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カーボンだらけのNSX! ホンダ公認の新カスタムブランド誕生!?  ARTAメカニクスの新コンセプトストアとは

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カーボンだらけのNSX! ホンダ公認の新カスタムブランド誕生!?  ARTAメカニクスの新コンセプトストアとは

ARTA(オートバックス レーシング チーム アグリ)は2023年3月30日、初のコンセプトストア「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS(エーアールティーエー メカニクス アンド インスピレーションズ)」を同年5月12日に東京・新木場でグランドオープンすることを発表。オープンに先駆け、3月30日に報道陣に先行公開した。

■新カスタムカーブランドの旗艦店

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ARTAは、日本のレジェンドレーシングドライバー鈴木亜久里氏とオートバックスセブンが立ち上げたレーシングスポーツブランド。元はレーシングチームだったが、2018年からレーシングスポーツブランドへと変わり、レースグッズだけでなくアパレルやウォッチも商品展開している。

そんなARTAが、今度は市販車のカスタムメーカーとして2022年に市場へ新規参入した。ブランド名は「ARTAメカニクス」。今回発表されたコンセプトストアはこのARTAメカニクスのカスタマイズを行う第1号店であり、ARTAブランドすべての商品が購入できるフラッグシップ店としての役割も担っている。

ARTAメカニクスはすでに2023年の東京オートサロンで、カスタムコンプリートカーを2台発表し展示していた。ホンダNSXをベースにした「LEGAVELO(リガヴェロ)」と、同じくトヨタGR86がベースの「VIGARE(ヴィゲイル)」がその2台だが、このストアには両車が展示され購入もできるようになっている。

真っ黒な外観とは打って変わり、店内は白で床と壁が統一された明るい雰囲気。工場をリノベーションした広大なフロアには、壁面にアパレルがズラリと並べられ、先述のコンプリートカー2台とF1マシン「スーパーアグリ SA07」が展示されていた。そのシンプルさと贅沢な空間の使い方は、まさにハイブランドのショップそのもの。サーキットでは決して感じられない、ARTAブランドの特別感のある雰囲気が体験できる。

■普通のカスタムカーでは考えられない点とは?

店内の入り口側にはリガヴェロが、奥にはヴィゲイルがそれぞれ展示されていた。コンプリートカーとして完成度の高い両車を、明るい照明の下で間近にじっくりと見られる。今のところ、世界でこのストアにしか存在しない貴重な2台である。スポーツカー好きにとっては、それだけでもここに来る価値がありそうだ。

オートサロンの会場ではじっくりと見られなかった筆者も、今回初めて間近に見ることができ改めてその高いクオリティに驚いた。特にドライカーボンのパーツをこれでもかと使用しているリガヴェロは、かなりの時間をかけて撮影をしながら観察。いちカスタムメーカーが施したとは思えないほどの贅沢な作りに関心すると同時に、ある一つの疑問が浮かんできた。「このクルマを買った人はどこで整備するのだろう?」

通常カスタムカーは、カスタムを施工した店舗で整備してもらうのが一般的。標準車ではないので、正規ディーラーでは扱いにくくなるからだ。しかし、ARTAメカニクスは現状この1店舗のみ。東京近郊に住んでいないオーナーや、緊急時はどうするのだろうか。そこで車両開発に携わった、ARTAメカニクスの肱黒哲夫(ひじくろてつお)氏に会場で伺ってみたところ、意外な答えが返ってきた。

「NSXは元々、全国でも限られたNSXパフォーマンスディーラー認定の販売店にしか入庫できませんが、このリガヴェロも同じディーラーで整備が受けられるようになっています。このコンセプトストアにまで来ていただかなくても大丈夫なのですよ」。

正直最初は耳を疑った。自動車メーカー直系のワークスチューニングカーならまだしも、いちカスタムブランドのコンプリートカーでは聞いたことがない。しかし話を伺ううちに、このリガヴェロの開発にはとてつもない時間と手間がかかっているのだとわかった。

■レースカーを作りたいわけではない

「開発を進めていくなかで、ホンダさんと何回も何回も話し合いながら保安基準を遵守したカスタムカーへと仕上げていきました。通常の車検にももちろん対応しています」。

「例えば、リヤのテールランプは照射角が45度以上と決まっていますので、リヤフェンダーの後方延長はその照射角を守る長さとデザインにしています。歩行者保護の衝突安全基準にも対応するため、フロントの突起物は極力なくしました。各種センサー類やエアバッグも、もちろん標準車と同様に稼働できるようにしています」。

もう、やっていることがカスタムブランドのそれではない。メーカー純正パーツや、直系ワークスと同じレベルだ。なぜそんなことができるのかは、お察しの通りARTAだからである。ホンダとARTAの長きに渡って築き上げた信頼関係があるからこそ、ホンダ公認のカスタムカーができるのだ。

「レーシングカーを手がけているデザイナーがリガヴェロのデザインを担当していますので、レーシングカーのような機能性も兼ね備えたボディワークが一番の特徴です。でも、ARTAメカニクスは、レーシングカーを作りたいわけではありません。あくまでも日常での使用を前提にしています。だからこそ、保安基準の遵守は最優先されるべきだったのです」。

昨今のレーシングカーのトレンドを押さえた、エッジの効いたフォルムがARTAメカニクスの最大の魅力。だが、その裏には考えもつかないような開発の苦労があり、その甲斐あってディーラー入庫が可能になった。

リガヴェロのカスタム代は、2530万円と決して安くはない。しかしそれに見合う内容とこだわりがそこにはあり、そういったカスタマイズこそが、ARTAメカニクス独自の世界観を作り上げていくのだろう。登場が予定されているコンプリートカーはまだ未定だが、今後のラインアップ展開が楽しみなカスタムカーブランドが登場した。

<写真と文=青山朋弘>

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モーサイ

みんなのコメント

1件
  • あくまでも…ロードカーを作る
    ゴードンマーレーの思想」ですね

    マクラーレンF1」
    T50」
    もまた…ロードカー」として開発されています

    ARTAの目指す先は?どこまでの高み」なのでしょうかね
    今後が気になります
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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