この記事をまとめると
■ソニー損保が3年以内にはじめてマイカーを購入した18歳~39歳の男女を対象にアンケートを実施
今年ハタチを迎える若者に人気なのはアクア! ソニー損保が新成人に対しカーライフ意識調査を実施
■初めて買った車種や購入前の運転歴などが明らかとなった
■アンケート結果からわかることを解説する
都市部ではレンタカーやカーシェアの利用が多数
皆さんの「はじめての愛車」はどんなクルマでしたか? 選んだきっかけや、条件はなんだったでしょうか? ソニー損保が先日発表した、3年以内にはじめてのマイカーを購入した18歳~39歳の男女1000人に行ったアンケート調査は、とても興味深いものでした。
アンケートはマイカー購入前の行動やマイカー選び、なぜそのクルマを選んだのか、といったさまざまな項目があり、現代らしい回答もたくさん含まれています。
たとえば、はじめてのマイカーを購入する前も運転をしていたと回答した約半数の人に、どのようにしていたかを聞いたところ、都市部/地方を問わず「親のクルマを借りていた」がダントツの81%。これは日本の家庭のマイカー保有率がとても高いことの表れであると同時に、40代以上が車購入層のボリュームゾーンであり続けていることも表していると考えられます。
一方で、都市部と地方を比べてみると、とくに都市部に高い傾向が見られたのが、「レンタカーを使っていた」と「カーシェアを使っていた」が同立17.6%、「クルマのサブスクを使っていた」4.4%という結果です。地方では「レンタカー」は10.3%で2位なのですが、「カーシェア」は4.0%、「サブスク」は1.1%と低くなっています。手軽にサクッと借りられるカーシェアは、都市部との相性がいいことがわかります。
また、アンケートには「それまでなぜマイカーを買わなかったのか?」という理由を尋ねる項目はないのですが、レンタカーやカーシェア、サブスクの大きなメリットは「維持費がかからないこと」。都市部ではとくに、駐車場代が高額になることや、若い世代や初心者は任意保険料が高くなる傾向があること、そしてはじめてのマイカーを購入するきっかけのトップが「就職」36.5%となっていることから、やはり学生やアルバイトでは負担が大きい、維持費がネックとなっていたことが考えられます。
さて、はじめてのマイカーとして実際に購入した車名のランキングを見ていくと、男女総合での映えある第1位は、スズキ・ワゴンR。2位はホンダ・フィット、3位はダイハツ・ムーヴで、いずれも男女ともに好かれるデザイン、小さなボディに広い室内のユーティリティが高評価のモデルが並びました。4位以降はラパン、5位タント、6位アクア、7位N-BOX、8位ヴォクシー、9位・10位が同立でデミオ、ハスラーという順位。10台中、6台が軽自動車というのは時代をよく反映していますね。
女性が乗りたいクルマはTOP5のうち4台が軽自動車
ひと昔前なら、コンパクトカー御三家と言われたヴィッツ、フィット、マーチのうち、フィットだけが人気を維持しているというのも興味深いところ。じつはマーチの代わりに現在の日産を牽引するコンパクトカーへと成長したノートと、ヤリスと名前を変えたヴィッツは、同立で11位にランクインしているのです。ランキングからは、新車を買ったのか中古車を買ったのか、中古ならどの世代を買ったのかまではわからないのですが、購入金額の回答で平均額が187.4万円となっていることから、おそらく中古車を購入したケースの方が多いと予想。となると、フィットは旧世代モデルの人気が高く、ノートやヴィッツ(ヤリス)は旧型と新型のコンセプトなどがガラリと変わっているため、旧型がやや選ばれにくくなったのではないかと考えられます。その点では1位のワゴンRや3位のムーヴは、どの世代のモデルでもイメージが一貫しているところが強みとなっているのかもしれません。
さらに、この順位を男女別で見てみると、異なる特徴が如実に現れます。まず男性の順位は1位フィット、2位アクア、3位ワゴンR、4位ムーヴ、5位が同立でN-BOX、ノートに。ここで目を引くのはアクアの躍進ですよね。そう考えると、若い男性にとってのトヨタのコンパクトカーは、現在はヤリスではなくアクアがメインに取って代わっているのかもしれません。いずれにしても、どこかに少し、軽自動車への抵抗がある男性もまだまだ多いのかなと感じます。
そして女性の順位を見ると、1位ラパン、2位ワゴンR、3位タント、4位ムーヴ、5位フィットと、なんと5台中4台が軽自動車ということに。ラパンはメーカーが公表するユーザー層でも、8割以上が女性となっていることから、やはり根強い人気を実感します。可愛らしいラパン派と、ちょっとボーイズライクでかっこいいワゴンR派に二分している様相ですね。また、はじめてのマイカーを購入したきっかけの回答で、男女ともに1位はダントツで「就職」だったものの、女性の回答を見てみると「結婚」「出産」が2位と3位。どちらも、子供が生まれてからの使い勝手を想定して選ぶでしょうから、それが3位のタントという結果になっていると考えられます。マイカーの選び方も、男女では少し変わってくるようですね。
最後に、「はじめてのマイカーとして購入したかったがあきらめたクルマ」の項目では、男性の1位がクラウン、女性の1位がN-BOXという結果となり、男女ともに車名が挙がっていたのはハリアー、MINIクーパー。スポーツカーでは唯一、86に票が入っていたのは嬉しいポイントでしょうか。
予算に見合わなくて、本当に欲しいクルマをあきらめて別のマイカーになった人は25.1%と、意外にも少ない印象でしたが、きっと乗っていくうちにドライブの楽しさを知り、いろいろと不満も出てきて、「次はこういうクルマがいいな」と思ってステップアップしていくものなのかもしれないですね。こうしてマイカーデビューした人たちを「次」につなげられるような、魅力的な新車の登場にも期待したいと思います。
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