一部改良を受けたロールス・ロイスの「ゴースト シリーズII」に、南フランスで『GQ JAPAN』のライフスタイルエディター、イナガキが乗った! まずは標準モデルのリポートから。
内外装の美しき変貌
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ロールス・ロイスのゴーストが、シリーズIIにアップデートした。内外装のリファインが中心だが、ハンドルを握ると、パワートレインなどにも手が加わったのではないか? と、思うほど洗練されていた。
試乗会場となったワイナリー「シャトー・ラ・コスト」には、色とりどりの新型ゴースト シリーズIIが並んでいた。ここは、南仏のエクス・アン・プロヴァンスとリュベロン国立公園のちょうど中間に位置しており、200ヘクタールの広大な敷地内には、130ヘクタールのブドウ畑や安藤忠雄設計のギャラリーやレストラン、ホテルを併設。そして、著名な芸術家が手掛けたアート作品が点在する。
新型ゴースト シリーズIIの周囲には、フランス出身の彫刻家であるルイーズ・ブルジョワが手掛けた巨大なオブジェも並ぶが、それらにひけをとらない斬新なカラーリングが目立つ。訊くと、近年、全世界のロールス・ロイスオーナーの平均年齢は43歳だという。かつてのショーファードリブンとしての需要以上に、個人利用が目立っているそうだ。それゆえ、オーナーが好みのカラーリングをビスポーク仕立てるため、従来では考えらないような鮮やかなボディカラーをまとったゴーストが増えている。
同じ組となったモータージャーナリストの小川フミオとともに選んだのは「セマフォ・イエロー」のモデル。イエローといっても発色が抑えられているので、派手さは抑えられている。
エクステリアは、ロールス・ロイスの伝統であるロングノーズ&ショートデッキは継承しつつ、前後デザインをブラッシュアップした。フロントまわりは、灯火類のデザインを変更。特に逆L字型のデイタイムランニングライトが昼夜問わず目をひく。これは「カリナン」のシリーズIIにも採用されたアイコンで、新世代のロールス・ロイスを象徴する1アイテムだ。
荘厳なフロントグリルである「パンテオン・グリル」は、夜間、ほのかにLEDで照らされるイルミネーテッド機能が付くのも特徴だ。ただ、グリルを照らすのではなくクロームメッキが美しく照らされるよう、LEDを緻密に配しているのはさすがといったところ。
足まわりには、新デザインの22インチの9スポークホイールを履く。とりわけ、フルポリッシュ仕上げの、輝きに目を奪われる。フルポリッシュはとにかく手間を要することを最近知ったこともあり、これほどの輝きを作り上げるのに、はたしてどれほどの労力を要しているのか……と、考えるだけで、ロールス・ロイスのラグジュアリーに対する熱き思いを感じとった。
リヤまわりでは、BEV(バッテリー式電気自動車)である「スペクター」からインスピレーションを得たという新デザインのテールランプを装備。前後灯火類のアップデートによって、よりシャープに、そしてエレガントになった。
あらゆる席が極上仕様インテリアに乗り込むと、上質なレザーを使ったシートと分厚いフロアカーペットが目に入る。モータージャーナリスト小川の運転で、リヤシートに身を委ね、Cピラーに備わるスイッチを押し、逆開きのリヤドアを静々と閉めた。
走り出しから、思わず「これは素晴らしい!」と、唸った。” マジックカーペットライド“と謳う乗り心地は、その言葉どおりで、大小さまざまな凹凸をきれいに慣らしていくかのようだ。厚みのあるシート、カーペットと相まって身体に振動はほとんど伝わらない。実に快適だ。
ちなみに筆者は、動く車内でノートパソコンのタイピングをすると早々に車酔いに襲われるが、ゴーストでは皆無。しばし、仕事に打ち込めたほど極上の乗り心地だった。
ブドウ畑や美しい建物、オブジェを眺めながらいざ郊外路へ。いくつものカーブが続く道でも、ゴースト・シリーズIIは大きく揺さぶられることなく進む。電子制御式の「プラナー・サスペンション・システム」や、カメラで前方の道路を読み取り、路面の変化に合わせてサスペンション制御を可変する「フラッグベアラー・システム」、GPSデータをもとにカーブの曲率に応じた最適なギヤを選択する「サテライト・エイデッド・トランスミッション」などが実に良い仕事をし、まるで大型客船の如くゆったりと進む。
静粛性はかなり高い。リヤシートに座っていると速度感がわからず、100km/hでも50km/hくらいに感じた。車窓を流れる景色のスピードで、初めて100km/hであることを実感。同乗者との会話が、弾むのも納得だ。50km/hでも100km/hでも声量は屋内と変わらずに済む。
自分が運転する番がまわってきた。フロントシートに座ると、メーターパネルおよびインフォテインメント用モニターの変化に気がつく。新しい「SPIRITオペレーティング・システム」搭載によって、ソフトウェアもアップデート。メーターカラーなどをオーナーの好みに変えられるという。
さらにインパネのアナログクロックには、「スピリット・オブ・エクスタシー」が置かれた。これは、フロントに鎮座するスピリット・オブ・エクスタシー(ボンネット・マスコット)と同じデザイン、材質というこだわり。しかも、LEDの照射角度なども徹底的にこだわることで、小さくても、実に立派に見える。このスピリット・オブ・エクスタシーがあるとないとでは、インパネまわりのイメージが大きく異なるし、シリーズIIにアップデートされたことを主張する。
いざ、走りはじめると1600rpmで最大トルク850Nmを得られるだけあって、ほとんどアクセルを踏まずとも優雅に走らせられる。今回はオートルート(フランスの高速道路)の走行がなく、ひたすら一般道を走らせたため571psの最高出力を味わい尽くすことはなかった。もっとも、ロールス・ロイスのオーナーが峠を攻めるシーンなどはあまりないと思われるので、南仏の郊外路をのんびり走らせる方が、実際の使い方としては正しいと思う。
いまや希少なV型12気筒エンジンは驚くほど滑らかで静か。はるか前方にエンジンがあるかのようだ。12気筒はフェラーリやアストンマーティンといったスーパーカーメーカーぐらいしか採用しないが、こうしてゴースト・シリーズIIで味わうと、「ラグジュアリカーはV12に限るなぁ……」と、ため息が漏れる。
新型ゴースト・シリーズIIは、記憶にあるシリーズIと比べ内外装のみならず、走行性能もより洗練された印象を受けた。
が、ロールス・ロイスによれば足まわりやパワートレインは、以前のままという。「本当に手が加えられていないんですか?」との問いに「イエス」と一言。
シリーズIIに進化し、熟成が進んだことによるバランスの変化を感じたのだろう。既存ユーザーにはぜひその違いを感じ取ってほしい。個人的に、今回の変化は実にポジティブ。まさに”進化“という言葉がぴったりだった。
文と編集・稲垣邦康(GQ)
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