この記事をまとめると
■2サイクル方式のエンジンは現在ではほとんど見かけなくなった
クルマの「外装」に木! キノコが生えちゃった例もある「異色」のクルマ3台
■コンパクトで高出力を出しやすいユニットとして小型車や二輪車で重宝されていた
■世界の排出ガス規制により活躍の場は奪われて四輪車では完全に姿を消した
時代の流れに乗ることができなかった2ストエンジン
いまはほとんど見かけなくなったエンジン機関の方式に2サイクル(2ストローク)エンジンがある。かつては軽自動車やモーターサイクルといった比較的小排気量車のパワーユニットとして重宝がられたエンジンである。
2サイクル方式のメリットは、4サイクル方式が出力を得るのに4行程(吸気→圧縮→爆発→排気=クランクシャフト2回転)が必要なことに対し、2サイクル方式は、圧縮行程と排気行程(正確には掃気行程=ピストン上昇行程)、また爆発行程と吸気行程(クランクケース内への吸気、および1次圧縮=ピストン下降時)を同時に行うことで、クランクシャフト1回転で出力を得る各行程が完結することだ。もちろん、各行程での損失などを見込まなければならないのだが、乱暴に言ってしまえば、同じ排気量なら、2サイクルエンジンは4サイクルエンジンの倍の出力を発生することが可能ということになる。
ただし、2サイクル方式は、吸排気バルブの働きで各行程を完全に独立した状態とすることができる4サイクル方式と異なり、シリンダー内で排気行程と圧縮行程が同時に行われるため、排気ガスに吸気の未燃ガスが混ざったり、エンジンオイルが排出されたりと、排気ガス中に有害成分が含まれる特徴があった。
そのため、世界的に排出ガス規制(大気汚染防止)が注視されるようになった1970年代に入ると、次第にその数を減らすことになり、1980年に入ると四輪車では完全に姿を消す運命をたどることになった(船舶用、重機用のエンジンとして2サイクルディーゼルが存在するが、乗用車用とは別のシステムとして理解いただきたい)。
高出力の出しやすさでF1エンジンとして採用の可能性もあった!?
その2サイクル方式だが、最近話題になったことがある。もう2年近く前の話になるが、F1の新しいパワーユニットとして、2サイクルエンジンの可能性を示唆するような発言があった。発言主は、ベネトン/ルノー、ウイリアムズなどでテクニカルディレクターを務めたパット・シモンズだった。
氏の着目点は、いくつかある2サイクル方式のなかで、ひとつのシリンダー内に対抗してピストンを配置、そのピストンの両端にクランシャフトを設ける「対向ピストン方式」のエンジンだった。ポイントは熱効率を大きく向上させることができる点にあり、1ccあたりのガソリンから変換できるエネルギー量が大きくなる(=損失が小さくなる)ことに着目した発言と解釈することができた。
実際、2サイクル方式の対向ピストンエンジンは、吸排気バルブの不要な2サイクル方式なら、同一シリンダー内にピストンを対向して配列することも無理なく可能で、実際、幾多のエンジンが存在した歴史がある。高い熱効率を持つ2サイクル対向ピストン方式のエンジンなら、時代の要求に見合った性能が発揮でき、現状の4ストローク方式に代わる可能性を持つ形式として発言したのが、その真意ではなかったかと思う。
ただし、現状は世界規模での問題として取り上げられている地球温暖化、それに対するゼロカーボンに向け、早い国では2030年頃をメドに内燃機関などによる自動車の生産を終了する方針を打ち出している。高効率化の点で、2サイクル対向ピストン方式のエンジンは一考の余地が十分あるようにも思えるが、排出ガスの問題を踏まえると、少なくとも量産車の基準では、非現実的としか判断のしようがない。
むしろ、2サイクル方式ではなく、各行程の動作が安定した4サイクル方式で、この対向ピストンエンジンに着目している企業がある。米ピナクルエンジンズ社で、スリーブバルブ方式を進化させて4サイクル対向エンジン方式の可能性に着目している。熱効率に優れた方式、さらに化石燃料に頼らないノンカーボン燃料(たとえば水素燃料など)であれば、排出ガスに含まれる炭素(主に二酸化炭素)の問題もクリアでき、内燃機関であっても無公害エンジンとしての有用性が確立されるかもしれない。
いずれにしても、F1での2サイクル対向ピストンエンジンの実用化は、その後いっさい表立った情報として発表されず、量産エンジンとしては非現時的であることから、技術的な着目点はあるものの、アイディア止まりの方式ということができるだろうか。
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みんなのコメント
誰のチョイスかは知らないが、レアなエンジン持って来たなぁ。