■渋滞の名所、大和トンネルの「呪縛」
全国の渋滞状況を表す指標として、国土交通省は「高速道路の交通状況ランキング」を発表しています。例年、上位にランクインする渋滞ポイントは、ほとんど変動はありません。なぜ、渋滞が起こりやすい場所と分かっていても解消されないのでしょうか。
この「高速道路の交通状況ランキング」とは、実際にかかった時間と標準的にかかる時間との差を年間で計算したものを「渋滞損失時間」とし、その時間順でランキングを作成したものです。
国土交通省が発表した、首都高速と阪神高速を除いた「2018年の全国高速道路渋滞ランキング」では、不名誉な1位に輝いてしまったのが、東名自動車道上り線の「海老名ジャンクション(JCT)から横浜町田(13.8km)」間です。
このエリアは、毎年渋滞ランキングのトップを争っており、利用が多いドライバーから「渋滞の絶対王者」とも呼ばれるほどの名称となっています。なぜ改善もされずこんな事態が続いているのでしょうか。高速道路事情に詳しい関係者は次のように説明しています。
「大きな原因のひとつとして、同区間にある大和トンネルの存在が挙げられます。なだらかな上り坂+トンネルということで、クルマの速度が落ちやすい場所なのです。
なだらかな上り坂であることと、トンネルの視覚効果で無意識にドライバーがスピードを落してしまい、後続車が次々に減速し、全体的な速度低下が渋滞となる理由だといえます」
対して、東名高速道路を管理するNEXCO中日本は、「交通集中による渋滞対策として、東名高速道路大和トンネル付近で付加車線の設置などを進めています」と説明しています。
また、国土交通省も「ピンポイント渋滞対策として、大和トンネル付近の付加車線の設置を東京オリンピックまでに運用を開始することを目標に事業を推進します」とアナウンスするなど、着々と対策が進められているのです。
※ ※ ※
そのほか、同じ東名高速では、その手前の上り線「秦野中井から厚木(15.1km)」間がワースト4位です。さらに、下り線の「横浜町田から海老名JCT(13.9?)」が5位にランクインしており、大和トンネルを起点としたこのエリアが全国に悪名を轟かせています。
とくに、下り線の2路線は連続しており、およそ30kmにわたってワースト5に数えられる渋滞路線が続くことになるほか、この区間には海老名SA、圏央道海老名・厚木ICと合流地点が続いており、渋滞に拍車をかけているのが現状です。
打開策として、国やNEXCO中日本は新東名高速(正式名称・第2東海自動車道横浜名古屋線)の建設を進めていますが、この新東名は、海老名JCTが起点となっており、もっとも渋滞する横浜町田線には延長が予定されていません。
前出の関係者は、「元々は、横浜環状線と交わる横浜泉JCTまでは延長する予定でしたが、東名が横浜環状南線、横浜湘南道路と近い距離で並走しているため、そちらで代用する形になっています」と説明しています。
同区間の車線の増加も行われていましたが、それも上下線とも約15?の区間の一部に限られており、未だ有効な手段となっていません。
■横断歩道が起こした?中央自動車道の大渋滞
2018年度のランキングにおいて、2位にランクインしたのが中央自動車道上り線の「調布から高井戸」の区間です。この渋滞の原因は、ICを降りた後の交通状況に問題があります。
調布ICを降りると、甲州街道(国道20号線)に合流し、新宿方面に向かってその先で交差する鶴川街道に架かる多摩川原橋が超渋滞ポイントとして有名で、それがひいては中央自動車道にまで影響を及ぼしているのです。
さらに渋滞の原因は、調布ICの構造そのものにもあります。普段、この区間を利用するトラックドライバーのKさんは、「高速を降りた合流地点の信号が変わるのが、やたらと早いのです。ひどいときは3回以上信号が変わるのを待つこともあります」といいます。
一方で同じような事情を抱えているのは、その先の高井戸ICも同じ。高井戸ICを降りるとすぐ、都内でも屈指の交通量を誇る環状八号線(通称・環八)に繋がりますが、実はこの環八が原因ではないようです。
前出のKさんは、「環八に出る手前、高速を降りてすぐに交差する細い路地の信号がとにかく長いのですよ。この信号を待っている間に後ろはどんどん詰まるし、ひどいときはそのクルマの列が高速にまで続くほどです」と説明しています。
この信号が長いのには理由が存在します。高速道路の左右を挟んで両側に環八に出るまでの上下の支道がありますが、この三車線の距離が長いのです。
目測でおよそ50メートル。一般成人ならば一度で渡り切れる距離かもしれませんが、このあたりは東京西部でも古い住宅地。お年寄りも多く住んでいるほか、さらに若い家族も多いく子どもの数もそれなりに多いため、歩行者優先がゆえの交通渋滞となります。
怒るに怒れないのが人情というものですが、歩行者信号のために高速道路が渋滞するという不思議なもので、中央自動車道の構造そのものがもたらしています。
■その他のワースト渋滞ポイントは東京・神奈川 つづいて山梨・静岡など
「2018年の全国高速道路渋滞ランキング」のワースト3位になったのは、東名自動車道上り線の「東名川崎から東京」の区間です。
この区間は、東海地方から首都圏へ向かうための『日本の大動脈』となる要の部分といえ、「交通量が多くても仕方ない」とい諦めの声も聞かれます。
しかし、この渋滞の原因にも理由が存在するのです。都内を30年以上走るベテランのタクシードライバーS氏は、次のように話します。
「一番の理由は、もちろん都心への入り口なので交通量が多いということだと思うのですが、もう一つ理由を挙げるとすれば、降りてすぐにぶつかる環八のせいだと思います。
東京ICを降りた先は世田谷区なのですが、あの辺りは町並みが古く、抜け道や迂回路がまったくといっていいほどありません。そのため東京ICは、混むのを覚悟で降りるしかありません」
※ ※ ※
世田谷区は、第二次世界大戦中、空襲の影響をほとんど受けず、昔の道路が当時のまま残っている場所が多いといわれています。そのため道は細く、一方通行や行き止まりなどの場所が頻繁に存在。タクシードライバーの間では、「世田谷を走れれば一人前」といわれるほどの場所といえます。
「2018年の全国高速道路渋滞ランキング」のワースト上位は、東京・神奈川・山梨といった、首都圏と中部圏を繋がっている場所が占めています。
ほかにも、全国的には山梨、静岡、三重、岐阜といった渋滞路線も存在。新規道路や路線拡張、時差出勤推奨など、対策や改善方法は、常に練られているようですが、劇的な解消法は、まだ見つかっていません。
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