カタルニア・サーキットで開催された2024年シーズンのFIA F2第6戦バルセロナ。DAMSから参戦するファン-マヌエル・コレアは、土曜日のスプリントレースでの3位表彰台をレース後のペナルティで失ってから1日後、6月23日(日)のフィーチャーレースで再び3位表彰台を掴んだ。
コレアとしては、ちょうど5年ぶりの表彰台。それも、アントワーヌ・ユベールが母国レースとなる2019年F2ポール・リカール戦スプリントレースを制し、共に表彰台に登って以来だった。
■またもスパで痛ましい死亡事故。ストロール、対策を要求「何かを変えなければ、”火遊び”を続けることになる」
歓喜の瞬間を共にしたユベールとコレア。ふたりの間には大きな絆があったが、この年の8月31日(土)、スパ・フランコルシャンで行なわれたフィーチャーレースで悲劇が起こった。
レース2周目、ラディオンを抜けた先で多重クラッシュが発生。ユベールもこれに巻き込まれバリアに激突すると、その衝撃でマシンはコース中央にまで跳ね返された。そして後方からレーシングスピードでやってきたコレアは、十分に反応する時間が無いまま、ほぼ制止したユベールのマシンにTボーンクラッシュを喫した。
ユベールは事故からわずか90分後に死亡が確認。コレアも脚と脊髄に重症を負い、急性呼吸不全に陥り、9月20日に目覚めるまで13日間昏睡状態が続いた。
昏睡状態から覚めた数日後にコレアの脚の手術が始まった。2020年1月、当時を振り返ったコレアは「事故から4日間はほとんど死んでいた」と明かした。
しかしコレアは手術とリハビリを乗り越え、2021年には再びF2マシンでテストを実施。その後2度目のFIA F3フル参戦を果たした。2023年にはVARでF2復帰を果たし2024年はDAMSへと移籍した。
そしてコレアは、2019年ポール・リカール戦からちょうど5年という日に、バルセロナで表彰台に登った。
記念すべき日だというのを知っていたかと訊かれたコレアは、思案顔で次のように答えた。
「意識はしていたよ。5年前のあの日は、いい1日だった」
「ここにいるというのは、ちょっと非現実的だ。このレベルで戦えること、また表彰台に上がれることに感謝している。最高の気分だよ」
「このスポーツをやっている時は、いつも彼(ユベール)のことを考えている。天国で笑ってくれているといいな」
「この日にこのレースが開催され、僕がああいったレースを展開できたというのは、とても良い偶然だ。その話に触れてくれてありがとう」
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