてみた。
すると、ハイブリッドカーとマツダのディーゼル車では大台となる1000kmを超えるモデルがゴロゴロあるのだった。日本車の燃費の向上を実感するとともに、このような燃料消費量の少ないクルマが増えたことで、ガソリンスタンドが減ってしまっているのも納得できる。
そのため航続距離が長い現行日本車のベスト10では、航続距離1200kmがボーダーラインとなり、以下の結果となった。
図3. 航続距離の長い日本車ランキング
航続距離の長い日本車ベスト10は、プラグインハイブリッド車、非常に燃費のいいハイブリッド車、リッターあたり20km級の燃費性能と60L以上の燃料タンクを併せ持つディーゼル車がランクインしている。
航続距離ナンバー1車は、プリウスPHVのSグレードで1362.9kmも走れてしまう計算だ。いずれにしても航続距離が1200kmを超えるクルマだと、月に1回しか給油すれば充分というケースが多そうだ。
なお、このベスト10車のなかには、燃費がよくて、50L以上の大きな燃料タンクを持つカムリやクラウン2.5ハイブリッド、RAV4 PHV、ハリアーハイブリッドのようなモデルがある。
最近の日本車はプリウスのように、低燃費のクルマは燃料タンクが小さくなっている傾向もあるが、低燃費でも比較的大きな燃料タンクを搭載して極めて長い航続距離を可能しているモデルもあるのだった。
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