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子ども時代このクルマで育った大人も多いはず! いまやアルヴェル一色だけど「2代目エスティマ」は未来感溢れるミニバン界の革命児だった

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子ども時代このクルマで育った大人も多いはず! いまやアルヴェル一色だけど「2代目エスティマ」は未来感溢れるミニバン界の革命児だった

 この記事をまとめると

■「天才タマゴ」でお馴染みのエスティマは1990年に初代が登場

いまデザインの評価が高いトヨタ……は昔もスゴかった! デザインのプロが絶賛する「80点主義」時代のクルマ5台

■2000年に登場した2代目は未来感溢れる画期的なモデルだった

■3代目のエスティマは歴代モデルの集大成としてオススメだ

 時代の先を行くミニバンがエスティマだった

 1990年に初代が登場した、今はなきトヨタのミニバンがエスティマ。大きく角度が付いたボンネット、フロントウインドウを採用したワンモーションのエッグシェルデザインが斬新で、それを「天才タマゴ」と呼んだものだった。そうしたタマゴをイメージさせるエクステリアデザインを可能にしたのが、これまた画期的な、エンジンを横に75度寝かせたミッドシップレイアウトであった。サスペンションはフロントにストラット、リヤにダブルウイッシュボーンを採用するなど、かなり攻めた、ミニバン界を震撼させる1台だったのである。

 が、全長4750mmはともかく、当時としては幅広の全幅1800mm(北米市場をターゲットにしていたこともある。車名はプレビア)、2.4リッター直4エンジンのみの設定、約300万円からの価格もあって、販売は思うようにいかなかった。92年にはその反省か、廉価縮小版であり、5ナンバーサイズの全幅1690mmのエスティマ・ルシーダ/エミーナを発売している(エンジンが2.5リッターだったので3ナンバー登録ではあった)。

 そんなエスティマが国内で息を吹き返すことになったのが、2000年に登場した30系2代目エスティマの登場だった。エスティマがエスティマたるエッグシェルデザインが踏襲されたのはもちろんだが、駆動方式を乗用ミニバンの定番となったFF(前輪駆動)に改め、初代で不満があったエンジンも3リッターV6、および2.4リッター直4を用意。さらに両側スライドドア、センターメーターの採用も、2代目エスティマの新しさ、近未来感を醸し出していたのである。

 FF化によるメリットは絶大で、低床化に伴い、頭上方向のゆとり=ヘッドクリアランスも増大。結果、2000年度の新車販売台数3位につける、12万台以上のヒット作となったのである。そして、エスティマが時代に先駆けたのは、デビュー早々の2001年に国産ミニバン初の2.4リッターエンジン+モーターの、現在のクルマ、ミニバンでは当たり前のハイブリッドモデルを追加したことだった。

 ハイブリッドモデルの追加により、新たな機能も加わった。それがAC100V/1500Wコンセントである。走行中、停車中を問わず1500Wまでのコーヒーメーカーや簡易電子レンジなどの家電品が使え、アウトドア、災害時に威力を発揮。ミニバンの車内空間ゆえ、車中泊やプライベートな避難所としても大活躍してくれる便利さ、ありがたさをもたらしてくれたのである。

 走りも車内空間も高次元でまとめ上げていた

 ここで、当時の筆者の試乗リポートを要約すると、「16インチタイヤを履く標準車はトヨタの上級乗用車に匹敵する街乗りベストな快適感ある乗り心地がもち味。ただし操縦性は緩慢。活発な走りは得意としない。一方、17インチタイヤを履き、ローダウンサスペンションを採用したアエラス-Sともなれば、あらゆる走行シーンで安心感の高い操縦安定性とフラットな乗り心地を示し、高速道路や山道での安定感、爽快な走りのテイストが際立つ」。

「ただし、2.4リッターエンジンは回すとうるさく、回転フィールはガサツ。車格に合うのはトルキーかつスムースで静かな3リッターV6エンジン搭載車のほうだ。また、2.4リッターエンジン+モーターのハイブリッドはただの2.4リッターエンジンに対して、遥かにパワフルかつトルキーに走り、全体的な車内の静粛性でも圧倒。さらに後輪をモーターで駆動する電気式4WDはさらに安定感が高く、あらゆる走行シーンでリラックスした運転が可能」。

「エッグシェルデザインによってフロントウインドウの傾斜が強いため、前方の見切りには慣れが必要。居住性は文句なく、1-3列目ともに広々。とくに2列目席膝まわり空間は国産乗用車最大級のゆとりがある。運転席はアエラス-Sのスポーツシートだとかけ心地、サポート性ともに優秀でロングドライブでの快適感、疲れにくさが際立つ。7人乗りの2列目キャプテンシートとともにある8人乗りの2列目ベンチシートは2-3列目席対座も可能で、ミニバンとしての楽しさ、使い勝手にも注目だ」……とある。

 現在見かけるエスティマは、洗練された3代目(2006~2020年)が中心だが、30系2代目エスティマは、FF駆動方式やハイブリッド、そのハイブリッドに用意されたAC100V/1500Wコンセントの用意など、時代に先駆けた多彩なユーズに対応した、じつは国産ミニバンに大いなるインパクトを与えた1台といっていいのである。

 そんなトヨタ・エスティマは2019年10月、生産終了。1990年からの3代、約30年の歴史に幕を閉じた。今、中古車として買うなら、3代目の2016年6月に行われた最後のマイナーチェンジモデルを、V6ガソリン、ハイブリッドを問わず、薦めたい。エスティマの約30年の歴史の集大成となる濃い内容が、走行性能を含め、ふんだんに盛り込まれているからだ。

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みんなのコメント

16件
  • bhpd
    初代は綺麗な造形だったけど、2代目はフェンダーの斜めに切れ上がったラインと三角形のヘッドライトが子供っぽくて全くいいデザインには見えなかった。
  • reg*******
    革命児とは言うものの、初代に比べれば、FFベースのごく普通のミニバンになった2代目エスティマ。
    ちょっと前まではライトが黄ばんでヤレた感じの個体をよく見かけたが、最近はそれも減ってきた印象。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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